記事一覧

軽井沢編10 刻印

軽井沢編 10弾です

遂に二桁突入・・・(^^;
長いなぁ・・・しみじみ思います(笑)
暑さで倒れそうな気温の中、決して涼しいとはいえない本文(^^;
文才の無さに思わず笑が止りません(笑)
上手くかけるようになりたいな~とつくづく思います。

今週も幼稚園はお休み・・・
登園している時の一週間はあっという間なのに休みの一週間ってなんて長いんでしょう・・・・
今週もがんばるぞ!

ここ暫く週一の週末更新が続いていたこのシリーズですが遂にそれすらぶっちぎって9日あきましたね~
私逃げまくってましたから(笑)
今回は久し振りも絵もつけてみました☆
完結だけはさせないとなぁという意思はあるんですよ、なので見捨てないでね(^^;

長くて完結はまだ先になりそうですがもう少し続く予定ですのでよろしければもう暫くお付き合いくださいませ~

以下本文

===============
刻印
===============

「なぁ、俺のものにならないか?」
そう言われた直後クルリと視界が回り、顔の脇に両腕をついた遊馬が覆いかぶさるようにして自分を見つめていた。
いつものふざけた感じとは違う初めて見る『男の人』の目が少し怖くて、野明は遊馬の目から少し視線を外した。
「嫌なら無理強いはしない」
真剣な眼差しの遊馬に野明は眼を逸らしたまま小さく首を振った。
嫌ではなくて、怖いと思った。それは遊馬が怖いのかこれからのことが怖いのかよく分からなかったけれど。
「嫌・・・じゃないの・・・でも・・・」
何と言っていいのか的確な表現が浮かばない。『この先』に自分が予想した事を思って不安と羞恥で頬が紅潮しているのが自分でもはっきりと判った。
「でも?」
真剣な眼差しで遊馬が言葉の先を促し野明は目を合わせることが出来ないまま答えを返す。
「私 こういうの全然・・」 経験がないからわからない、と続けようとして頸の後ろに差し入れられた遊馬の暖かい手に意識が移る。次いで遊馬がふぅっ・・・とゆっくり息を吐くのが分かった。
遊馬の方に目を向けると先刻までの怖いくらいの眼差しは影を潜めていて優し気な顔でくすりと笑った。自分の方にゆっくりと唇を寄せて囁く。
「心配しなくていい。俺が教えてやる」
そう言うと殊更にゆっくりと唇を重ねて遊馬が頸と腰に手を宛がい自分をぐっと抱きこむのが分かった。

啄ばむように何度か軽く唇を合わせた後 優しく野明の唇を塞ぐ。
緊張している野明は目をぎゅっと瞑り、その全身に思い切り力が入っているのに気づき一度唇を離した。
「野明、力 抜けるか?」
「・・・えと、どうしたら抜けるんだろう?」
困った顔で訊く野明に思わず噴出しそうになりながら、「じゃ 抜いてやろうか?」というと再び 先ほどよりも深く唇を重ねる。
吃驚した野明の身体がぴくりと跳ねて、遊馬を離そうと両手を肩に当てて突っ張った。
遊馬はまるで意に介す様子もなく僅かに出来た隙間からすっと舌を差し入れる。
「んっ・・・」
思わず首を竦めて逃れようとしたものの、頸の後ろに回された遊馬の掌がしっかりと頭を抑えているので思うようにならない。歯列に舌を這わせ、野明のそれを絡めるように口腔で踊る遊馬の舌の感覚に野明の意識がふわぁっと遠のく。
目の端にうっすらと涙が浮かんだ野明から頃合をみて唇を離すと彼女の身体はくたりとベッドに沈んだ。
ニヤリと笑うと野明の顔を覗き込む。
「力、抜けただろ?」
「遊馬の意地悪」
「意地悪ねぇ。これでそんな風に言われたんじゃ、この後困るんだけどな」
「この後・・・って・・遊馬ぁ・・・」
抗議の声を上げ、頬を染めて目線を合わせたり逸らしたりと忙しく動かす野明に軽く笑みを返す。
「怖いか?」
「・・・少し」
「逃げるなら今が最後。どうする?」
「どうするって・・・」
困った顔で目を逸らす野明に『逃げ道を提示しないのは卑怯かな』と思い直す。
確かに野明を欲しい気持ちはあるが無理強いすることだけは絶対に嫌だった。
今後のこともあるし何よりそんな風にして手に入れても自分が納得できないだろう。

少し考えて、いつかの様に野明の顔の横から右手を退けた。
自分が荒れて彼女を傷付けた『抱かせてくれるのか?』と言ったあの時のように。
あの時は本気で抱くつもりなどなかった、『こんなヤツだから相手にするな』という自虐めいた自暴自棄の結果だから 右手は壁につかず逃げ道を用意しておいたのだ。
今回は少し事情が違う。
本気で欲しいから、野明に後悔を残させたくないから。
「嫌ならここから出てもいい」
そう言って片側を開けた。

