項目名 | はみだしっ子 |
読み | はみだしっこ |
分類 | コミック |
作者 | |
公的データ | Part1 われらはみだしっ子 Part2 動物園のオリの中 Part3 だから旗ふるの Part4 雪だるまに雪はふる 番外編 ボクの友達 Part5 階段のむこうには… 番外編 眠れぬ夜 番外編 ボクは友達 Part6 レッツ・ダンス・オン! 番外編 ボクと友達 Part7 夢をごらん 番外編 ボクが友達 番外編 ボクも友達 Part8 残骸踏む音 番外編 A(ANGIE) 番外編 G(GRAHAM) 番外編 M(MAX) 番外編 S(SARNIN) Part9 そして門の鍵 番外編 きのうみた夢どんな夢 Part10 山の上に吹く風は 番外編 長い夜 Part11 奴らが消えた夜 番外編 アンジー・アンチー君アルバイト ア・ラ・カ・ル・ト 番外編 愛しのオフィーリア 番外編 ついに出て来なかったSの顔 Part12 裏切者 番外編 G・A・S・Mのお料理教室 番外編 ついに嫌われたMの大冒険 Part13 窓のとおく Part14 バイバイ行進曲 番外編 線路の夜 番外編 パーティー教室 Part15 カッコーの鳴く森 番外編 音楽教室 番外編 拷問教室 Part16 もうなにも… Part17 クリスマスローズ咲く頃 番外編 サーニンのメモノート 番外編 整り整とん教室 Part18 ブルーカラー 番外編 もっと焚木を! 番外編 Part18とPart19の間 Part19 つれて行って 番外編 ミスター・グレンマイヤーの休日 番外編 楽屋裏[1] 番外編 楽屋裏[2] 番外編 オクトパス・ガーデン 大枠のあらまし(注:結末部分の記述があります) 全体はいくつかの部分に分けられる。 Part.1からPart.9までは親を見捨てた・親から見捨てられた4人が出会い、喧嘩をしながらもお互いに信頼関係を築いていく過程が描かれている。グレアム・アンジーをリーダーとしたグループとして、「親ではなくホントに愛してくれる人」を求めて、社会からの"はみだしっ子"の立場を選択し、子供でありながら大人達を小気味よくあしらいながら放浪する。 Part.10で4人が雪山にて遭難し、むき出しの人間のエゴイズムと憎悪に直面して4人がそれぞれ傷つき、バラバラになる。Part.11,12では、マックスとサーニンが失踪した先で社会との関わりをそれぞれ獲得し、"はみだしっ子"グループに頼らない自我を確立する。 Part.13以降再び4人で放浪生活を送るが、グレアムとアンジーは雪山での事件(Part.10)を隠し通すことに悩む。グレアムが父と死別する(Part.14)と、グレアムの伯父の勧めに従い4人はでクレーマー家に養子に入る(Part.17)。 放浪生活時代とは異なり、「定住」することに4人が慣れない中、マックスとリッチーの抗争に巻き込まれてグレアムが負傷する。リッチーを告訴した裁判が結審(関係者のリッチーの項を参照)し、アンジー、サーニン、マックスがそれぞれクレーマー家の息子の座に収まったことを確認したグレアムは雪山で起きた事件を清算しようと画策した。しかし、相手の拒否にあい失敗(関係者のフェル・ブラウンの項を参照)。自殺を図るもそれも失敗すると、心を閉じた。雪山事件に関わったアルフィーが死んだことでしがらみが無くなり、グレアムがジャックに事件のことを明かしたところで物語が終わっている。 主要キャラクター ”はみだしっ子" 本名として示しているのはクレーマー家に養子に入る以前の本名である。 グレアム 本名はサーザ・グレアム・ダルトン。12月26日生まれ。Part.1の初登場時で7歳(8歳の誕生日の目前)、物語の最後であるPart.19では14歳。4人の中では一番年長で、4人の「キャプテン」("キャプテン・グレアム")。父親は有名ピアニストであり、幼少期から訓練を受けた彼もピアノの腕はいい。幼少期に犬を庇い父親に右目を傷つけられ、片目を失明。以後、父親の死によって角膜移植を受けて視力を回復した後も前髪で右目を隠す髪形をとる。叔母の自殺を自分のせいと思い込んでトラウマになっており、また父親への殺意を幼い頃から抱いている。物事をロジカルに捉え、考察する傾向がある。年上の女性に受けがいい。黒い衣服を好み、加えて黒髪であるため、ペンギン(グレアムペンギン)でデフォルメされて表現されることがある。雪山事件の際、マックスを護りきれなかった自分を責め、また麻薬の影響で一時精神に異常をきたす。回復後は再び4人で行動するが、父の死後、叔父の勧めを受けてクレーマー家に養子に入る。マックスとリッチーの抗争に巻き込まれてリッチーに刺される。この件で裁判沙汰になるが、リッチーを陥れて勝訴する。雪山事件の清算のために自殺を図るが失敗。 アンジー 本名はリフェール・ステア。3月22日生まれ。グレアムの3ヶ月年下で初登場時には7歳で物語の最後であるPart.19では13歳。女優イブ・ホーンの私生児(ラブ・チャイルド)として生まれ、幼少期に小児麻痺を罹患し右足が動かなくなり、女優を目指す母親から棄てられたと悟って家を出た。物語冒頭では松葉杖をついていたが、本人の努力によって普通に歩けるようになる。料理上手であり、グレアムとは反対に物事を直感的に捉え想像力を豊かに膨らませる。「アンジー」とは母親が彼のことを「アンジュ(天使)」と呼んでいたものが訛ったもの。これは女性名であり、彼も髪を長く伸ばしフリルのついた服を好むため、よく女性に間違われた。ただ同年代の女性にはもてている。髮の長さは物語とともに伸びており、Part.19ではロングヘア程度の長さになったが、伸びる途中ではカッパにデフォルメ表現されるなどされた。グレアムとともに雪山事件の真相を知る1人で、後始末をシドニーとアルフィーに頼んだ。雪山事件の後、精神に異常をきたしたグレアムに代わりばらばらになった4人を探し集める。クレーマー家に養子にいったのちは「バカ息子」を演じたが、やがてクレーマー家の息子の座に落ち着いた。以後はグレアムを案じていたが自分では彼を救えない無力さに悩み続けた。番外編にて、音痴であることを自覚させられている。 サーニン 本名はマイケル・トーマス。9月17日生まれ。グレアムの3年年下で初登場時は5歳で、物語の最後であるPart.19では11歳。曽祖父はロシア人で「サーニン」は飼っていたインコに名づけたロシア風の名前。母親の死後、失語症になり地下室で幽閉されていたところをアンジーに助け出される。インコに「サーニン」という名前を思い出され、アンジーに歌を教わり言葉を取り戻した。地下室の記憶のため暗く狭い場所がトラウマ。動物、特に鳥と馬が大好きな野生児。ボサボサのクセ毛で服装には頓着しない。雪山事件の際は途中で助けを呼びに山を降りていた。その後牧場で療養し、エルバージュと出会い馬主になる。サマー・キャンプでクークーと出会う。将来の夢は騎手。 マックス 本名はマックス・レイナー。11月4日生まれ。