
日常動作シリーズ(?!)第3弾~
今度は題して 『自炊する御曹司』(笑)
キッチン上の黒い板はIH♪
(見えなくてもそうです! 私んちにはないのでよく分かりません☆)
最近の寮は火災防止の観点からもガスよりIHが多いそうで(^^)
個人的にはガスのほうが好きなんですけどね♪
自己満足企画なのに遂にシリーズ名つけましたよ
何時まで続くんでしょう? この企画(笑)
日記帳と駄文置き場

日常動作シリーズ(?!)第3弾~
今度は題して 『自炊する御曹司』(笑)
キッチン上の黒い板はIH♪
(見えなくてもそうです! 私んちにはないのでよく分かりません☆)
最近の寮は火災防止の観点からもガスよりIHが多いそうで(^^)
個人的にはガスのほうが好きなんですけどね♪
自己満足企画なのに遂にシリーズ名つけましたよ
何時まで続くんでしょう? この企画(笑)
EMOTION the Best 機動警察パトレイバー低価格シリーズDVD、10月27日に発売だそうで。
各1995円で P1、P2、WXⅢが同時発売だそうで。
持ってるんだけど・・・持ってるんだけど・・・・
どうしよう・・・・買うか?!

最近は線画を描くのにとっても便利なのでSAIばかり使っていましたが色塗りをするにはこういうの欲しいなぁという機能が若干足りない・・・
というわけで別のソフトも持っているんだから頑張って使おうキャンペーン(笑)
今回は久しく封印していたイラストスタジオを使って下書きから全部やってみました。
線画を大きく修正するのはSAIの方が楽ですがチマチマした作業はこちらの方がしやすい・・・
一長一短ですね(^^;
今回描いたのはシャツを脱ぐ遊馬(笑)
前回の携帯片手にごろごろする遊馬に続いてここ数日は日常生活の動作を描いてみよう熱がヒートアップ中♪
自己満足の世界です(^m^)

最近 余りヘッドギアとかバイザーとかをちゃんと資料みて描いた記憶がなくて。
かなりいい加減に描いていたので、久し振りにちょっと時間を掛けてコミック見ながら確認して描いてみました(笑)
色んなページをパラパラしながら繋げて描いたのでちょっとバランスが・・(^^;
コミックだと動きがあるのでどうしても全体が見えなくて手で隠れてたり 他のキャラや枠線と被ったりするんですよね
バイザーは兎も角 ヘッドギアこんな風になってたんだ・・・と今更気づいた点数箇所(笑)
今度ちゃんと資料集確認してみよう・・・
でもコミックとアニメって少し違うんですよね☆
軽井沢編 14弾です
世の中、夏休みですね~
買い物に出た大型ショッピングモールは嘗て無いほど混んでました(^^;
暫くは近寄らないようにしよう。
キャラクターショーなんかもやっていて ああ休みなんだなと痛感。
自分の家が平常運転だとなんだか実感がないですね~☆
さてさて本編ですが、アッサリと飲み会を終了してコテージに向ってます。
長々続いたこのお話もそろそろ終盤です。
よろしければもう暫くお付き合いくださいませ~(^^)
以下本文
上の画像をクリックすると大きくなります。
<ご注意♪>
ブラウザの環境によっては一度画面の大きさ高さをあわせた荒い画像で表示されることがありますがその際はもう一度荒い画像をクリックして画像を拡大してご覧くださいませ(^^)
お帰りは ブラウザの戻る釦で
なんだか あちらこちらで三白眼遊馬をに遭遇して嬉しい限り♪
私も乗ってみよう!
と思って描いたら・・・なんでこんなに怠惰な感じに(^^;
しかも 勢いそのままにペンタブ一気の描きなぐり(笑)
最近は そこそこペンタブにも慣れてきまして手書きのラフと余り変わらない感じに描ける様になってきました(^^)
本来ならここでちゃんと線を整理してペン入れするんですが・・・
それは時間のあるときにしようっと♪
ダンナが横に居るので絵が描きにくいのです・・・
それにしてもよく考えると・・・私の絵ってわざわざ祭りに小躍りしなくても・・・そもそも三白眼だったんじゃ?!
黒目 小さいもんねぇ・・・・
でもまあ 気持ちの問題!
参加させてくださーい(^^)
世の中お盆なんですね~
皆さん お忙しいようでサイトの更新が少ない時期です
自分の家は通常運転なので少し時間に余裕が。
そこでPCの中をかき回して描きかけイラストを大量発掘(^^;
この中から数点を拍手お礼画面に載せて見ました
最初に設定してから全く弄ってなかったのでまぁ丁度いい機会ということで・・・(笑)
ペンタブを買ってから手慣らしを兼ねてデジタルで描いたラフ画ばかりですが覗いてみようかな~と思って下さったなら是非(笑)!
む・・・娘が・・・紙パンツを洗濯機に入れていました。
ボロボロになった紙パンツの残骸と高分子吸収体の細かい粒が大量に洗濯槽とゴミとりネットと洗濯物に張り付いて・・・
もうもう・・・(T∇T)
天気がいいと思って大量に入れた洗濯物が仇になってます
最悪ですよ・・・よりによって紙パンツ・・・。・°°・(*>_<*)・°°・。
軽井沢編 13弾です
ここ数日 少し強めの自身が続いていますね。
『東海地震とは関係がない』と学者さんが仰っていたそうですが・・・
何はともあれ台風で地盤が緩んでるところへ持ってきての地震ですからやっぱり警戒はすべきですよね。
『天災は忘れた頃にやってくる』と申しますし。
日頃の心構えが大事、ということで。
そして飲み会完結編です(笑)
どうぞご覧下さいませ~
のんびり進んできたこのお話もなんとか終わりが見えてきましたがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~(^^)
以下本文
やってみました パトキャラソート
『これは趣味の世界だねぇ』とむ様の サイトに掲載されています
http://tom-cat.org/
先日のオフ会でちょっぷ様に教えていただきました(^^)
一位遊馬は納得ですが それ以下が!!
私ドンだけ 篠原一家好きなのか(笑)
野明が12位って(^^;
そしてラストが西脇冴子
WXⅢ 興味無いはずなのに秦と石原が功ちゃんより上位に居るのがショックでした(^^;
時間掛かりましたが 面白かったですよ♪
順位 名前
1 篠原 遊馬
2 熊耳 武緒
3 イングラム
4 篠原 一驥
5 篠原 一馬
6 香貫花・クランシー
7 稲田 さおり
8 グリフォン
9 不破 環生
10 後藤 喜一
11 進士 幹泰
12 泉 野明
13 山崎 ひろみ
14 榊 清太郎
15 シバ シゲオ
16 五味丘 務
17 松井 孝弘
18 御子神
19 片岡刑事
19 13号
19 ファントム
22 実山 剛
23 篠原 雄高
24 久住 武史
25 モハメッド・アドルース
26 松本 可奈
27 後藤 真帆子
28 ヴァリアント
29 AVR-0
30 イクストル
31 ヘルダイバー
32 柘植 行人
33 帆場 暎一
34 岬 一美
34 甲斐 冽輝
36 桜山 桃子
37 TYPE-ZERO
38 実山 高志
39 バドリナート・ハルチャンド
40 南雲 しのぶ
41 内海(リチャード・王)
42 石和巡査部長
43 石原 悟郎
43 藤倉 征四郎
45 梶川 誠
46 荒川 茂樹
47 黒崎
48 ぶち山
49 福島 隆浩
49 秦 真一郎
51 祖父江 守
51 海法
51 平光
51 栗栖 敏郎
55 太田 功
56 相沢 義衛
57 風杜刑事
58 結城巡査
59 宮ノ森 静夫
60 伊藤 イネ
60 音喜多 弘市
62 伏木 渡
63 ブロッケン
64 寒川
65 成瀬 了
66 ロードランナー
67 徳永
67 西脇(岬) 冴子
軽井沢編 12弾です
今日は一日雨の予報です。
空気はジメジメ空はどんより。
時々雷鳴も聞こえます
のんびり進んできたこのお話もなんとか終わりが見えてきましたがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~(^^)
以下本文
8月8日土曜日に 飛び入り参加でまうさん主催のオフに混ぜていただきました(^^)
当日の朝にお願いするという暴挙に快く受け入れてくださいましたまうさま始め 参加の皆様に深く感謝です!