野明は腕の退かされた自分の左側の空間と遊馬の顔を交互に見比べ少しの間考えるように口元に手を宛がい、それから小さく首を左右に振った。
おずおずと両手を遊馬の頸に伸ばしてそっと引き寄せる。
「逃げないよ。・・・遊馬、大好き」
何より欲しかったその言葉に思わず気が昂る。
退けていた右手を戻して野明と向かい合った。
「俺も野明が好きだ」
言葉を返して野明から小さな吐息交じりの声が漏れるのを聞きながら頬に瞼に首筋にと何度となくキスの雨を降らせる。
今までに聞いたことのない声と表情。そのどれもが堪らなく愛しい。
次第に甘く変わっていく野明の声を聞きながら襟元に結ばれた寝巻きの紐に手を掛けると、驚いた野明が慌てて遊馬の手を退けようと手を伸ばした。
「ちょっ・・・っちょっとまって・・・」
「やだ、待たない」
野明の手を意に介すことなスルリと紐を解くと、襟元が広く開いて肩が露わになる。
首筋から鎖骨、喉元に順に舌を這わせ、胸元を強く吸い上げると白い肌に赤い花が咲いた。
「んっ・・・あ・・やだ、痛っ・・!」
肌蹴た胸元に目を移すとそこに赤い痣が出来ているのが目に入る。
「これっ・・あ、遊馬ぁ・・・」
「・・『俺の』って印。一つじゃ 足りないかな・・・」
にっと笑って更に花を咲かせる。
下着の淵に3つ目の痕をつけると「邪魔」と呟いて野明の背中に手を回し、その身を包む布を取り去ろうと手を這わせ、焦った野明が慌てて身を捩る。
「あ・・・ちょっと、遊馬・・・」
「待たないし、止めない」
細い手首を掴んで野明の半身を起こして寝巻きに手を掛けると 野明は遊馬の肩口にポンと額をつけ、小さな声で訴えた。
「あの・・・電気、消してもらえる?」
『それじゃ野明がみえない』と思ったものの自分が掴んでいる野明の手が微かに震えているのを見て小さく笑う。
「分かった」
部屋の明かりを落とし、自分と野明の身を包む衣服と理性の箍をベッドの脇に投げ捨てると、野明と共にシーツの海に沈んだ。

薄明かりの中目をあけると 自分の左隣で遊馬がうつ伏せに眠っているのが見えた。
露わな肩に思わず目を背け、身体を起こそうとすると遊馬の腕が自分の右肩を掴むようにして身を抑えていることに気づく。
その手を退かそうとして互いが洋服を着ていないことに気づいて赤面した。
起こさないようにそーっと手を退かし慌てて半身を起こすと下腹部に鈍い痛みが走り、思わず顔を顰める。
周りを見回すと脱ぎ捨てられた衣類が目に入り羞恥で頬が染まった。
そおっとベッドから抜け出すと手早く衣服を身につけ、遊馬の洋服を畳んでナイトテーブルに置くと洗面所に向った。
洗面所の明かりをつけ顔を洗う。
ふと先ほどのまでの事を思い出してしまい自分の胸元をそっと覗くとそこには遊馬がつけた赤い痕がくっきりと残っていた。
足元にあるポーチをを取ろうと身を屈めると下腹部にキリリと痛みが走る。
今しがた『破瓜の痛み』というものを身をもって知った野明は思わず「本当に痛んだ・・・」と呟いた。
軽く息をつき、部屋に戻ろうとして、ふと浴室に目がとまる。
『お風呂使おうかなぁ』
中を覗いて軽く浴槽を洗うとそそくさとリビングに向かい入浴剤の中から先ほど断念した泡になるものを手にして戻る。
説明を読んで中身をカランの下に流し込むとお湯を勢い良く注いだ。
見る見る泡が立つのを見て思わず顔が綻ぶ。
お湯が溜るまで少しありそうなので今のうちにと替えの下着を取りにそっと寝室に戻り、遊馬が良く眠っているのを確認して再びスルリと部屋を抜け出した。

小さなワインボトルに入った入浴剤は香りもワインそのもので浴室に芳醇な香りが満ちていた。
十分に泡が立ったのを確認して軽くシャワーで身体を流すと恐る恐る泡の中に足を入れてみた。
泡になった部分が微妙にくすぐったい感じがしてすぐに温かいお湯に足が届く。慎重に身体を沈めてみた。
泡で満たされた浴槽に入り、手足を伸ばしてみると外国映画で見たヒロインのような気分になる。
思わず楽しくなってスイッと足を上げてみたり、浴槽の淵にうつ伏せに腕を組んでみたりしてみる。
「こういうのやってみたかったんだよねぇ」
泡を両手ですくってふうっと息を吹きかけて飛ばしたりして野明は暫くの間浴槽で遊んでいた。