グレアムの3年年下、サーニンとは同い年で初登場時は5歳で、物語の最後であるPart.19では11歳(文庫版等では裁判のシーンで「八歳です」と答えているが、「11歳」の誤植である:単行本では修正されている)。酒乱の父親に虐待を受けていたところをグレアム達に拾われて、旅を共にする。4人の中では親の虐待に関する具体的な描写が乏しいが、首を絞められることと拳銃がトラウマになっている。おでこが特徴。初期は天真爛漫で泣き虫でいじけ虫だった。「お人形さんのよう」な風貌のため、特に年上の女性に可愛がられる傾向がある。雪山事件の真犯人だが、本人は何も記憶していない。雪山事件の後失踪し、孤児院に拾われ、学校生活を経て友達をつくり"はみだしっ子"の仲間に頼らない自立した自我を形成していった。クレーマー家に養子に入った後、地域の子供たちのボス的存在となり、リッチーと対立。その抗争でグレアムが怪我をし裁判沙汰になったことを悩んだ。 関係者 名前の後の「Part.**」は本編における登場回。電話越しのようなキャラクタ画像が出ない場合は除き、台詞が無い場合でも登場したときは挙げてある。 "はみだしっ子"達の親族とその関係者 ここでは、4人のはみだしっ子の生家および養子先であるクレーマ−家の家族とその関係者をあげる。 クレーマー家 Part.16でグレアムの叔父に紹介され、Part. 17で4人が養子として入ったクレーマ−家とロナルド。 ジャック(Part.1、Part.17〜) ジャック・クレーマー。Part.1で凍死しかけていた4人を救った外科医であり、Part.17で4人を養子として引き取った。少年期に家庭教師に誘拐された経験があり、そのために1年留年していた。男ばかりの兄弟の末っ子。父親の商売を継がず外科医の道を選び勘当され、叔父のフレッド以外との親戚とは絶縁状態。『はみだしっ子』シリーズ本編では4人を理解し受け止めようとする絶対的な存在として描かれている。1979年晩秋において38歳。 パム(Part.17〜) パメラ・クレーマー。ジャックの妻。レティシアの友人。ロナルドの紹介で出会い、結婚。妊娠するが逆恨みするジャックの友人にはしごから落とされ流産、子を産めない体になった。養子として4人を迎えた後は戸惑うことも多かったが母として毅然と振舞うように務めている。1979年晩秋において33歳。 ロナルド(Part.17〜) ロナルド・グレンマイヤー。ジャックの同僚、友人。ジャックより3歳年下であるが、ジャックが留年したのとロナルドが2学年飛び級したため一時期同級として机を並べた。4人がクレーマー家に引き取られるにあたって「オブザーバー」として関わる。アンジーと馬が合う。ジャックと自身の少年〜青年期を記述した作者の別の作品『ロング アゴー』の主人公。3人の姉を持つ末っ子で完全主義者。別れた妻・レティシアの間に一人娘シベールがいる。 ダルトン家 グレアムの生家と親戚。 エイダ・ムア(Part.5、9、10、11、12、14) グレアムの年上の従姉弟。自殺した叔母の娘。Part.5で自分の母親(グレアムの叔母)の自殺はグレアムに責任があるという立場から彼を追い詰めるために会いに来る。しかし、マックスの天真爛漫さと4人組の信頼しあう関係に心を変える。以後は4人の隠れた理解者として、グレアムの父の来訪を知らせたり、友人のオフィーリアとともに隠れ家の提供などを行った。グレアムの父の死の際には2人の和解を最後まで祈っていた。 オフィーリア(Part5、11、12、13、16) エイダの友人。愛称は「フーちゃん」。容姿・名前から、作者の知人であるくらもちふさこがモデルであることがわかる。当初は発言も少なかったが、雪山事件の後アンジーとグレアムに隠れ家として別荘を提供したことから、包容力のあるキャラとして演出されるようになった。 グレアムの伯母(Part.5:すべて回想シーン) グレアムの母の兄の配偶者。家はダルトン家の隣で、幼少のグレアムがピアノの特訓に塞ぎこんでいるところを連れ出すなどグレアムの遊び相手となっていた。病に倒れた後、グレアムに自分の代わりの遊び相手として犬を与えるが、その犬はグレアムの父によって殺され、その際事故でグレアムの右目が失明する。病が重くなった後、グレアムに角膜を遺贈することを遺言して左腕を切り自殺した。 グレアムの伯父(Part.5、14、16) グレアムの母の兄。グレアムを通して4人に生活費を密かに提供してきた。Part.16で4人を養子に欲しいというジャックと出会い、彼らの養子縁組手続きと彼らが普通の子供に見えるように見栄えを整えることを手伝った。 グレアムの父(Part.5、9、14) 姓はダルトン、名は明記されていない。グレアムの実父で有名ピアニスト。死の前日までピアノを弾いていた。グレアムに対しピアノのスパルタ式英才教育を行い、それ以外のことを認めなかった。「自分自身の始末もつけられないうちから他人のことに手を出すな」「多少無理に思えても手を伸ばしてつかめるなら精一杯背伸びしてでもつかめ」という信条をグレアムに叩き込んだ、我が強い意志の人。妻(グレアムの実母)と別れた後、グレアムが逃げ出すとそれを追って捜し求めた。Part.14で腫瘍のため死去。遺言でグレアムに角膜を移植させる。最期まで自分の意志を曲げなかった。 アンジーの生家 イブ・ホーン(Part.3、9、16) アンジーの実母。女優。アンジー(リフェール、愛称は「リフ」)を私生児として生んだ後、彼を姉の家に預け映画スターを目指し2週間に一度戻ってくる以外は下積み生活を送っていた。その後、アンジー(リフ)が女優人生に負の影響を与えることを危惧し、彼を捨てる。そして、映画『Take me with you』(これは『はみだしっ子』Part.19のタイトルでもある)の主役に抜擢されメジャーな女優となる。成功後、ケイトによりアンジーの行方を知った際(Part.8)、彼を引き取りたいと申し出るがアンジーによって拒絶される。その後はアンジーがクレーマー家と養子縁組の際に会いたいと言ったときに会うのを避けようとするなどの態度を取るようになった。 アンジーの伯母 イブ・ホーンの姉。妹の子アンジー(リフ)を預かる。イブ・ホーンがアンジーを捨てることを決意したことを知り、妹と絶縁することを決める。 トーマス家 サーニンの生家。アンジー・グレアムの親族が頻繁に彼らを捜索していたのに対し、サーニンの親族が放浪中に接触してきたことはなかった。 サーニンの祖父(Part.4:回想シーン) ロシア系の母方の祖父。本編に明かされていない設定では亡命ロシア貴族であるとされている。サーニンの母が凍死したことに関してサーニンの父を問い詰める。なお、彼に対してサーニンの父は「ロシアンルーレット」による決着を提案するが、これは作者:三原順の「Sons」の登場人物ジュニアの自殺(あるいは事故)の要因である。 サーニンの母(Part.4:回想シーン) サーニンの父と祖父である、夫と父親に意見できない気弱な女性。二人の対立の間で精神を病み、雪の中延々と雪かきをして病を得、逝去する。