本当にありがとうございました~
本当に豪華メンバーで・・・
まうさま MEMEさま ちょっぷさま 暁桂さま そおた。さま そこに小物 さくらが加わり そおた。さまの2人のお子さんを交えて8人!
駅でまちあわせをした時に 初めてあったはずのそおた。さまに激しい親近感を覚えました(笑)
今後も末永くお友達してください、お願いします♪
まうさまの身長の高さにうっとりして 思わず「すこし下さい」と宣まう始末(^^;
まうさんごめんなさい~
まったり昼食を戴き お子様中心の折り紙大会にも微妙に参戦。
とても他の愉しかったです!
そしてMEMEさまの生原稿拝見! 贅沢でしたぁぁ(o゜▽゜)o
昼食が終わると 用事のあった そおた。さまがお帰りに・・・
短い時間でしたがお会いできてうれしかったです!
ぜひ また会いましょう~!!
そのあとカラオケに行ったのですが歌より雑談に花が咲きMEMEさまとまうさまは美麗なイラストをその場でお描きに。
わたしの落書きなんて・・・出せませんよ(笑)
MEMEさまとまうさまにイラストを描いて戴いて嬉しかったです~
お2人とも有難うございます!
その間 ちょっぷさま 暁さまとパト画像のはいったカラオケを探そうと片っ端から曲を入れていきアニメがでないと即座に演奏中止して次を探す、というのを暫くやりまして。。。面白かったです♪
P2の画像がでるともう歌どころではなく(笑)
懐かしいアニメも沢山入れて時間の割には曲は少なく話しに花の咲いたカラオケでした(笑)
まうさんが 御用時で7時半ごろ帰られたあと夕食を4人で摂っている時に いろんな偶然ってあるもんだわ。。。という事実が発覚して思わずちょっぷさんとがっしり手を取り合ってしまいました(笑)
あっという間の一日で すごく愉しかったです(^^)
ぜひまた こういう機会に参加できるといいなぁとおもいました!
幹事のまうさん 本当にありがとうございました!
連絡の仲立ちをしてくださったMEMEさんにも大感謝です~
そおた。さん ちょっぷさん 暁さん 本当にありがとうございました!
うにうに様の日記で ピ○に幸せの☆型がでていた写真をみて食べたくなったのでウキウキとお隣のドラッグストアに走りました♪
あけて吃驚!

3つも!
こんなことあるんですね~(^^)
でも こんなところで運を使ってどうする、私(T▽T;
軽井沢編 11弾です
残すところあと一日~
やっとここまで来ましたよ・・・
書いてる自分が長さにめげそうです(笑)
期間限定の裏話をご覧になった方もそうでない方も話はちゃんと繋がるようになっている・・・筈です(^^;
本編の更新がすごく間が開いてしまいましたがどうにか続行中です♪
なんとか終わりが見えてきましたがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~(^^)
以下本文
ここしばらく余り紙に落書きしてなかったので手ならしに少し描いてみました(^^)

お武さんと遊馬と野明。
何故か冬服だし(笑)
描いてて思ったのは 私はやっぱりお武さん描くの苦手なんだな、ということで。
目をあけたお武さんが描けないんです(^^;
私が描くといつも目を閉じています。
なんでって・・・彼女の目って難しいんですよ~ わたしにとってはハードルが高すぎます。
なので今回も苦し紛れにコーヒーなんか飲んでます(笑)
最近 遊馬ばかり書いていたせいか 野明の肩幅まで広くて、その上遊馬より背が高くない?!(^^;
でもやっぱりペンなので直せません(笑)
つくづく私の絵って顔が幼い、と痛感しました。
出向後みたいな オトナな顔かきたいです~
週末限定で公開していた ”裏軽井沢(笑)”
とりあえず 一旦公開を終了しました~(〃_〃)ゞ
告知した方意外にも予想以上に多くの方がご覧になってくださった様で有り難いやら 恥かしいやら(^^;
TOPに更新情報も載せていない割りに気づいてくれた方が多かったのには吃驚でした(笑)
初R指定にして書いた自分が逃げ出したくなるようなエロ物が出来上がり・・・ひたすら平身低頭で謝りますっ ごめんなさいぃぃぃぃm(。_。;))m
このお話の今後の処遇については今のところ未定です~
きっともう二度と手を出すことはないだろうジャンルです(^^;
ご覧になられた方が 引いてしまわないことを切に祈る次第です(T∇T)
再公開希望する方がお出でのようでしたらひっそりこっそりUP・・・する・・・かな・・・どうでしょう?(笑)
そんな方、います?!
私の駄文なんて一度読んだらもう十分でしょうし、まして・・・ある方からまるで『官能小説』との感想まで戴きまして、恥かしくて全力逃亡です~
コメントを下さった皆様、本当に有難うございましたぁぁ
次回更新は 普通のお話に・・・
皆さん引かないで今後ともお付き合いくださいね、お願いしますっ!
軽井沢編 10弾です
遂に二桁突入・・・(^^;
長いなぁ・・・しみじみ思います(笑)
暑さで倒れそうな気温の中、決して涼しいとはいえない本文(^^;
文才の無さに思わず笑が止りません(笑)
上手くかけるようになりたいな~とつくづく思います。
今週も幼稚園はお休み・・・
登園している時の一週間はあっという間なのに休みの一週間ってなんて長いんでしょう・・・・
今週もがんばるぞ!
