[ 三妖神物語 第四話 女神帰還 ] 文:マスタードラゴン 絵:T-Joke
作品解説、薬神シリス誕生秘話。
さて、今回は作品解説などもつけてみようなどと思う今日この頃。
うううう・・・・なんて太っ腹! お買い得う!!
ネタばれ危険! 本編を読んでない者読むべからず!!
読書上の注意!
この文章は本編を読んでからお読み下さい。
本編を読む前にこの文を読むと面白味が半減する恐れがあります。
これより、本文
〜〜〜〜〜〜 シリス 独りぽっちのバシリスク 〜〜〜〜〜〜〜〜〜
この話を読んだ方の多くは、今回のシリスの話の元ネタが聖書にある天使ルシファーの話だと思ったかも知れませんが、全く関係有りません。
読んでもらえれば分かりますが、相違点が数多くあります。
シリスが孤独であるのに対し、ルシファーは大勢の仲間(天使の1/3)と共に地獄に堕ちてるところや、シリスは神に復讐を考えていない点などです。
今回の話のモチーフとなったのは、昔、NHKのみんなの歌で放送された歌でした。
その曲もタイトルも、うろ覚えであやしげなのですが、ここで私の記憶にある分を紹介しましょう。
その曲のタイトルはおそらく”サラマンドラ”だったと思います。
曲の歌詞は、たぶん、こんな感じ。
サラマンドラ、サラマンドラ、火の中の竜
燃える火に住みつき、独りぽっち。黒い体の幻の竜。
思い出数えて、溜息一つ。黒い体の幻の竜。
サラマンドラ、サラマンドラ、火の中の竜
最後の夢から一万年、仲間もいないおどけ者。
夜空を鏡に独り言、こぼれる炎、愚痴一つ。
牙もなくした、おかしな竜。
誰か来て、彼と話して。
サラマンドラ、サラマンドラ、独りぽっち。
この歌を聴いたとき、ものすごく切なく、このサラマンドラのイメージが私の中に焼き付いてしまいました。
その時のアニメーションも秀作で、とぼけた感じのかわいいドラゴン(サラマンドラ)が一匹で地上に寝そべっているのを、月と星が見おろしている。
その星の一つが天から滑り落ち、池(?)の中に落ちたのをサラマンドラが助けて、天に返してやるというものです。
この優しいサラマンドラが、何故独りぽっちなのか?
何故、一万年も夢を見続けていたのか? あるいは、夢から覚めて一万年もひとりぼっちなのか?
彼の見ていた夢とは何だったのか?
そして、彼は友達を得られたのだろうか?
それらの事が私には気になって仕方が有りませんでした。
もしも、私が物語を書くことがあったら、彼には必ず友達を紹介してあげるのに・・・・
子供心にそう思っていました。
そして、三妖神というキャラクターを作ったとき、シリスのキャラクタをベルダンディータイプにしようと決めた後、彼女にどんな過去をつけるかで悩みました。
ミューズとメイルがマスターに服従するなら、シリスは彼女達の暴走を押さえる常識者としようと考えました(ベルダンディー様ですからね ^ー^ )が、それなら、それなりの過去が無くてはなりません。
そこで、シリスだけは他の二人とは違い、マスターに作られていない存在にしたのです。
それによって客観的に二人を止める存在としてのシリスが完成しました。
それでは、何故、マスターに作られていない彼女が、それほど献身的に彼に尽くすのか? どういうきっかけで、彼と知り合ったのか?
それらを考えていたとき、サラマンドラのイメージが私の心に浮かび上がってきたのです。
その結果、彼は彼女となり、火は竜王の結界、一万年の夢は数百億年の夢物語となり、無くした牙は封じられた力となり、シリスとなったのです。
シリスはあの世界のいじめられっ子です。
それも、神や魔王にさえその存在を否定されてしまった程の・・・・有る意味では究極のいじめられっ子でしょう。
そんな彼女でも、救いがある、いつか誰かに必要とされる。
そんな話にしてみました。
最後に、この物語をあの曲とアニメーションを作った方々及び、きっと友達を得られたと信じている、名も知らぬ彼(サラマンドラ) に捧げたいと思います。
m(_ _)m
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