そのため、「甘える方法」をサーニンが学べなかった。 サーニンの父(Part.4:回想シーン) サーニン(トーマス)を「れっきとした英国人」として育てようと、サーニンの祖父(自分にとっての義父)がロシアの話を聞かせるのを嫌がり、家庭内に軋轢を生む。サーニンの母がどっちつかずな態度を取ることを責め、彼女を追い詰めた。彼女の死後、口を利かなくなったサーニンを疎んで妹の家の地下室に幽閉させた。 レイナー家 マックスの生家。マックスが極めて幼い時分に家出をしたため、マックスの記憶も少なく描写は少ない。 マックスの父(Part.10:回想シーン) 酒乱気味でマックスに対していつも乱暴を振るっていた。拳銃が趣味で野鳥を撃っていた。Part.1でマックスの捜索を警察に依頼していたことが描写されている。なお、「お前一人だけでも十分邪魔」などと発言するなど、マックスの生家では彼の母親の描写はなく父子家庭であることが示唆されている。 雪山事件に関わった者 Part.10で4人が遭遇した雪山で起きた一連の事件および、Part.19で事件に関してグレアム達と関わった関係者をあげる。 ギィ(Part.10、Part.19で回想シーンに登場) ギィ・サリバン。落ち目の女性歌手シャーリーのマネージャー。シャーリーに対して好意を抱いている。雪山で4人とともに遭難にあう。行方不明になったシャーリーが戻ってこないのは4人のせいと思い込み、マックスらの首を締める。マックスは夢うつつの状態のまま反射的に拳銃で彼を射殺する。彼の死体は「丁度中が空いていた」シドニーの墓に一時的に収められたあと、海に沈められた。 (以下はPart.19で明かされた設定)一度結婚しているがその妻は既に死亡しており、妻の妹であり義妹のフェル・ブラウンと暮らしていた。彼女に対しては優しかったが、薬局に勤めていた彼女からモルヒネ等の鎮痛剤を密かに入手していた。 フェル・ブラウン(Part.19) ギィの義妹。姉の死後ギィとともに暮らし、薬局に就職する。鎮痛剤を盗み取られていたことや、ギィの失踪後ギィの捜索等についてウィンに相談する。グレアムからギィの射殺について知らされ、「報復のため自分を好きなようにしていい」というグレアムの提案に対し、そこまでギィを愛していたわけではないと提案を断った。 ウィン(Part.19) ウィン・ショークロス。フェル・ブラウンの勤め先の薬局の息子。彼女の相談相手であり、仲間とともにグレアムを誘拐・軟禁するなどの一件が終わった後、彼女と結婚した。 アルフィー(Part.2、10、Part.19で写真と手紙) シドニーのヨット仲間。4人とレディ・ローズのアパートで出会い、シドニーへの紹介状を渡す。雪山事件のときに同じバスに乗り合わせ(実際には4人を追ってきた)、遭難した後には4人を保護していたがマックスが拳銃を撃った際には偶々居合わせず防げなかった。シドニーとともに事件の後始末と隠蔽(警察への対応)を行う。以後はマーチン一族の会社に対する労組運動を行うが、組合長とともに事故死。 シドニー(Part.9、10) シドニー・マーチン。アルフィーのヨット仲間。財閥グループを所有するマーチン一族の嫡子であったが、一族の脅迫に屈して死んだことにされる。4人に出会ったことで一族に対抗する勇気を得る。雪山に向った4人を追うようにアルフィーに頼み、事故が起きたと知った後自身も後を追いギィの死体を運んでいたアンジーに出会う。死体とアンジーの世話など後始末を行う。以後はアルフィーとともに、マーチン一族の会社に対する労組運動を(戸籍上は死亡しているので)影から支援する。 ドクター・ヒューズ(Part.10、19) 雪山の事件の後、精神のバランスを崩したグレアムの治療に当たった主治医。 Part.19でクークーを独自に探していたグレアムが、彼女が入院していた病院の院長として再会する。グレアムは彼に以前治療を受けたことの記憶がないが、懐かしさを感じて2時間あまりも饒舌に語った。 ジョイ(Part.10) 雪山のふもとの喫茶店で4人と出会う。一般の観光客を装っていたが、実はN銀行を仲間2人と強盗し、警備員2人を射殺(3発発射)して逃亡中だった。4人とともにパノラマコース行のバスに乗り、吹雪のため引き返そうとする運転手を銃で脅し、バスを林間コースに誘導する。バスが崖を落ちた際に左足を負傷。ラジオで自分の逃走ルートがばれたことを知り、バス乗客のグループから立ち去る。自分を追ってきたマックス、そしてマックスを心配して追ってきたサーニン・アンジーの目の前で拳銃自殺(4発目)。拳銃はマックスが拾い、ギィ射殺(5発目:最後の弾)の遠因となる。彼の拳銃はマックス(ギィ射殺)→アンジー(自殺未遂)→シドニー→アンジーの順に渡され、Part.19でアンジーがグレアムを狙うクライマックスで用いられる。 シャーリー(Part.10) 落ち目の歌手。マネージャーはギィ。ややヒステリー気味で麻薬に頼って平静を保っている。グレアムに麻薬を渡す。吹雪の夜に行方不明になり、後に刺殺体で発見される。彼女のヘロイン入りのかばんは怪我をした4人等の弱者グループを見捨て下山し雪崩に巻き込まれて死亡した"彼女"が所持していた。シャーリーの居なくなった夜、グレアムが彼女に薬を返さなかったことはグレアムの心の傷の原因のひとつになった。 アンジー(Part.10) 4人と同年代くらいの女の子。子犬ロアとともに1人で旅行していたところ、事故に巻き込まれる。「パパやママが心配しているので早く帰りたい」ため、4人を置いて下山するが、途中で雪崩に巻き込まれて死亡。はみだしっ子のアンジーと同名のため、救助隊は彼が遭難者名簿から欠落しており自力で下山したことに気づかなかった。 長髪黒髪の男性とパーマの女性のカップル(Part.10) 10代後半〜20代くらいのカップル。女性は男に対して受身的な行動を取っていた。吹雪によるバスの遅延などに始終苛立っており、男の方は自分では行動しないが他人の行動にはケチをつけたがる自己中心的な言動を見せる。ジョイが集団から離脱したときにはマックスに危険が及ぶ可能性を無視してジョイを追い詰めようとした。また、シャーリーがボランティア的に歌を歌ったことに対して面と向かって「うるさい」と言った唯一の人物。4人ら負傷した弱者グループを見捨てて下山することを提唱した。パーマの女性は上の項目のアンジー以外では雪崩に巻き込まれた唯一の女性。 孤児院に関わる者 Part.11でマックスが保護された孤児院とその周囲で関わった人物。 ジャネット(Part.11) 孤児院で皆の世話をしている女性。ヒステリー気味であったが、ヴァトゥの非行によって鬱屈となっていく。 トビー(Part.11) 孤児院のやや年長の子供。孤児院の生活に慣れないマックスを諭そうとして、直前にマックス自身を拒否したグレアムを連想させたためにマックスに拒絶される。養子にもらわれ孤児院から立ち去った。 ブラッド(Part.11) 学校に通うようになったマックスの隣席に座っていた児童(孤児院の子ではない)。