ここ暫く週一の週末更新が続いていたこのシリーズですが遂にそれすらぶっちぎって9日あきましたね~
私逃げまくってましたから(笑)
今回は久し振りも絵もつけてみました☆
完結だけはさせないとなぁという意思はあるんですよ、なので見捨てないでね(^^;
長くて完結はまだ先になりそうですがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~
以下本文
===============
刻印
===============
「なぁ、俺のものにならないか?」
そう言われた直後クルリと視界が回り、顔の脇に両腕をついた遊馬が覆いかぶさるようにして自分を見つめていた。
いつものふざけた感じとは違う初めて見る『男の人』の目が少し怖くて、野明は遊馬の目から少し視線を外した。
「嫌なら無理強いはしない」
真剣な眼差しの遊馬に野明は眼を逸らしたまま小さく首を振った。
嫌ではなくて、怖いと思った。それは遊馬が怖いのかこれからのことが怖いのかよく分からなかったけれど。
「嫌・・・じゃないの・・・でも・・・」
何と言っていいのか的確な表現が浮かばない。『この先』に自分が予想した事を思って不安と羞恥で頬が紅潮しているのが自分でもはっきりと判った。
「でも?」
真剣な眼差しで遊馬が言葉の先を促し野明は目を合わせることが出来ないまま答えを返す。
「私 こういうの全然・・」 経験がないからわからない、と続けようとして頸の後ろに差し入れられた遊馬の暖かい手に意識が移る。次いで遊馬がふぅっ・・・とゆっくり息を吐くのが分かった。
遊馬の方に目を向けると先刻までの怖いくらいの眼差しは影を潜めていて優し気な顔でくすりと笑った。自分の方にゆっくりと唇を寄せて囁く。
「心配しなくていい。俺が教えてやる」
そう言うと殊更にゆっくりと唇を重ねて遊馬が頸と腰に手を宛がい自分をぐっと抱きこむのが分かった。
啄ばむように何度か軽く唇を合わせた後 優しく野明の唇を塞ぐ。
緊張している野明は目をぎゅっと瞑り、その全身に思い切り力が入っているのに気づき一度唇を離した。
「野明、力 抜けるか?」
「・・・えと、どうしたら抜けるんだろう?」
困った顔で訊く野明に思わず噴出しそうになりながら、「じゃ 抜いてやろうか?」というと再び 先ほどよりも深く唇を重ねる。
吃驚した野明の身体がぴくりと跳ねて、遊馬を離そうと両手を肩に当てて突っ張った。
遊馬はまるで意に介す様子もなく僅かに出来た隙間からすっと舌を差し入れる。
「んっ・・・」
思わず首を竦めて逃れようとしたものの、頸の後ろに回された遊馬の掌がしっかりと頭を抑えているので思うようにならない。歯列に舌を這わせ、野明のそれを絡めるように口腔で踊る遊馬の舌の感覚に野明の意識がふわぁっと遠のく。
目の端にうっすらと涙が浮かんだ野明から頃合をみて唇を離すと彼女の身体はくたりとベッドに沈んだ。
ニヤリと笑うと野明の顔を覗き込む。
「力、抜けただろ?」
「遊馬の意地悪」
「意地悪ねぇ。これでそんな風に言われたんじゃ、この後困るんだけどな」
「この後・・・って・・遊馬ぁ・・・」
抗議の声を上げ、頬を染めて目線を合わせたり逸らしたりと忙しく動かす野明に軽く笑みを返す。
「怖いか?」
「・・・少し」
「逃げるなら今が最後。どうする?」
「どうするって・・・」
困った顔で目を逸らす野明に『逃げ道を提示しないのは卑怯かな』と思い直す。
確かに野明を欲しい気持ちはあるが無理強いすることだけは絶対に嫌だった。
今後のこともあるし何よりそんな風にして手に入れても自分が納得できないだろう。
少し考えて、いつかの様に野明の顔の横から右手を退けた。
自分が荒れて彼女を傷付けた『抱かせてくれるのか?』と言ったあの時のように。
あの時は本気で抱くつもりなどなかった、『こんなヤツだから相手にするな』という自虐めいた自暴自棄の結果だから 右手は壁につかず逃げ道を用意しておいたのだ。
今回は少し事情が違う。
本気で欲しいから、野明に後悔を残させたくないから。
「嫌ならここから出てもいい」
そう言って片側を開けた。
野明は腕の退かされた自分の左側の空間と遊馬の顔を交互に見比べ少しの間考えるように口元に手を宛がい、それから小さく首を左右に振った。
おずおずと両手を遊馬の頸に伸ばしてそっと引き寄せる。
「逃げないよ。・・・遊馬、大好き」
何より欲しかったその言葉に思わず気が昂る。
退けていた右手を戻して野明と向かい合った。
「俺も野明が好きだ」
言葉を返して野明から小さな吐息交じりの声が漏れるのを聞きながら頬に瞼に首筋にと何度となくキスの雨を降らせる。
今までに聞いたことのない声と表情。そのどれもが堪らなく愛しい。
次第に甘く変わっていく野明の声を聞きながら襟元に結ばれた寝巻きの紐に手を掛けると、驚いた野明が慌てて遊馬の手を退けようと手を伸ばした。
「ちょっ・・・っちょっとまって・・・」
「やだ、待たない」
野明の手を意に介すことなスルリと紐を解くと、襟元が広く開いて肩が露わになる。
首筋から鎖骨、喉元に順に舌を這わせ、胸元を強く吸い上げると白い肌に赤い花が咲いた。
「んっ・・・あ・・やだ、痛っ・・!」
肌蹴た胸元に目を移すとそこに赤い痣が出来ているのが目に入る。
「これっ・・あ、遊馬ぁ・・・」
「・・『俺の』って印。一つじゃ 足りないかな・・・」
にっと笑って更に花を咲かせる。
下着の淵に3つ目の痕をつけると「邪魔」と呟いて野明の背中に手を回し、その身を包む布を取り去ろうと手を這わせ、焦った野明が慌てて身を捩る。
「あ・・・ちょっと、遊馬・・・」
「待たないし、止めない」
細い手首を掴んで野明の半身を起こして寝巻きに手を掛けると 野明は遊馬の肩口にポンと額をつけ、小さな声で訴えた。
「あの・・・電気、消してもらえる?」
『それじゃ野明がみえない』と思ったものの自分が掴んでいる野明の手が微かに震えているのを見て小さく笑う。
「分かった」
部屋の明かりを落とし、自分と野明の身を包む衣服と理性の箍をベッドの脇に投げ捨てると、野明と共にシーツの海に沈んだ。
薄明かりの中目をあけると 自分の左隣で遊馬がうつ伏せに眠っているのが見えた。
露わな肩に思わず目を背け、身体を起こそうとすると遊馬の腕が自分の右肩を掴むようにして身を抑えていることに気づく。
その手を退かそうとして互いが洋服を着ていないことに気づいて赤面した。
起こさないようにそーっと手を退かし慌てて半身を起こすと下腹部に鈍い痛みが走り、思わず顔を顰める。
周りを見回すと脱ぎ捨てられた衣類が目に入り羞恥で頬が染まった。
そおっとベッドから抜け出すと手早く衣服を身につけ、遊馬の洋服を畳んでナイトテーブルに置くと洗面所に向った。
洗面所の明かりをつけ顔を洗う。
ふと先ほどのまでの事を思い出してしまい自分の胸元をそっと覗くとそこには遊馬がつけた赤い痕がくっきりと残っていた。
足元にあるポーチをを取ろうと身を屈めると下腹部にキリリと痛みが走る。
今しがた『破瓜の痛み』というものを身をもって知った野明は思わず「本当に痛んだ・・・」と呟いた。
軽く息をつき、部屋に戻ろうとして、ふと浴室に目がとまる。
『お風呂使おうかなぁ』
