|
■私のバロックボウはこんなかんじ
2005年1月からバロックヴァイオリンを習い始め、以来先生のバロックボウをお借りしていましたが、そろそろ自分のものをということで、先生に探していただきました。
いろいろ当たっていただいたのですが、選んだのは結局これ(写真下)、先生の演奏仲間Pさんの作品です。
長さはモダンボウよりも5cmくらい短くて、細くて軽いです。
材質は弓身、フロッグともスネークウッドと思われます。
アジャスターヘッドはたぶんマンモスの牙です。
(マンモスの牙は、近年象牙の代用品として使われるようになっているらしいです。びっくり。)
これより前に借りていた一本(同じくPさんの)は、長さはあまりモダンと変わらず、フロッグもマンモスの牙でできていて、結構重かったです。
バロック時代の弓は現存していないそうで、作るときは古い絵画に描かれているものなどを参考にするのだとか。
だから、形や重さは絶対これでなければダメという決まりはないようです。
時代や地方によってもヘッドなどの形状が違うようですし、半月のように大きく湾曲した弓だった時代もあるみたいです。
この弓は、明るく透明な音がでて、取り回しが楽だと感じました。
ただ軽すぎて、上手く弦をとらえなかったり、ロングトーンでは弓がはねてしまうことがあります。
(先生は技術の問題だとおっしゃいます。)
私がこの弓を選んだ時、Pさんは、
「コレハ、ワタシノイチバンノオススメデス。ベリー、スウィートサウンド!」(作者は外人)
といって保証してくれました。
そう言ってもらって悪い気はしなかったのですが、まあ半分はリップサービスだろうと。
だけど、後日先生から「一番のおすすめを選んでもらって、本気で嬉しかったみたいよ。あの後すごいハイテンションではしゃぎまくっていたもの。」ということをお聞きしてその言葉にこめられた思いをかみしめました
私は、この弓を選んだことによって、彼の音楽へのこだわりもいっしょに受け取ったことになるんでしょう。
私が弓を持ち帰る時、Pさんは、
「ソノユミデ、タクサンベンキョウシテクダサイ!」
そう声をかけてくださいました。
たかが道具、されど道具。
最愛の娘を嫁に出すような気持ちだったかもしれませんね。
お父さん、この子絶対シアワセにしますから!(できる範囲でネ)
|
|
■美しいカーヴを描くヘッド
この弓を人に見せようと差し出したら、「先をこっちに向けないでくれ〜」と言われました(笑)。あ、ホント、焼きイモくらいは突き通せそうよ(^^;)。オケで弾くときとか、周りを威嚇できて便利そうです。まあ、自分が先端恐怖症だという人には向いていないかもしれない。ところで首筋の細さにもご注目。よく見てください。3分の1は影ですよ! |
|
■スネークウッドのフロッグ
アジャスターのネジ以外、金属は全く使われていません。美しいフォルムでしょう?アジャスターヘッドはマンモスの牙と思われます。象牙よりはやや色が濃い目かもしれません。ちなみに持つところはフロッグの端から1〜2cmくらい上です。バロックだからと言ってあまり上の方を持つようには言われていません。弓の張り方は意外にパンパン。固い音がでるところまでネジを回します。 |
|
■毛の量を比べてみましょう
モダンのおよそ3分の1くらいの量でしょうか。そして、平らに1列という感じで非常に薄く並べられていて、フロッグの木が透けて見えます。 |
|
■おまけ:ピュアガットの使用後
バロック音楽ではピュアガット(巻きのないガット弦)を使います。私の楽器はモダンですが、弓と奏法のためにピュアガットを張っています。
これはピラストロ社のコルダという銘柄で、唯一日本でも店頭に並んでいるピュアガットです。
(G線だけは、巻きがしてありますが、楓ハは今のもののように滑らかではなくギター弦のようにジョリジョリです。)
ご覧のようにピュアガット(巻きのないガット弦)は使っているうちにささくれだってきます。
E線は2〜3週間くらいでこの状態になり、交換が必要となります。ちょっと見、さきイカのようです。私は財政上の都合により切れるまで使おうとしますが、ポジション移動のときに「ささくれダンゴ」につまずいて音にたどりつけないことがあります。なので、この状態でレッスンに行くと先生にしかられます。はじめはA線も同様のペースで傷んでいましたが、最近は1〜2ヶ月使っても平気みたいです。慣れないうちは力んで押さえていたんでしょうね。なぜかはわかりませんがピュアガットは、今の弦のようにしっかり押さえてしまうとよく鳴らないのです。 |
|