黒髪・黒目で親切なところがグレアムを連想させ、マックスは彼を無意識に避ける。2年を経た後、和解し友達となるものの、マックスがヴァトゥのことを気にかけることや事あるごとにグレアムを引き合いに出すことに嫉妬する。 ヴァトゥ(Part.11) マックスと同じ年齢の孤児院の子。母親は死亡し父親はアルコール中毒で入院。やや乱暴な傾向があり、マックスのことを手下と思っている。マックスがブラッドと仲良くするなど従わないことに苛立ち、タバコを吸うなど非行を悪化させる。アンジーに対して心を開き、マックスが孤児院から出て行く手助けをする。 ミッジ(Part.11) マックスの1歳年上の孤児院の子。「孤児院の子だから」と悪口を言われたくないので、品行方正成績優秀で通しているが、そのためにジャネットに対して心を開けなくなっている。R.D.レインの「結ぼれ」に基づく他者との関係論などを通してグレアムに対して心を開き、ジャネットと信頼しあう関係を築こうとし始める。 エルバージュの事件に関わった者 Part. 12でサーニンが出会うエル(エルバージュ)と、彼を利用した八百長事件・誤診に関係した人物・馬。 エル(Part.12、13、16、19) エルバージュ。サーニンが馬主となったサラブレッド。父馬ザ・ブルーニは好調・不調の波が激しく競馬ファンに「裏切者」のあだ名をつけられた。6月と遅い時期に生まれ体が小さいが、ザ・セフトという強い馬の18.75%の血を引いており血統はよい。6戦4勝後、伝染性貧血の誤診を受け薬殺処分になるところをサーニンら4人組が強奪した。以後、登録外のはみだし者の馬としてオフィーリアの別荘やクレーマー家の屋根裏などで過ごす。 キャシー(Part.10、12) キャシー・シグナン。雪山事件の後、放心状態で彷徨していたサーニンと出会い、自宅に誘う。サーニンの1歳年下(6歳)。Part.12の冒頭において、放心状態だったサーニンに代わって状況を記述する視点になっている。ただし、枠(吹き出しではなく四角く囲まれた中に記述される)内の文体などから、6歳当時の視点ではなく成長したキャシーが後に回想している文章になっている。家出をしても、「道を渡ってはいけない」という母親の言いつけを守り家のあるブロックをぐるぐる回ることしかできない程母親の枠から外れることを怖れている。 ミセス・シグナン(Part.12、19) キャシーの母で雪山事件の後サーニンを保護する。目的のためならどのような手段でも正当化されるという考え方をする。エルの血統であるザ・セフトの腸ねん転による死に幼少時に立会い、馬に対してトラウマを抱いている。バーガー医師の脅迫に対してエルにバルビツール酸系の弛緩剤を含んだ角砂糖を食わせ八百長で儲けさせる。 Part.19では登録を外れレースに出られなくなったエルにそっくりなラッド・ダンサーという馬を探し出し、すり替えてエルにレースを出すようにサーニンに提案するが拒否される。後に4人には内緒でそれを実行するが、レース出走直前に阻止された。 バーガー (Part.12) キャシーの家の主治医(家庭医)。キャシーからは「ハンバーガー先生」と呼ばれている。右手を怪我し衰弱していたサーニンを最初に診察した。その後、シグナン氏が雪山の事故の犠牲者の保険金を詐取していたことを知り、彼らを脅迫し八百長を強制した。八百長の方法はエルが大勝した次のレースでエルに弛緩剤を飲ませてボロ負けさせ、その情報を賭け屋に売ることでマージンをとるというもの。人質としてキャシーを自分の医院に監禁していた。情報がグレアムらに知られたことに気づくと装鞍所の検査医の立場を利用してエルを伝染性貧血と"誤診"、薬殺処分しようとする。グレアムの脅迫により、以後シグナン家を脅さないとの一筆を入れる。 チャンピオン(Part. 12、19) 本名はウィリー・ハイド。チャンピオンジョッキーとしてE記念(エルの最後のレース)に、本命「ラモーン」の騎手としてサーニンと出会う。アンジーが競馬の推理小説を書くと思い込んでいる。Part.19ではラッド・ダンサーすり替え事件を防ぐために競馬場を訪れたアンジー達の手助けをした。 "クークー"の関係者 Part.15で4人が参加したサマーキャンプでであった人物。 クークー(Part.15、Part.19で回想シーン) 本名はマーシア・ベル。4人が教会のサマー・キャンプで出会った自閉症状の症状を持つ少女。愛情不足説(冷蔵庫マザー説)に基づく病因の設定がされており、母親の友人であった教会の牧師が保護者となっている。もの、あるいは世界全体に対して「指をくるくる回す」ということによって外界と自分を切り離すかのような行為をとる(強迫行為の一種)。サーニンに対して心を開き、彼によって「クークー」(カッコウ鳥)という名を与えられるが、そのことを忌み嫌った牧師によって引き離される。その後症状が進んだため入院。入院中、「The Cuckoo」という曲を鳴らしていた自動車を追いかけ、雨の降る森の中で衰弱死。 牧師(Part.15, 19) 4人が参加したキャンプの主催者。マーシア(クークー)の保護者、亡くなったクークーの母の元恋人で他の男に取られたため、クークーに対して独占欲的な感情を抱いており、サーニンが彼女に近付くのを嫌った。グレアムがクークーのその後を調査していたことを伝え聞き、Part.19で釈明のためにグレアムを訪れたところで瀕死の事故に遭う。 ギルバート(Part.15) キャンプに参加していた少年。牧師が4人に聖書を説こうと探していたことを4人に知らせたり、野球に誘ったりなど、友好的。後、Part.19で電話をかけてきたサーニンにクークーの死を知らせる。 リッチーの事件に関わった者 Part.19におけるリッチーとマックスとの抗争の結果、グレアムが刺された事件とそれに関わる諸々の事件に関わった人物。 フランクファーター(Part.19) リッチーの弁護人。グレアムを刺した事件(リッチーの項目を参照)を「事故」と主張し無罪獲得を目指した。事実関係の確認ではなく陪審への心証を重視した論戦をはり、グレアムの興味と嫌悪を招いた。自身の出張中にグレアムがリッチーを陥れたことにより陪審の心証が逆転。敗訴する。 リッチー(Part.18、19) 4人がクレーマー家に養子に入る以前から地域の悪ガキのボスであった。子犬の扱いのことでマックスと喧嘩になる。この喧嘩によってマックスが地域の子供に認められボスになった。このことに加え、貧しい家庭に育ったためクレーマー家のような裕福な家庭に対する敵愾心を抱いたことなどからマックスに反感を持つ。リッチーは脅迫でマックスの仲間達を離反させ、マックスをおびき出して決着をつけようとしたが直前にグレアムに阻止される。アンジーとサーニンもかけつけリッチーの仲間と乱闘になるが、その最中にナイフを拾ったリッチーがグレアムの腹部を刺す。逃亡したがアンジーによって警察に通報され、逮捕の際に警官に怪我を負わした。ジャックによって告訴され、フランクファーターに弁護を依頼する。