中を覗いて軽く浴槽を洗うとそそくさとリビングに向かい入浴剤の中から先ほど断念した泡になるものを手にして戻る。
説明を読んで中身をカランの下に流し込むとお湯を勢い良く注いだ。
見る見る泡が立つのを見て思わず顔が綻ぶ。
お湯が溜るまで少しありそうなので今のうちにと替えの下着を取りにそっと寝室に戻り、遊馬が良く眠っているのを確認して再びスルリと部屋を抜け出した。
小さなワインボトルに入った入浴剤は香りもワインそのもので浴室に芳醇な香りが満ちていた。
十分に泡が立ったのを確認して軽くシャワーで身体を流すと恐る恐る泡の中に足を入れてみた。
泡になった部分が微妙にくすぐったい感じがしてすぐに温かいお湯に足が届く。慎重に身体を沈めてみた。
泡で満たされた浴槽に入り、手足を伸ばしてみると外国映画で見たヒロインのような気分になる。
思わず楽しくなってスイッと足を上げてみたり、浴槽の淵にうつ伏せに腕を組んでみたりしてみる。
「こういうのやってみたかったんだよねぇ」
泡を両手ですくってふうっと息を吹きかけて飛ばしたりして野明は暫くの間浴槽で遊んでいた。
寝返りを打とうとコロリと転がると肩口に肌寒さを感じて上掛けをグイッと引き寄せた。
その感触がいつもの布団と違うことに気づいて、『ああ、そうか』と思い当たる。
『寮じゃないんだっけ』寝起きのぼんやりした頭で考える。
自分が衣服を身につけていないことに気づいて一気に数時間前のことが思い起こされた。
『そうだ、俺 野明を・・・』と思ってはた、と気づく。
自分の右隣に居たはずの野明の姿はそこにはなく、布団も既に温度を失いかけていた。
慌てて半身を起こすと 放り投げた筈の衣類がきちんと畳まれてナイトテーブルの上に置かれていて一瞬、夢でも見たのかと思ったが自分の身体についた野明の残り香りがそうではないことを主張する。部屋の中に野明が居ないことを確認して手早く衣服を纏うとリビングの扉を開けた。
明かりの灯るリビングにもやはり野明の姿はなく、コテージから出たのかと不安になって玄関に向う。靴があることに安堵しつつも、どこに行ったのかと首を傾げてリビングに戻り洗面所の扉から明かりが漏れているのに気づいた。
パタンと扉を開けると浴室から楽しげな野明の鼻歌が聞こえてきた。
思わず安堵の息が漏れ、「野明」と声を掛けて浴室の戸を開けると泡風呂で遊んでいた野明がピキッと固まった。
目が合って数秒の沈黙のあと野明は思いっきり悲鳴を上げた。
「いやぁ、出てってよっ、遊馬の馬鹿ぁぁ!」
石鹸だの洗面器だのを手当たり次第に投げつける。
「わ、馬鹿、落ち着けって!」
「早く扉閉めて出てってぇ!!」
「分かった。分かったから物を投げるなっ」
勢い良く扉を閉めると ポムっと音をたててボディスポンジが浴室内に跳ね返った。
扉に背中を預けて、大きくため息をつく。
見つけたことに安堵して不用意に戸を開けたのはまずかったと思うが・・・先刻まで肌を重ねていた相手にこの態度はどうなんだよ、と聊か腑に落ちない感を受ける。
どちらにしても 自分だって汗は流したいしこのままここに居ても野明は絶対浴室に立てこもって出てこないだろう事は明白だった。
ここは前向きに一度着替えを取りにこの場を離れることにした。
泡で楽しく遊んでいると遊馬が「野明」と声を掛けながらいきなり扉を開けた。
吃驚して動作が止った。
自分の格好を見て一気に頬が紅潮して混乱のあまり思いっきり悲鳴を上げると「出てって!」といってその辺りにあるものを手当たり次第にポンポン遊馬に投げつける。
遊馬が出て行くまで ひとしきり騒いで閉まった扉に跳ね返ったボディスポンジがぽてっと床に落ちるのを見て投げるものが手元に無くなったこともあり漸く物を投げるのを止めた。
一気に疲れが押し寄せてきて泡の中に沈みこみそうになる。
先刻まで肌を重ねていた相手とは言え・・・いきなり入ってこられては堪らない。
先の感覚が鮮明に蘇って身体がゾクリと震える感じがした。
胸元に鮮やかに残った遊馬曰く『俺のもの』という印。
目に入ると『遊馬のもの』になったことを想起させる赤い花。
野明は、はぁっと大きくため息をつくと浴槽の淵に凭れ掛かった。
「悲鳴あげちゃったのは 拙かったかぁ・・・」
呟き、先ほど投げつけて物が散乱した浴室に目をとめた。
『遊馬、怒ったかなぁ・・・』
自分の行動に少し凹んでいると再び 洗面所の扉が開く音がした。
今度は先に外から声が掛かる。
「野明。俺もお湯使いたいんだけど?」
遊馬の発言に驚いて慌てて返事を返す。
「ごめん、すぐ出るから待ってて」
「いや 別に出てこなくてもいいんだけど」
「だってっ・・・出るよ。すぐ出るから!」
「泡風呂なんて俺が1人で入っても面白くないの!」
「・・・って 遊馬、私と入るつもりなの?!」
「他に誰がいるんだよ?」
「駄目っ、絶対駄目!私これ以上入ってたらのぼせちゃうもん。すぐ出る、出ます!」
暫く口論した後「野明の作戦負けだよな」と遊馬はくすくすと笑った。
野明はバツが悪くて フイッっとそっぽを向いてしまう。
それを見てニヤニヤと笑いながら正面に座って背を逸らす遊馬は意地の悪い口調で続けた。
「手元のもの全部投げて回収してこなかったら、次に投げるもの何にもないもんな?」
結局着替えを取りに出て行った遊馬は時を置かずして戻ってきた。
投げるものを投げつくしたのを知っていたのでそのまま扉を開けてシャワーを流すと浴槽に入ってきてしまったのだ。
幸いにも広いので野明が膝を抱えてしまえば遊馬が反対の端にいる限り触れなくてもいいくらい距離は取れる。
「出たければどうぞ、シャワー使えば?」
「・・・遊馬の意地悪・・・・」
野明が今、遊馬を直視できないことと、自身の肢体を見られることに躊躇しているのがわかるので強引に入れば逃げ場なんてないも同然、そのことに気付けは遊馬は結構強気だった。
浴槽の中にいれば辛うじて泡が身体を隠す、でも出てしまってはそうは行かないのだ。
「今更何言ってんだか」
そう言ってクスリと笑うと泡を掬い上げ、野明の方に向ってふっと吹き飛ばした。
「もう やめてよ」
小さくなってそっぽを向く野明に遊馬はすいっと顔を寄せる。
警戒して逃げようにも思い切り端に居た為によける場所などなかった。
あっさりと捕まってしまうと頸から肩に遊馬の両手が滑って思わず吐息が漏れた。
「さっきまで楽しそうに遊んでたのに、もうお終いか?」
「・・・あれは 1人だったからっ」
身を捩って逃げようとして下腹部の痛みに思わず顔を顰めた。
「痛むのか?」と遊馬が心配そうな顔を見せる。
「少し・・・」
正直に答えると遊馬は野明をそうっと抱き込んだ。
「・・・悪い、キツかったか?」
「あ・・・えと・・・初めてだったから」
「うん」
「でも 嬉しかったし、遊馬で。・・・だから、いいの」
真っ赤になった顔でいうと遠慮がちに遊馬の頸へ両腕を伸ばし肩口に頬を寄せる。
「それは光栄だな」
本気でそう思った。自分が一番手に入れたかった相手が自分を受け入れてくれる喜びは何にも変え難い。改めて野明を抱き込んでその肌の色に気づく。
風呂の温度はそんなに高くはない、この状況に照れて紅潮していることを割り引いても赤すぎはしないか?
元々野明の肌は白いから赤みが差しやすいにしても首に回された腕にも力が殆ど感じられない。
「おい、野明 お前風呂にどのくらい浸かってた?」
「・・・え? どのくらいって。わかんないな・・・・」
すこし ぼうっとした声で返事が返る。額をコツンとぶつけるとかなり高い温度を感じた。
湯温が低くて気づかなかっただけで、体力を消耗したところに長風呂したことで軽い脱水症状を起こしかけていた。
「ばか、お前。水って・・・ここには無いよなぁ・・・」
自分が押しかけたことで野明が外に出られなくなった事に思い当たり自己嫌悪に陥る。
「ああ もう!とりあえず出るぞ」
抱えて立ち上がろうとすると やはり野明の身体は力が抜けていてその上泡が滑って抱えにくい。
何とか浴槽から出すと上からシャワーを掛けて泡を落とし、バスタオルでくるむ。
そろえてあった着替えを渡し自分は手早く着替えを済ます。
野明に「自分で着れるか?」と聞くとコクンと小さく頷くのを確認して「なんかあったら呼べ!」といいのこしてキッチンに走った。
スポーツ飲料のボトルを手に戻ると野明は寝巻きの袖が上手く通せなくてもたついていて、慌てて手を貸した。
「とりあえず飲め」とボトルを押し付けるが野明は「欲しくない」と首を振った。
感覚がおかしくなっているのがわかる。
「いいから飲め。自分で飲まないなら俺が飲ませるけどいいのか?」
思わず言葉がきつくなる。
困惑した顔をした野明は諦めたようにボトルを手に取ると少しづつ飲み始めた。
その様子を慎重に見守る。半分ほど飲んだところで野明が ほうっと息を吐いた。
ボトルを一旦受け取り、リビングに連れて行くとソファに座らせ再びボトルを渡す。
「ちょっと片付けてくるから、ゆっくりでいいからこれ飲んでろ。何かあったらすぐ呼べ」
言い置いて浴室を片付けに向った。
ソファにすわって手にしたボトルを眺めながらゆっくりと喉を潤す。
ぼうっとしていていた頭が次第に意識を取り戻す。
傍を離れていた遊馬が「気分どうだ?」といいながら戻ってきた。
「ん、平気。また迷惑かけちゃってごめんね」
「酔っ払いの次は 脱水か?」
苦笑する遊馬に 「申し訳ありません」と神妙に謝った。
「いや、今回は俺も悪かった。ごめん」
野明の体調に配慮が足りなかったことを心底悔やむ。
小さく笑うと野明は「気にしないで」といって小さく首を振った。
「今週は遊馬に介抱されっぱなしだね」
「他のヤツがするよりいいさ、それ ちゃんと飲めよ」
「は~い、わかりました。頑張ります」
そういうと野明はボトルに残っていたスポーツ飲料を飲み干した。
ボトルを受け取り野明の身体をソファに横たえゆっくり髪を撫でると野明は安心したように少し目を閉じた。
暫くして野明の目を覗き込んで生気が戻っているのを確認すると「外 出てみないか?」と声を掛けた。
「外?」
「テラスがあっただろ。もうじき夜も明けるし朝焼け見ようぜ?」
「いいね。で、コーヒーでも飲むの?」
野明がくすくすと笑う。
「お前はまだ駄目。脱水起こしかけてるヤツがコーヒーとか紅茶飲むなよな、酒も論外!」
「じゃ 私なに飲むの?」
「水か 麦茶か焙じ茶だな」
「水しかないじゃない」
「じゃ、生理食塩水。作ってやろうか?」
「そんなものいらないって!」
「そんだけ言い返す元気が出てきたなら平気そうだけどな。スポーツ飲料もう一本持ってくか?」
「・・・水でいい」
「立てるか?」
声を掛けて遊馬が手を差し伸べる。頷いて立ち上がろうとすると下腹部がキリリと痛み野明は顔を顰めた。勢いをつけて立ち上がる。
キッチンで水のボトルとグラスに移したアイスコーヒーを調達してテラスに出ると二人並んで腰を下ろした。
夜風がひんやりとして心地よい。
空はうっすらと明るくなりかけていて夜明けが近いことを教えてくれる。
グラスを片手に野明の肩を軽く引き寄せると膝を抱えた野明が頭を遊馬の肩に寄せた。
暫くそのままぼんやりと空を見ていた。
空の色が急速に赤みを帯びてくるのを見た野明が「すごいね」と感嘆の声を上げる。
暗かった空が茜色に輝き、次いで黄金色が混ざり始めるとあっという間に空が白んできて辺りが朝靄に包まれ始めた。
「綺麗なもんだな」
「うん、あっという間に夜が明けちゃった。朝焼けって結構短いんだね」
「10分無いかもしれないな、綺麗に見える時間は」
辺りは濃い霧がたちこめ始めて周囲の木々の間を白く流れはじめている。

暫く黙って遊馬の肩に寄りかかっていた野明が不意に口を開いた。
「遊馬」
「なに?」
「・・・・呼んでみたくなっただけ」
触れて体温を感じているのに遊馬がこのまま霧の中に消えてしまうんじゃないかと不安になった。
キュッと遊馬のシャツを掴む野明の頭に顎を乗せるようにして遊馬がくすりと笑う。
「どこにも行いかないから、安心しろ」
「うん」
「お前こそ行くなよ?」
「行かないよ、それに・・・」
野明は小さく笑うと軽く胸元を押さえ遊馬に悪戯っぽい目を向けた。
「印つけられちゃったし?」
遊馬は軽く目を瞠る。
「言うじゃないか。ご希望なら首筋の目立つとこにもつけようか?虫除けにはなるぜ」
「だめ。見えないところがいいんだよ。秘密って感じがして」
「秘密ねぇ、ま いいけどさ」
にっと笑った遊馬は野明の顎をクイッと持ち上げるとそのまま唇を重ねる。
優しく少し長めのキスを交わしてそっと唇を離す。
「俺の」
「私の」
2人で顔を見合わせてひとしきりクスクスと笑った。
「さて、そろそろ中入ろうぜ。コーヒー淹れてやるよ」
「もう飲んでいいの?」
「そんだけ元気なら大丈夫だろ、倒れたらまた面倒見てやる」
「頼りにしてるね」
野明を支えて立ち上がると部屋に続く掃き出し窓に向う。
夜はもうすっかり明けて空は朝の明るさに満たされていた。
to be continue...
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追記
ええと・・・遂に遊馬 手をだしちゃいました (〃_〃)ゞ
うまくかけない・・・読むのは大好きなんですが(←おいおい!)
頓挫して何度か投げ捨てそうになりましたよ。
書き出すとかなり公開に勇気が要りそうな方向に走りかけ、自分がビビって幾つか削ったネタもあり・・・(笑)
艶物は読むのは好きですが書くのは苦手!ということがはっきりしました(^^;
結果 えらい半端な表現になりましたが今ここが限界でしょうっ、自分! ヽ(+▽+)ノ・・・キュゥ
あと一泊二日で東京に帰れます・・・・
ああ 長い・・・4日とか言わなきゃ良かったぁぁぁ(←かなり後悔・・・・)
入浴剤一緒に使わないの?というご意見も多々あったので 一緒に入れてみましたが結果 野明のぼせて倒れました(笑)
長風呂ってちゃんと水分とっておかないと危ないですよね、というわけで今回はここまでで(^^;
お時間ありましたら一言なりとご意見ご感想などを戴けますと頑張ろうという、糧になります(笑)
単純なので読んでくれる方がいてくださると思うと気合が乗ります☆
長くて進まない駄文ですが何とか完結させたいと・・・努力してます~(笑)
では次回ものんびりマイペースに更新して行こうと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

駄文の挿絵用に描いたものです(^^)
新しいソフトの機能と戦いながらかいてます。
(それは今も同じだけど☆)
昨日折角日食もあったし、何か記念に書いとこうかな、と。
時間軸 おかしくてもまあいいかなと(^m^)
2009年に 二課にはもう居ないでしょうが それは突っ込まないでねっ!