グレアムの姦計に陥れられ、グレアムを再度ナイフで襲い(未遂)、陪審の印象を削いだため敗訴。少年院に収監される。 マスター(Part. 19) グレアムのバイト先「トリスタン」のマスター。寝穢い。サングラスをかけている。大学は法科で、裁判によって法律に興味をもったグレアムに法律書を貸す。グレアム・ダナとの「プロフェッサー・ウィルフョーの頭蓋骨」などの法律論の相手をする。如何わしい趣味を持っているらしいが、引きこもったグレアムを誘い出そうとするなど、面倒見はよい。 ダナ(Part.19) 「トリスタン」の歌い手。リッチーを陥れる策略に参加する。グレアムを「あんまりバカだから可愛い」弟分とみなしている。フェル・ブラウンに会うために空港に向った彼を追い、彼を受け容れる。 その他 ローリー(Part.1、Part.16で回想シーン) Part.1で4人が下宿した喫茶店のマスターの妹。マスターにかわって4人の面倒を良く見たため、幼い彼らがなついた。4人に黙って警察に通報したため、4人の心が離れ、喫茶店を離れ、4人の放浪生活が始まることとなった。しかし、4人がであった街・店として(特にグレアムにとって)保護してくれる女性のイメージとして大きな印象を与えた。 マスター(Part. 1) 家出してきたばかりの4人(正確にはグレアムだけ。のこりの3人はグレアムと出会うことでなし崩しに)を保護した、はみだしっ子達の最初の停泊地を提供した喫茶店の経営者。ローリーの兄。サングラスをかけている。 レディ・ローズ(Part.2) 酔った勢いで4人を自分のアパートに引き入れた、バーなどで歌を歌う水商売の女性。4人をややお節介気味に世話したが、4人がアパートの他の子供たちと乱闘を起こしたためアパートを出る羽目になる。 エヴァ(Part.4) 4人が泊まっていたロッジに来た心臓に病を抱えている少女。自分が身体的弱者であることを理由に我がまま放題な振る舞いをする。アンジーが松葉杖をつくことを知って自分の部屋に頻繁に招きいれようとするなど関心をもつ一方、サーニンなど身体的に不自由のない者に対しては自分の疾病を理由に無茶な注文をする、(身体的障害者という)被害者だからその行動は正当化される、という典型例を示す。グレアムが片目が失明しているということを明かされ、自己の正当性を(4人には存在しない)母親に依存した(なお、物語中でグレアムが片目を失明していると明かされたのはこのエピソードが初出)。 ジョン(Part.6) ジョン・スミス。公園で昼寝中、マックスに腹を踏まれて4人に出会う。自分の居室を一週間前払いで4人に貸し出し、自分は向かいの女友達の部屋に転がり込む。競馬狂いで、儲けた金で4人をディスコに連れ出す。友達の女は4人を使い勤め先のデパートから宝石を盗み出し、ジョンはアパートの支払いが遅滞している家賃もろもろを4人に押し付けて失踪。が、すぐに女友達ともども捕まる。 マスター(Part. 7) 映画館で隣り合い、雨宿りのため4人を自分の喫茶店に誘い、居座られた。以前住んでいた国で兵士として従軍し、人を殺したことを4人に告解する。街全体で対立している川向こうの新興住宅地に昔の恋人がいて、彼女の兄は戦友(戦死)。それまで、めったに人に慣れないサーニンが信頼を寄せるようになる。4人に「人を殺してまで生きることの正当性」について自問するためのきっかけとなる。めがねをかけている。 ケイト(Part.8) 家出娘を引っ掛けて、売春宿に売り渡して生業を立てている。アンジーを見かけてイブ・ホーン(アンジーの実母、女優)の子役に最適と見極め、サーニンを監禁することで4人を足止め。最後は売春宿に売り渡した娘に怨恨で刺され重傷になったところをグレアム・アンジーが発見し、サーニンらを解放させた。 ダニー(Part.13) 水族館でバイトすることになった4人が下宿した家の次男。飼い犬ロジャーの子犬が爆発事故で傷つき死んだことがきっかけで4人と出会う。 カール(Part.13) 水族館でバイトすることになった4人が下宿した家の長男。昔は勉強好きで真面目だったが、高校を退学して「月曜から金曜まで、朝早くから夕方まで」奇抜な服装でグレて歩いている。実は外出した後に友達の家で着替え、昼間はまともな服装で本屋に通うなど「非行」を演出していただけだった。動機は「父さんの自慢の種になるのが嫌い」。そのため、その奇抜な服装で爆発事故を起こした容疑者と間違われることになった。 ダニー・カールの父(Part.13) 若い頃、一山当てようと飛び出したが結局失敗し、気づいたら「かつて行列の中で共に子供だった連中はすっかり大人になっていた」。現在は水族館に餌の魚を仕入ている。自分の失敗を自らの子供達に繰り返させないようにカールやダニーに口出しするが、そのことがかえってカールの反感を生んだ。 構成 物語は「Part.」で区分された本編Part.1〜Part.19と、番外編からなる。初期の本編の各パートは20〜30ページの読みきり中編であるが、最後のPart.19は600ページ以上(単行本4巻、文庫版2巻)に渡る長編である。 雪山事件以前のPart.1〜Part.9までは長期にわたる連載が意図されていたわけではなく、1話読み切りか、長くても2号に分けての読みきりの形態であり、掲載も不定期であったため、ストーリーの連続性に多少欠けるところがある。Part.10以降、休載を挟みながらも複数号に連載されるようになり、ビルドゥングスロマン的に4人の精神的成長を描くストーリーとなった。 番外編の多くは4人+α の登場人物によるコミカルなショートストーリーだが、「サーニンのメモノート」や「PART18とPART19の間」のような本編を補完する短編も含まれている。 本編タイトル・ストーリー Part.1 われらはみだしっ子 読み切りとして掲載された第1話。雑誌掲載時には連載を想定していなかったと見られ、最後の1ページには、成長した5年後の彼らが描かれていた。これは単行本化の際にカットされた。この最終ページは「LOST AND FOUND 三原順秘蔵作品集」に収録されている。 マスターに拾われ、喫茶店でローリーと共に暮らすグレアム、アンジー、サーニン、マックス。親から見捨てられ、あるいは親を見限った彼らは「親という名を持った人間ではない、ホントに愛してくれる人」を求めて道端で「恋人」を探し続けている。クリスマス・イブの夜に、ローリー達が警察に連絡したことを知った彼らは喫茶店を出て、雪の中路傍で「恋人」あるいは「神様」の迎えを待ち続けた。そして、グレアム・アンジー・マックスが気を失った後、サーニンと約束したのは… Part.2 動物園のオリの中 Part.1同様、雑誌掲載時には成長した数年後の彼らがPart.2の内容を振り返っているページが描かれているが、単行本・文庫版ではカットされている。この最終ページは「LOST AND FOUND 三原順秘蔵作品集」に収録されている。 酔ったレディ・ローズに拾われ、4人は彼女のアパートで暮らすことになった。