東京は生憎の天気で一瞬 チラッとしか日食見れませんでした。
見れただけ マシかなぁ・・・・
では 以下本文
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未来の約束
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朝から雨が降る東京の空。
そこそこ本降りの朝8時。ハンガーの入り口で空を見上げて野明が言う。
「日食 見れそうにないね」
「そうだなぁ、晴れそうな感じしないな」
日食は9時半過ぎから始まって2時間ほどで元に戻る。
今回は日本国内でも皆既日食が見られる地域もあるそうだが東京はせいぜい掛けて7割というところらしい。
それでも珍しい現象には変わりなく残念そうに肩を落とす様子は少し気の毒だった。
「部分日食だったら また見れるんじゃないか?再来年も国内で見れるし、金環日食は2012年に関東でも見れるらしいぜ?」
「そうなの?」
「さっき TVで言ってた」
「そっか・・・で その二つは何が違うの?」
素朴な疑問を口にする。
「部分日食は文字通り 一部分が欠ける日食。金環日食は 月が太陽の前に来た時、太陽の淵が残って輪っかが出来るように残る日食」 遊馬はすらすらと説明する。
「今回は輪っかにならないの?」
「ならない。皆既日食は月が太陽を完全に隠すからな。周りに炎みたいなものが残って見えるけどあれはコロナで太陽そのものではないんだ」
「へぇ? じゃどうして 完全に隠れる時と輪っかが残る時ができるの?」
小首を傾げる野明に『少しは自分でも調べろ』とでも言いたそうな目線を投げてから訥々と説明を始める。
「太陽と月、地球との距離の問題だな、惑星と衛星の軌道は楕円軌道を・・・・」
『面倒だ』という態度を取りつつも丁寧に語るその顔は好きなことを夢中で話す子供のような雰囲気があって見ていて飽きない。
思わず じっと見つめていると遊馬が不意にこちらを向いた。
「聞いてるか?」
「あ うん。聞いてる」
本当は途中から理解できなくなってしまって話なんて聞こえているだけで聞いてないも同然だったんだけど。
「本当か?」と聞かれて、へへっと笑うと『聞いてなかったな』という顔で眉根を寄せる。
「ま、いいけどな」というと空を見上げた。
雲は厚く、太陽が見える様子はない。
「さて 一度戻ろうぜ。怒られちまう」
野明の背中をぽんと叩いて促し、連れ立って隊員室に戻ると並んで席に着く。
『さて、日報でも書くか』と 引き出しからペンを取り出したとき出動を告げるサイレンが鳴った。
「愚図愚図しないで!」
熊耳の檄が飛んで皆が一斉に隊員室を駆け出して行った。
出動先は浅草。
工事現場でバランスを崩したレイバーの移動とそれに伴って崩壊した建物の瓦礫を移動すること。
インカム越しに聞こえる遊馬の正確且つ的確な指示に沿って作業を進める。
作業は小一時間で終わり、遊馬から声が掛かる。
「よーし、いいぞ。野明 下りて来いよ」
「りょーかいっ」
ハッチを開けひょいと飛び降りて指揮車に向う。
遊馬は 熊耳さん、隊長を交えて何か話していてそこに同じくイングラムから下りてきた太田さんと一緒に合流した。
「おおまかな作業はこれで終わりなんだが・・・。あとは 万一に備えて午前中の救助が終わるまで少し残っててほしいそうなのよ」
飄々とした口調で言いつつ指揮担当の二人の顔を等分に見遣る。
「篠原。一号機組はここに残れ。2号機撤収。」
「了解です」「了解」
答礼してその場から散る隊員。
ひろみちゃんも キャリアに戻ってイングラムに電源を急速チャージする手筈を整える。
遊馬は隊長と少し打ち合わせをして指揮車に戻り、野明は何をしようかと少し考えて空を振り仰いだ。
「あ・・・」思わず声が漏れる。
急いで指揮車に駆け寄ると扉を開け声を掛けた。
「遊馬ぁ、空!!」
怪訝な顔をした遊馬が 野明に腕を引かれて車外に出ると野明の指し示す空を見た。
厚めの雲が掛かっているので肉眼でも分かる、左下の欠けた太陽。
遊馬は苦笑しながら指揮車から閃光弾を使うときに使用する偏光板を取り出すと野明の目前にかざした。
「目、悪くするぞ」
「ありがと」
自身も偏光板をバイザーに取り付け空を見る。
「一応、見れたじゃないか」
「そうだね。でも・・・」
言いながら遊馬に視線を合わせるとクスリと笑う。
遊馬も 軽く息を吐いて笑みを見せると野明の肩をぽんと叩いた。
「金環日食の時はちゃんと休みがあるといいな」
「うん、そのときも遊馬と一緒に見れたらいいなぁ」
「そりゃ どうも。」
「3年先かぁ。それまで一緒に居られるかな?」
「ここには居ないかもな。でも大丈夫だろ?一緒には居るさ、多分な」
当たり前みたいに言う遊馬にすこし驚いた顔をした野明は「だと いいな」と穏やかに微笑んだ。
その様子に遊馬は若干不満げな様子で再び空を見上げる。
太陽はまた厚い雲に覆われてその形を確認することは出来なかった。
「聞き流すなよ、真面目に言ってんだから」
「え、そうなの?」
顔を一瞬で赤く染めた野明が聞き返す。
「そう、3年後の金環日食の時も、その先も。一緒に居ないか?」
「・・・いいの? 私で」
「次も一緒に見たいんだろ?」
「うん、見たい。だから 一緒に居たいな」
顔は少し赤いまま嬉しそうに笑うのを見て 遊馬は悪戯っ子のような目をして言った。
「予約 承りました。キャンセルなしだぞ?」
「勿体無いから、しない」
野明がにこりと笑って答えた。
「さぁて、データ集めないとな。指揮車いくぞ、野明」
「うん」
2人で指揮車に乗り込んで現状と機体の状態をモニタリングしていく。
真剣に仕事する遊馬の横顔を見ながら 野明は少しくすぐったい気分を味わった。
ひろみちゃんから 充電準備完了の連絡が入るのを確認して遊馬は的確な指示を飛ばす。
『いつまでもここには居られない』
けれど。
『遊馬とずっと居られたらいいな』
それは叶う夢かもしれない。
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追記
結局最後に甘くなるのは願望かな~(笑)
纏まってないけど。日食記念ってことでご容赦ください♪
雨続きで今日の花火大会中止かなぁと考えています・・・
どちらにしても このぬかるみでは土手は凄いことになっていそうなので子供2人連れて行くのは無理でしょうね(^^;
さて書き掛けたのはかなり前で放置していたものです(^^;
ファイルが増えてきてちょっとPC内を整理していたら出てきたので少し手を加えてみました~(笑)
でも やっぱり纏まりのない文章ですね(笑)
誰かの目線で書くって難しいなぁって思います。
以下本文
===============
気になること
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「篠原、泉をしらんか?」
退勤時間を過ぎ更衣室に向う途中、太田に声を掛けたられた。
「いや、見てないけど。野明に何か用か?」
「いや ならいいんだ。すまなかったな」
そういいながらそそくさと その場を去る。
妙にそわそわした態度が腑に落ちなくて 「なんだありゃ?」と思わず口に出してその後姿を見送った。
手早く着替えを済ませ、更衣室を出たが野明が更衣室に来た気配もない。
今日は日報もさっさと書き上げたし居残るような用事は何も無いはずだと思い、『ハンガーにでも行ったかな?』と思い足を向けた。
ハンガーに野明の姿がないことを確認して 一応隊員室にも顔を出したがやはりそこにも彼女の姿はなかった。
残っていたのは 熊耳、進士、山崎の3人で帰り支度を終え机を片付けたりしているところだった。
「野明 見ませんでした?」
「あれ、遊馬さん帰ったんじゃなかったんですか?」
ひろみちゃんが柔らかな笑顔を向ける。
「いや それがさ、野明見つかんなくて。帰りに飯でも食っていこうかと思ったんだけど。」
「泉さんでしたら さっき太田さんに呼ばれて行きましたよ」
定時に上がれることにホッとした様子の進士が荷物片手に答えた。
「太田と? 何で?」
「さぁ・・・? でもなんだか思いつめたような様子でしたよね、太田さん」
進士が同意を求めるとひろみちゃんは大きく頷いた。
「ここ数日 そわそわして落ち着きがないというかそういう感じでしたよね」
「太田に落ち着きがないのは いつものことじゃないか。」
何でもない風にいいながら遊馬は さっきの太田の様子がチラリと脳裏を掠める。
「最近 やたらと泉さんの方を伺ってたと言うか、気にしていた感じはあったんですよね」
「確かにそうね。ここ数日 態度が不自然というか、集中力が掛けてる感じがあるわよね」
「遊馬さん なにか気がついたことないんですか?」
一斉に言われて考えてみる。確かにここ最近チラチラを野明の方を見てるなとは感じてはいた。
それにさっきの態度だ。一度気にかかると変に気になって落ち着かない。
「俺 ちょっと探してきます」
そう言って踵を返すと心当たりを探してまわることにした。
隊員室に残された三人は 揃って顔を見合わせると「若いなぁ」と口を揃えて笑い、それにしても、と太田の様子がおかしいことに首を捻った。
先ほども探したハンガー、ついでに駐輪場にバイクがあるのを確認して、電算室、更衣室を順番に覗いたが野明も太田も姿が見えなかった。
すると残りは屋上か堤防か。
少し考えて 太田が野明を連れ出したとするならば 好き好んで屋上には上るまいと考えて堤防に回ることにした。
途中 トマトのビニールハウスの傍に差し掛かったところで 人の話し声が聞こえて思わず立ち止まった。
太田の声だと確信して近づき ビニールハウスの角からひょいと顔を出すと、向かい合って立つ制服姿の野明と太田を見つけ、声を掛けようとしたとき太田が言葉を発した。
「というわけなんだが・・・付き合ってもらえんだろうか?」
話の前半が聞こえなかったとはいえ 予想外の言葉に思わず顔を引っ込めてハウスの影に隠れてしまった。
『なんで 俺が隠れなきゃならないんだよ!』と思ったものの一度隠れてしまうと今更出て行くのもばつが悪いし気が引ける。そして 何より野明が何と答えるのかに興味があった。
そっと様子を伺うと俯いて顔を真っ赤にして拳を握り締めている太田の前で 野明は困ったような笑顔を見せていた。
「う~ん・・・でも 私なんかでいいのかなぁ?」
「お前以外におらんだろうが」
真剣な様子の太田に野明が苦笑したかと思うと予想外の回答が飛び出した。
「わかった。いいよ、私でいいなら」
吃驚して思わず 声を上げそうになるのを必死で抑える。
何故、いや それより何が? それもよりによって太田だと?!