「人間の動物園」の中、4人は他のアパートの住人との意思の疎通に苦労し摩擦を起こす。最後には小鳥をいじめていた子供達と乱闘を起こし、レディ・ローズはアパートを追い出されることになってしまった。4人は動物園のオリの中に隠れて見世物になるより、オリの外に出ることを選んだ。 Part.3 だから旗ふるの 意地っ張りのアンジーは4人の中での自分の位置づけに悩み、グレアムともめたことで仲間から飛び出し、そのまま離れ島に運ばれてしまう。アンジーは3人は自分を見捨てアルフィーの仲間に会いに行ったと信じ込む。彼はアンジーという名を拒否し、リフと呼ばれていたころのことを回想する。リフと呼ばれていた過去に母に捨てられ、今度は3人に見捨てられたと思い込んだアンジーが見たものは… Part.4 雪だるまに雪はふる スキーロッジに泊まりに来た4人は心臓病を患った高慢な少女・エヴァに出会う。足の悪いアンジーに興味を持ち傲慢な振る舞いをする彼女に対して、母親は何もいえない。その彼女の母にサーニンは自分の母親の姿を重ね合わせた。五体が満足でない者はそれだけが理由で何をしても許されると力説する彼女に、グレアムは自分も片目であることを明かし、それは他人を裁く理由にならないと説く。 Part.5 階段のむこうには 行き場を失った4人は、罠だと分かりつつもエイダの紹介した「Hotel Hell」に向う。グレアムの様子がおかしいのに気づいたアンジーは彼とエイダをサーニンに見張らせ、自身は『いざって時逃げるため』階段で松葉杖なしで歩く練習を始める。サーニンとアンジーはエイダと階段のために体に傷を負い、グレアムが心の古傷をエイダにえぐられていた頃、そうとは知らぬマックスはその天真爛漫さでエイダを虜にしていた。マックスがエイダとグレアムの関係を知ったとき、彼のとった行動とは。 Part.6 レッツ・ダンス・オン! 「今日は今日を生きてりゃいい、なんたって踊ってりゃご機嫌」という刹那主義なジョンのアパートに転がり込んだ4人は、ジョンに連れられてディスコに通い詰めるようになる。グレアムはディスコの音任せで強制的な気分転換の中、心の中で4人を裏切りかけていた。しかし、サーニンがディスコで演奏妨害という実力行使をし、アンジーが泣きつき、そしてマックスが泣き出したことで、グレアムは「こいつらをダシにしていればかろうじて自分を自分で支えられている」ことに気づいた。 Part.7 夢をごらん 雨宿りの映画館で出会ったマスターの喫茶店に転がり込んだ4人。アンジーの詐欺紛いの行為で居座り続け、街にも溶け込んだ頃、4人はマスターの過去と川向こうの街との抗争という2つの秘密を知る。マスターはかつて従軍し、「敵」を「物」のように殺したことを悔いていた。一方、街の子供達は川向こうの子供達を敵として仲間意識にに陶酔して団結していた。そんなとき、マスターが会いに行けないマスターの彼女に花を届けようとマックスが川向こうに渡って行った… Part.8 残骸踏む音 渡り鳥に会いに行くため北に向う4人は、とある手紙を届けるために寄り道をすることにした。そこで出会ったケイトは、アンジーがイブ・ホーンの子供役には最適な素材と見極め、彼らを足止めするためサーニンを暗く狭い部屋に幽閉する。サーニンは「渡り鳥」の強さを心に描いて耐えていたが、かつて地下室に幽閉され言語を失ったことのあるサーニンを心配し、アンジーはケイトの言うがままになる。しかし、その目的が実母イブ・ホーンの子役のためだったと知ったとき… Part.9 そして門の鍵 グレアムは父に追われ、アンジーは母に追われていた。行き場所を無くした4人は、不気味な方法で接触してきたシドニーの幽霊屋敷に隠れ場所を求めた。鍵だらけの屋敷の中で、合鍵を持ちながらも使う勇気のないシドニーを見て、グレアムとアンジーは親と対決するために街に戻る。サーニンとマックス、そしてシドニーは2人を迎え入れるため、門の鍵を開けることにした… Part.10 山の上に吹く風は 登場人物については雪山事件に関わった者も参照。 雪山に上るバスを待ちながら4人はジョイと出会う。吹雪のため引き返そうとするバスの運転手を拳銃で脅し、ジョイはバスを通常のコースとは違うコースに進めさせる。バスが崖から墜落すると、乗客たちは互いの名前も知らぬまま、そしてここがどこかも分からぬまま協力して雪濠を作り始めた。これまで“つらいこと”に対して自分達なりの克服方法を身に着けてきた彼らの態度に、ギィが苛立ち、その彼の行動に苛立ったシャーリーが麻薬に手を出す。ラジオを聴いて進退窮まったと悟ったジョイは静かに避難場所の雪濠から離れる。行き場を失ったジョイはアンジー・サーニン・マックスの前で拳銃自殺する一方、プライドを傷つけられたシャーリーが吹雪の夜に消えた。危機感を皆が抱く中、体力自慢のサーニンがスキーで助けを呼びに行く。すると、怪我をしているグレアムら「不用で邪魔な者たち」とその仲間であるアルフィー達をおいて、元気な者たちは下山を始めた。シャーリーの帰りを待つ為に彼らと残ったギィが、4人を逆恨みしてマックスの首を絞め、マックスは夢現のままにジョイの拳銃で彼を射殺する。アンジーはギィの死体とともに下山し、助けを呼ぶために風下の林に放火。火を見た救助隊はグレアム・マックス・アルフィーを見つけ、火を見たシドニーはギィの死体の横で自殺し損ねたアンジーを見つけた。 救助隊を呼びに行ったサーニンは苛立っていた救助本部員に自分が無力で役に立てなかったことを思い知らされて心を閉じ、救助本部から行方不明になってしまう。マックスを守れなかったことの自責の念とシャーリーにもらっていた麻薬のためグレアムの精神のバランスが崩れる。マックスはグレアムに会えないのは自分が悪い子で嫌われたからと思い込んでしまい、やっと面会できたグレアムが無反応なのをみて拒絶されたと感じ、失踪してしまう。状況に巻き込まれながらもシドニー・アルフィーの手を借りて自分で何とかしようとするが、歯車が思うように巡らないアンジーはグレアムをエイダに任すことにし、シドニーからジョイの拳銃を受け取った。 Part.11 奴らが消えた夜 登場人物については孤児院に関わる者も参照。 失踪したマックスは汽車に無賃乗車したため補導され、孤児院に連れてこられた。喧嘩が強いヴァトゥなど個性と押しが強い孤児院の子とジャネットに圧倒されるマックスだが、アンジーとサーニンを心に描いて奮起する。グレアムを連想させるトビーやブラッドをマックスは無意識的に避ける。マックスは孤児院の外での「孤児院の子」というレッテル貼りに気づく一方、孤児院の中では自分は誰かにとっての特別な存在ではないことにも気づかされる。マックスがブラッドと和解し手下として従わないことに気づいたヴァトゥの素行が荒れ、ジャネットは厳罰主義な態度を取り始める。マックスはヴァトゥの悪行を監視するという、「大好きだった昔のグレアム」との約束を守るためにヴァトゥを追い、彼に騙されて遠い町に置いてきぼりにされる。そのころ、一年半以上の調査で失踪したマックスかもしれない全ての可能性を潰して孤児院にグレアムが来訪していた。マックスが心に描いていた頼れる人だと気づいたヴァトゥとブラッドは、マックスが彼に奪られると察し反発した。アンジーがヴァトゥとブラッドの喧嘩を止めてナポレオンを始めた頃、マックスを探しに出ていたグレアムは… Part.12 裏切者 登場人物についてはエルバージュの事件に関わった者も参照。 救助本部から失踪したサーニンはキャシーに出会った。家出していた彼女に連れられてきた彼女の家で、サーニンはバーガー医師(キャシー曰く「ハンバーガー先生」)の治療を受ける。しかし、行方の分からぬ3人の仲間を心配し、彼の心は深いところに沈み込んだまま。彼を心配し、また扱いかねたキャシィの両親はサーニンをキャシーの祖父の牧場に運んだ。 そしてサーニンは彼に出会った。エルバージュに。 3人が生きていることを知ったサーニンはキャシーの祖父に友達を信じることを教えられ、また生来の動物好きが牧場で療養したこともあってあっという間に元気になり、辛抱強い粘りでエルの信頼を勝ち取り、エルの馬主となった。そのころにはアンジーがサーニンを見つけ出していたが、彼を“はみだしっ子”の仲間として引き戻すことはできなくなっていた。エルが3戦3勝後、ゴールできないほどの惨敗をした後、サーニンはグレアム・アンジー、そしてかれらに合流していたマックスをレースに呼び寄せた。どじなマックスのためミセス・シグナンの企みに気づいた4人。しかし、キャシーに危険が及ぶ可能性があるため、次のレースではエルを負けさせるより他なかった。思わせぶりなことを言うチャンピオン、難を避けるためバーガー先生のところから電話でサーニンに無事を告げるキャシー。脅迫犯は誰か、そしてサーニンの選択は。 Part.13 窓のとおく フーちゃんの別荘に転がり込んだエルの馬小屋を建てる為、水族館でバイトを始めた4人。下宿先のダニーの家族の仲は睦まじい様に見えながら、飼い犬のロジャーのことしか会話しない表面的なものだった。グレアムが何かに拘泥していることを感じながら、それが何か察せないことにアンジーは苛立つ。ダニーの兄・カールが爆発事故の犯人と思われ逮捕される。ダニーにすら信じてもらえないと悟ったカールは反抗を否定もせず大人しく警察に従った。カールにそうさせた動機とは。 Part.14 バイバイ行進曲 グレアムは新聞記事から父の病気を悟り、自ら生家に戻ってきた。6歳のときに、「20歳になったらパパを殺す」と決意していたグレアムは内面の葛藤を抑え、死に逝く患者の子という立場を振舞う。グレアムは劇薬を用いた苦痛の緩和という緩和医療を父に施してもらうことを望む。自分の母の死に際に和解できなかったエイダはグレアムがグレアムの父と和解できることを心から望む。しかし、グレアムが彼の母が出て行った日に割れていた花瓶のことを「あれはおまえだろう」という父に、グレアムは「ボクじゃない」と否定する。双方譲らぬまま、父の病状は進行していく… Part.15 カッコーの鳴く森 『はみだしっ子』の原型である『もうひとつの時』(詳細は過程についての項目を参照)のエピソードをPart.1〜14の『はみだしっ子』で彼ら4人が経験してきたこと等を踏まえて描きなおされたものである(『もうひとつの時』との相違についてはここを参照)。 時は夏。気分転換のたねを探していた4人は迂闊にも教会のサマーキャンプに申し込んでしまう。キャンプに向うバスの中で出会った少女に、森の中で再会したサーニン。その後、サーニンは彼女を「クークー」と呼ぶようになり、3人に秘密のまま森の中で彼女と指をくるくる動かし続けた(クークーの説明参照)。サーニンがクークー(マーシア)と親しむのを疎んじた彼女の保護者である牧師が2人を仲を切り裂こうとし始めた頃、ダムの放水でキャンプの子供達が溺れる事故が発生した。濁流の中の岩に取り残されたクークーを見たサーニンは咄嗟に河に飛び込んだが… Part.16 もうなにも… サーニンが虫垂炎(盲腸)を発症した為、グレアムは不用意にもある駅で途中下車した。そこはローリー達のいる町、4人が出会った町。グレアムは伯父に力を借りてサーニンを入院させる。追ってやって来た伯父から、4人を養子に貰い受けたいという人物がいることを知らされ、4人は動揺する。グレアムとアンジーは養子に行ってもマックスの事件を隠し通せるか悩む。「他人」という敵対者相手にならかたくなな心で向い合えることができても、「いる事をいる所を認めてくれるもの」相手、すなわち「親」には自分たちはどうすればいいのか分かっていないことをグレアムたちは自覚する。彼らの出した結論は… Part.17 クリスマスローズの咲く頃 迎えに駅まで来たジャックを置いてけぼりにして、クリスマスローズの株を持ってクレーマー家に直接乗り込んで養子に来た4人。「どうせならこの養子の件成功させたいと 嫌われるよりは好かれたいと」意識しすぎ、品行方正早寝早起き愛想良しのアンジーちゃんだったが、13日目の朝に限界に達した。かつて本来の自分で親子関係に失敗しているからおびえているのでは、と自問し、アンジーは女装趣味と取られかねないフリル付の服装、タバコ、酒、近所の子供と喧嘩など、放浪時代の素行を挑発的に演出することにした。ロナルドらジャックの友人達に「バカ息子」と呼ばれても平気な顔で笑っていたアンジーだったが、グレアムは彼が無理をしているのに気づいていた。公道は走らないという約束でアンジーは50ccのバイクを買ってもらい、空き地で乗り回し女の子達にも人気を得ていた。しかし、そのバイクが酒乱の親の息子に壊されてしまう… Part.18 ブルーカラー 実母に会うも「鬱陶しい」という感情を抱く自分に気づいてしまうグレアム。マックスはクレーマー家に居る時間を減らそうと街中を駆け回る習慣を身につけ、トマーズ家でケーキをご馳走になるなどの日課をこなしていた。トマーズ家の子犬を引き取ったラルフから子犬を強奪したリッチーと、子犬の扱いについてマックスはスーパーで乱闘する。翌朝、マックスは地域の子供たちのボスになっていた。子供達との距離に戸惑いながら母であろうとするパム、ジャックとコメディのようなやり取りをするアンジー、クークーのこと等ジャックを親として頼るサーニン、母としてパムに甘えるマックスを見て、グレアムは自分の計画を進めることにした。 Part.19 つれて行って エルに関わる登場人物についてはエルバージュの事件に関わった者を参照。 リッチーの事件に関する登場人物はリッチーの事件に関わった者を参照。 ミセス・シグナンはエルとそっくりな馬ラッド・ダンサーを探し出し、エルとすり替えてエルを出すことをサーニンに提案するが、サーニンはそれを拒絶。彼女の行為に贖罪のための精一杯の善意を感じたグレアムは「どうぞ自由になってください」と別れ際に彼女に告げた。 マックスは地域のボスとして教会のバザーでの劇など子供達の采配を取っていた。しかしリッチー達によってマックスのグループメンバーが脅迫されてグループは瓦解し、罠と知りつつマックスはリッチーに誘い出された。