人が大混乱している間にも会話は続いている。
「で、早速なんだか次の非番は空いてるか?」
「今の所予定ないよ、じゃ 明後日ね」
「場所は・・・」
太田が 野明に約束を取り付けているのを耳にして 居た堪れなくなってその場から逃げるように立ち去った。真っ直ぐ寮まで帰ってきたが 大体 彼女でもない野明が誰とどうしようと自由で俺の干渉することではない、とわかっているのに気分はイライラしてちっとも落ち着かない。
今頃になって『夕飯食い損ねたな』と思ったものの部屋を出る気力が沸かずにそのまま風呂にだけ入ってベッドに横になったが、疲れているはずなのに全く眠れなかった。
翌朝 出勤すると始業時刻より5分ほど早いのに自分以外の全員がすでに隊員室に来ていた。
挨拶を済ませて席に着くと隣から 拗ねたような声がした。
「遊馬、昨日さっさと帰っちゃって どうしたのさ?」
「別に」
『あんなの見て待っていられるか! 』と言ってやろうと思ったがやめた。
「一緒にご飯食べて帰ろうと思ってたのに」
「そりゃ 悪かったな」
つい 素っ気無い返事になってしまう。
「・・・なんか 機嫌悪い?」
少し困ったように問う野明に 軽く一瞥を投げるとファイルを片手に立ち上がった。
「別に普通だよ、さぁて 仕事仕事っと・・・」
この話題を続けると何を言い出すか自分で自信が持てなくて電算室に逃げ込むことに決めた。
視界の隅に困惑している野明が見えていたもののそれにはあえて気づかない振りをした。
こういう時に限って出動が掛かることなく野明との間に微妙な雰囲気を漂わせたまま定時が近づいてきた。
あれから野明は何度か話しかけてきたものの、適当にあしらうように返事をしているとその内話しかけてこなくなった。
正直何がこれほどまでに気に入らないのか自分でもよく分からない。
特別な関係ではないのだから 野明が誰とどうしようがプライベートに口を挟める権利はないことは分かっているのに気にかかって仕方がないのだ。
退勤時間間際になって 帰る準備を始めると野明がこちらの様子をチラチラと伺うように見ていることに気がついたが 素知らぬ振りを決め込んで「じゃ、お先失礼します!」と告げて隊員室を後にした。
結局この日も満足に眠れなかった。
今日は非番。太田が野明に約束を取り付けている日だ。
何気なく窓外を見下ろすと 出かける太田が目に入った。
こざっぱりしたジャケットとスラックス。普段余り見かけない格好。
『暇だから』と自分に言い訳をして 太田の後をつけてみることにした。
ついた場所は最近出来た新しいショッピングモールでその入り口には壁に背を預けて佇む野明が居た。
淡い色のカーディガンにカットーソー、ライトグリーンのパンツでそれなりにめかし込んでいるのが心に痛かった。
太田を見つけ小走りに駆け寄ると 二言三言言葉を交わし 建物に入っていった。
色んな店に出たり入ったりしながら 2人で商品を見てまわり、最終的に時計店でかなりの時間を費やし 野明が幾つか手首に嵌めてみる。
暫く店員も交えて話をした後 一つを選択したようでプレゼント仕様にラッピングされた包みを受け取り野明はクスクスと笑っていた。
人のデートをつけてまわることに虚しさをおぼえてクルリを踵を返す。
妙に白けた気分でそのまま寮に帰ることにした。
太田は結局門限ギリギリまで寮には帰ってこなかった。
その日 俺はギュッと胸を締め付けられる感覚と苛立ちのようなものを抱えてやっぱり満足に眠ることは出来なかった。
明日からの仕事考えると気が滅入ってくる。
なんでもない顔をして今までのようにあいつの指揮を取れるのか不安になってきた。
野明が自分から離れていくような気がして そしてその向う先がまさかと思う身近な相手の所だというのが気に障って仕方がなかった。
翌朝 隊員室に入るとそこにはやはり野明が居ていつものように「おはよう 遊馬」と声を掛けてきた。
「おう」と返事だけを返してそのまま黙って席につく。機嫌の悪さが声に出ているのが自分でもよく分かった。
その様子を困った顔をした野明が見つめて、意を決したように話しかけてきた。
「ね、どうしたんだよ 遊馬。最近変じゃない?」
「別に」
「いいたいことがあるなら ちゃんと言いなよ。気になるじゃない?」
思わず 『誰の所為だとおもって』と言いたいのを飲み込み太田の方をチラリと見遣った。
太田は『さも 迷惑だ!』といわんばかりの態度でこっちを見ていてその様子に俺の中の何かがプチンと切れた。
徐に立ち上がると野明に声を掛けた。
「・・・野明 ちょっといいか?」
「・・・うん?」
小首を傾げながらも野明は素直に俺の後をついてきた。
屋上にでて手すりに背を預けるようにして立ち止まると 野明は俺の正面に立って黙って不思議そうな顔で俺を見ていた。
大きく深呼吸をするとゆっくり息を吐き出し、気持ちを落ち着けてから努めて冷静に口を開く。
「なぁ お前 その・・・太田と付き合ってる・・・のか?」
「・・・・・はい?!」
野明は キョトンとした顔をして聞き返す。驚きで声が完全に裏返っていた。
「誰が?」
「お前が」
「なんで?そんなことあるわけないじゃん!」
「何でって・・・お前、この前ビニールハウスのとこで・・・。それに昨日だって2人で楽しそうに出かけてただろう?」
「?? って ええ? 遊馬。あれ聞いてたの?!」
吃驚した顔をした野明は 直後にクスクスを通り越して「遊馬ったら 嫌だぁ」と言ってケラケラと笑い始めた。
目の端に涙を浮かべて「どこから聞いてたのよ?」と言いながら遊馬の腕にぽんと手を添える。
「それに 昨日って・・・遊馬見てたの?」
目を丸くした野明が遊馬の顔を覗き込むとバツが悪くなって思わず視線を宙に飛ばした。
「えっと・・・まぁ・・その偶然な・・・」
まさか 気になって太田のあとをつけたとは言いたくなかった。
「じゃ もしかしてここ数日遊馬の機嫌が悪かったのはそれが原因な訳?」
「・・・そんなんじゃねぇよ・・・」
声に力がない上に顔が火照っているのが分かり頭をガリガリと掻きながら野明の視線から逃れようと目を逸らす。
野明は そんな俺を見て満面の笑みを浮かべると顔を見ようとひょこひょこと動き回った。
「やめろって!」
野明の頭を手で押さえると上目遣いにクスリと笑った野明が嬉しそうに訊ねた。
「ね 妬いてくれちゃった?」
「ばぁか。そんなんじゃねぇよ」
「違うの? なんだ つまんないの」
「お前ね! ・・・で どうなんだよ?」
「どうって・・・ああ! そうか、どうしようかなぁ・・・・」
野明は少し考えてから 思い切ったように一つコクンと頷くと顔をスイっと近づけてきた。
「遊馬、口は堅い?」
「お、おう!」
驚くほどの至近距離にある野明の顔に少し焦りながらも何とか返事を返す。
「じゃ 最初からちゃんと話すから。秘密は守ってよね。私も遊馬に誤解されていたくないし」
後半は呟くような小さな声で言うと野明はにっこりと笑った。
「ね 遊馬、今日って何の日だか知ってる?」
唐突な質問に記憶の引き出しを開けても何も該当する情報が引き出せなくて俺は首を傾げる。
「いや、なんかあったか?」
野明はくすりと笑うと「そうだよね」と言ってから正解を教えてくれた。
「今日は 熊耳さんの誕生日なんだよ」
「へぇ? そうなんだ。それがどうか・・・って あ、まさか!」
思い当たって思わず声を上げた。答えが分かった事と、その意外性、どちらに声を上げたのか。
「そういうこと」
野明はクスクスと笑って続けた。
「だから買い物に『つきあって』あげたの」
「でも あのやり取りは誤解したくなるだろう?」
「やり取りって?」野明は小首を傾げる。
「野明しかいないって・・・」不貞腐れたような顔で言う遊馬に野明は思わず噴出した。
「だって、二課棟に女性3人しかいないんだよ? 南雲さんに買い物付き合ってもらうわけに行かないし 熊耳さんに直接言えないなら 『私しかいない』でしょ?」
「あ・・・」
考えれば物凄く単純なことだ。プレゼントを当人を伴って買いにいけるのは気心が知れた相手だけだ。
太田はお武さんとそこまで打ち解けていないのだから当然買ってから渡したい。
しかし太田は女性にプレゼントを買ったことがないのでその選択に困って野明に助っ人を頼んだのだ。野明は一時的にお武さんと同居していたので持ち物の趣味を俺達の中では一番よく把握しているだろうし。
「私でお役に立てるのかなって思ったんだけど、どうしてもっていうから」
「でも お前太田に何か買ってもらってただろ?」
「本当に見てたんだね~、でも 残念。私は預かっただけだよ」
「預かる? 何で?」
「あんな包みもって寮に帰って遊馬たち 太田さんを問い詰めたりからかったりしないでいられる?」
「・・・無理だな・・・」
絶対 問い詰めてからかうよなぁ。色恋に縁が多い場所じゃないだけに・・・・あっという間に寮全体が妙な祭りになりそうだと思った。
普通の会話ならいくらでも出来るのに「相談に乗ってくれ」の一言がなかなか言い出せずに数日機会を伺い続けてて挙動不審になっていた太田、。そうこうしている内に お武さんの誕生日前最後の非番の日が近づいてきてあの日退勤間際の野明を捕まえ「買い物に付き合って欲しい」の一言をどもりながら漸く口した 。遊馬は この時の会話を聞いたのだ。
野明にしてみれば 「そんな大事なもの選ぶのに 私が口を出していいのかな」という気持ちがあったが真っ赤になりながら年下の自分に頭を下げてまで頼んでいる太田をみて何とか力になってあげたいなと思っ たのだ。
どうしても あの日に声を掛けなくてはいけなかった理由は・・・
非番前日の退勤間際だと遊馬が野明に声を掛けるのがわかっていたからだ。
帰りが遅かったのはレストランの下見。だから 互いにそこそこ小奇麗な格好をしていたわけだ。
事の顛末を聞かされた遊馬は 思わず大きく息をついた。
「成る程ね」
野明が顔を覗き込む。
「お願いだからこのこと秘密にしてよ?」野明が念を押す。
「了解!」
久々にスッキリした気分で返事を返して大きく伸びをした。
「熊耳さん 喜んでくれるかなぁ」
「大丈夫だろ、あんだけ一生懸命選んだんだし」
「伝わるといいよね」
そういうと野明はにこっと微笑んで遊馬に向き直った。
「ところで遊馬、本当に妬いてくれたんじゃなかったんだ?」
少し拗ねたような顔で見上げる野明の髪をくしゃっと撫でながら目線を宙に泳がせる。
「・・・言わせるのか?」
「駄目?」
やれやれと肩を竦めて一度大きく息を吸い込む。
「一度しか言わんぞ。・・・妬けたよ、だからあーゆーのはもう勘弁してくれ」
それを聞くと野明は花が咲くような笑顔を見せた。
「はい、もうしません。」
そういうとクルリと踵を返す。
「さ、そろそろ行かないと怒られちゃうね」
「だな」
野明は嬉しそうに俺の腕を取ると隊員室に向ってスタスタと歩き出した。
2人連れ立って隊員室に戻ると皆が一斉にこちらを見たが 気まずい雰囲気がなくなっているのを察してか一様にほっとした気配が漂い『俺はそんなに険悪な雰囲気をだしていたのか』と思わず苦笑した。
太田がこちらの様子を伺っているのに気づいたが 野明との約束もあるので気づかない振りをしてやる。
その様子に野明がこちらを見てこっそりと笑い 「お茶淹れてくるね!」と言って注文を聞いて回った。
お武さんも席を立ち「手伝うわ」といいながら給湯室に向った。
ふと足元を見ると 野明の机の下には昨日野明が受け取っていた包みが一回り大きな別の店の袋に入れられてそっと置かれていた。
少し考えて その袋をひょいと掴むと太田の席に運ぶ。
「ほら」
紙袋を太田の机の下に置きながらついでのように小声で声を掛けた。
「野明 連れ出すんだったら一言いえよな」
ばつが悪そうな顔をした太田が「すまん」と意外に素直に口にしたので聊か拍子抜けした。
緊張しているような顔が微笑ましく見えて思わず上から目線で「ま 頑張れよ」と声を掛けて背中をポンと叩いて席に戻った。
給湯室から戻りお茶を配り終えた野明が席に着くと 足元の紙袋がなくなっているのに気づいた。
軽く肩を叩くとそっと太田に視線を向けた。
野明は 太田と俺とを交互に見て納得したように頷くと、クスリと小さく笑う。
「秘密守ってね、って言ったのに」
「他の奴らには言わねぇよ。それに・・・太田には言っとかないといけないこともあったしな」
「なによ、それ?」
「いーんだよ、お前は知らなくて」
腑に落ちない顔をして小首を傾げる野明に「いろいろあんの」とだけ言って書類の束をもって立ち上がった。
「電算室いくぞ、野明」
進士とひろみちゃんが用事で部屋を空けた隊員室。
野明も意図を察して遊馬に従った。
キャットウォークを歩きながら 「上手くいくといいね」と笑う野明を見ながら『年末のこいつの誕生日にはプレゼントくらい用意してやろうか』と考えて、でも『まぁこいつなら一緒に買いに行ってもいいのかも知れないな』と思い直す。
それはその時に考えればいいことだ。
けど、人に何かを贈ることをこんなに楽しみに思うことが少し嬉しかった。
==============
追記
太田さんって結構純粋な人なんでしょうね~と 「惑いの午後」の回で思いました。
根は真面目で 純粋。あれで 暴走しなければもっと女性とも縁がありそうなのに(笑)
香貫花にせよ お武さんにせよ 尻に敷かれそうな女性としか接点がないのが気の毒なところです(^^;
私から見たら 割と謎キャラなんですが嫌いではないんですよ~
だた 私生活が全くイメージできないだけで・・・・