そこにグレアム・アンジー・サーニンが駆けつけ、リッチーのグループと乱闘になり、その最中にグレアムがリッチーに刺され重傷を負った。その際にグレアムが漏らした一言がアンジーを悩まさせる。 リッチーがグレアムを刺した事件はリッチーが無罪を主張したために、グレアムとアンジーが言うところの「人殺しが暴行罪の奴とっつかまえて”この悪党め”と叫んでいる」喜劇である裁判となった。リッチーの弁護人となったフランクファーターは、マックスら4人を「裕福な家庭の我がままな子供達」、リッチーを「貧乏な家庭の虐げられてきた子供」という構図に当てはめる一方、陪審員に「子供は本来善良なもの」と深層心理で抱いている願望を与えることでリッチーがグレアムを刺したのは「事故だった」という論戦をはり、成功を収めつつあった。グレアムはリッチーとフランクファーターを罠にかけ、陪審評決の前夜にリッチーが自分を襲うように仕向けて陪審員のリッチーに対する心証を逆転させ、彼を敗訴に追い込んだ。後顧の憂いをすべて解消し、蔵書を整理し、そして自室をクレーマー家に養子に来たときと同じ状態にしたグレアムは、一路飛行機で飛んだ…… 番外編 <文庫版収録順> ボクの友達 眠れぬ夜 ボクは友達 ボクと友達 ボクが友達 ボクも友達 A(ANGIE) G(GRAHAM) M(MAX) S(SARNIN) きのうみた夢どんな夢 長い夜 アンジー・アンチー君アルバイト ア・ラ・カ・ル・ト 愛しのオフィーリア ついに出てこなかったSの顔 G・A・S・Mのお料理教室 ついに嫌われたMの大冒険 線路の夜 音楽教室 拷問教室 サーニンのメモノート 整り整とん教室 もっと焚木を! PART18とPART19の間 ミスター・グレンマイヤーの休日 楽屋裏(1980年発表) 楽屋裏(1981年発表) オクトパス・ガーデン 構想・設定の変化の過程 概要 『はみだしっ子語録』内の作者による『はみだしっ子メモリアル』(文庫版第6巻に再録)によれば高校1年生のときの11冊のノートに書かれた「小説もどき」が最初であり、次いで高校2年生のときにB4ノート3冊に書き直された。 その後漫画の形式をとるようになり、マックスがクレーマー家に養子に行く話、『カッコーの鳴く森』の原型となる話(30ページ版と担当から分かりやすく直すよう命じられて描かれた60ページ版)を描き、持ち込んだが没となり、担当から「小さい時の話から描いてみないか」として出来上がったのがPart.1である。 これらの原型のいくつかは『LOST AND FOUND 三原順秘蔵作品集』に収録されている。上記の過程順に並べると以下のようになる(収録順は逆)。 小説『Day Tripper』 小説『マックス』 『もうひとつの時』(『カッコーの鳴く森』の原型、60ページ版) 『もうひとつの時』と『カッコーの鳴く森』の主な相違点 以下では『もうひとつの時』を『時』と『カッコーの鳴く森』を『森』と略記する。 自閉症の女の子の本名:『時』ではエレーヌ、『森』ではマーシア 物語の冒頭、『時』ではバーの地下室に下宿、『森』では雑貨店の住み込みバイト 『森』ではキャンプが教会主催であることは申し込んだ後に発覚(グレアムだけは気づいていた)が、『時』では申し込み前に全員が認識 『森』では4人は最初ミセス・バートンなどに歓迎されたが、『時』では最初から全員に拒絶される雰囲気 『森』ではサーニンが触れただけでマーシアが悲鳴を上げたが、『時』では触れただけでは無反応でタオルケットを頭から被せたら悲鳴を上げた 『森』ではサーニンが恋心を抱いたことは3人に告白していないが、『時』ではサーニンがお風呂に入るエピソードの前に相手まで3人に告白している 『時』ではサーニンとエレーヌの密会を3人全員が協力してバックアップするが、『森』で明確に協力しているのはマックスのみ(グレアムは裏で調査をするなど協力、アンジーは最後まで反対) 『森』にあったサーニンがマーシアの耳を押えてあげてマーシアが一人で食事ができるエピソードが『時』ではない 『森』では4人のほかの少年達は、サーニンが溺れかけたときマーシアに彼の名を呼ばせるよう牧師に意見するなど4人に好意的であったが、『時』では「ミイラとりがミイラになった!!」と囃し立てるなど悪意を見せ付けている 『森』ではサーニンを追って泳いでくるのはグレアム、『時』ではアンジー 『森』ではマーシアは最後にサーニンに笑い顔を返すが、『時』ではエレーヌは牧師の洗脳によってサーニンを恐れ避けるようになっていた |
感想文等 | 「山の上に吹く風は」だった。。。 ちゃんと、今の子にもしっかり面白いんだよね。。。(おっぺ) だから、僕は、「真面目」にも「親切」にも「優しい」にもなりたくなかったのに。。。なぜまだそのイメージをなくしきれないのか。。。(おっぺ) でき得れば、記憶を喪失して(^^;、「もう何も……」のあと、まず「ロングアゴー」3部作を読み、それからあらためて「クリスマスローズ咲く頃」以降を読んでみたいと思うくらいです。 まるで違う読み方になるのかもしれません(^^;。(おっぺ) 僕はジャックを見ていると悲しくなってしまうんだ……なぜかわからないけれど、悲しくなってしまうんだ…… というモノローグのところです。 あれは、本当はジャックのような人間になりたかったのになれないでいる、その淋しさだったのでしょうか。 だからラスト・シーンのあれは、その「もしかしたらこうなりたかったかもしれない、なれたかもしれない、……なれるかもしれない」自分への、最後の反撃というか挑戦だったのではないか……というような気もします。 グレアムがどう変わっていくかは、やはりジャック次第だったのではないでしょうか。 あの最後のグレアムの表情は、眼は、とても平静なものに見えます──。怒りも、あきらめもない、ジャックという「ありえたかも──ありえるかもしれない、もう1人の自分」に対して、あくまで自分の信じるところをぶつけてみた──その結果がどうなろうと、たぶん後悔することはなかったのだろうと……思います。 ロナルドがジャックに「驚いて」、変わっていったように、グレアムも「誰か僕を驚かせてくれないだろうか……」と、変わることをひたすらこいねがっていたのですから。(おっぺ) ・僕には、何かに意味がないって考えることの方が、よほど難しいよ。。。 ・ピエロはどうして笑っていられるんだろう、、、って。。。 ・難解さがいいです ・私の細胞は三原順でできているのかもしれない。 それだけ、三原さんも「ゆとり」を持っての描き方じゃなかったということかもしれないなど思ったりもします。のちの「ロングアゴー」になってくると、少し「ゆとり」を作っているかな……と。 「ルーとソロモン」あたりは、オブラートに包んだというか、糖衣錠というか、苦いものをきれいにシールドしてるんですけど、「はみだしっ子」はシールドのかけらもない(^^;。 読み返すと辛いので、書棚の奥でひっそりと眠っている。「はみだしっ子」はそんなところがあります。(おっぺ) |