寝返りを打とうとコロリと転がると肩口に肌寒さを感じて上掛けをグイッと引き寄せた。
その感触がいつもの布団と違うことに気づいて、『ああ、そうか』と思い当たる。
『寮じゃないんだっけ』寝起きのぼんやりした頭で考える。
自分が衣服を身につけていないことに気づいて一気に数時間前のことが思い起こされた。
『そうだ、俺 野明を・・・』と思ってはた、と気づく。
自分の右隣に居たはずの野明の姿はそこにはなく、布団も既に温度を失いかけていた。
慌てて半身を起こすと 放り投げた筈の衣類がきちんと畳まれてナイトテーブルの上に置かれていて一瞬、夢でも見たのかと思ったが自分の身体についた野明の残り香りがそうではないことを主張する。部屋の中に野明が居ないことを確認して手早く衣服を纏うとリビングの扉を開けた。
明かりの灯るリビングにもやはり野明の姿はなく、コテージから出たのかと不安になって玄関に向う。靴があることに安堵しつつも、どこに行ったのかと首を傾げてリビングに戻り洗面所の扉から明かりが漏れているのに気づいた。
パタンと扉を開けると浴室から楽しげな野明の鼻歌が聞こえてきた。
思わず安堵の息が漏れ、「野明」と声を掛けて浴室の戸を開けると泡風呂で遊んでいた野明がピキッと固まった。
目が合って数秒の沈黙のあと野明は思いっきり悲鳴を上げた。
「いやぁ、出てってよっ、遊馬の馬鹿ぁぁ!」
石鹸だの洗面器だのを手当たり次第に投げつける。
「わ、馬鹿、落ち着けって!」
「早く扉閉めて出てってぇ!!」
「分かった。分かったから物を投げるなっ」
勢い良く扉を閉めると ポムっと音をたててボディスポンジが浴室内に跳ね返った。
扉に背中を預けて、大きくため息をつく。
見つけたことに安堵して不用意に戸を開けたのはまずかったと思うが・・・先刻まで肌を重ねていた相手にこの態度はどうなんだよ、と聊か腑に落ちない感を受ける。
どちらにしても 自分だって汗は流したいしこのままここに居ても野明は絶対浴室に立てこもって出てこないだろう事は明白だった。
ここは前向きに一度着替えを取りにこの場を離れることにした。

泡で楽しく遊んでいると遊馬が「野明」と声を掛けながらいきなり扉を開けた。
吃驚して動作が止った。
自分の格好を見て一気に頬が紅潮して混乱のあまり思いっきり悲鳴を上げると「出てって!」といってその辺りにあるものを手当たり次第にポンポン遊馬に投げつける。
遊馬が出て行くまで ひとしきり騒いで閉まった扉に跳ね返ったボディスポンジがぽてっと床に落ちるのを見て投げるものが手元に無くなったこともあり漸く物を投げるのを止めた。
一気に疲れが押し寄せてきて泡の中に沈みこみそうになる。
先刻まで肌を重ねていた相手とは言え・・・いきなり入ってこられては堪らない。
先の感覚が鮮明に蘇って身体がゾクリと震える感じがした。
胸元に鮮やかに残った遊馬曰く『俺のもの』という印。
目に入ると『遊馬のもの』になったことを想起させる赤い花。
野明は、はぁっと大きくため息をつくと浴槽の淵に凭れ掛かった。
「悲鳴あげちゃったのは 拙かったかぁ・・・」
呟き、先ほど投げつけて物が散乱した浴室に目をとめた。
『遊馬、怒ったかなぁ・・・』
自分の行動に少し凹んでいると再び 洗面所の扉が開く音がした。
今度は先に外から声が掛かる。
「野明。俺もお湯使いたいんだけど?」
遊馬の発言に驚いて慌てて返事を返す。
「ごめん、すぐ出るから待ってて」
「いや 別に出てこなくてもいいんだけど」
「だってっ・・・出るよ。すぐ出るから!」
「泡風呂なんて俺が1人で入っても面白くないの!」
「・・・って 遊馬、私と入るつもりなの?!」
「他に誰がいるんだよ?」
「駄目っ、絶対駄目!私これ以上入ってたらのぼせちゃうもん。すぐ出る、出ます!」

暫く口論した後「野明の作戦負けだよな」と遊馬はくすくすと笑った。
野明はバツが悪くて フイッっとそっぽを向いてしまう。
それを見てニヤニヤと笑いながら正面に座って背を逸らす遊馬は意地の悪い口調で続けた。
「手元のもの全部投げて回収してこなかったら、次に投げるもの何にもないもんな?」
結局着替えを取りに出て行った遊馬は時を置かずして戻ってきた。
投げるものを投げつくしたのを知っていたのでそのまま扉を開けてシャワーを流すと浴槽に入ってきてしまったのだ。
幸いにも広いので野明が膝を抱えてしまえば遊馬が反対の端にいる限り触れなくてもいいくらい距離は取れる。
「出たければどうぞ、シャワー使えば?」
「・・・遊馬の意地悪・・・・」
野明が今、遊馬を直視できないことと、自身の肢体を見られることに躊躇しているのがわかるので強引に入れば逃げ場なんてないも同然、そのことに気付けは遊馬は結構強気だった。
浴槽の中にいれば辛うじて泡が身体を隠す、でも出てしまってはそうは行かないのだ。
「今更何言ってんだか」
そう言ってクスリと笑うと泡を掬い上げ、野明の方に向ってふっと吹き飛ばした。
「もう やめてよ」
小さくなってそっぽを向く野明に遊馬はすいっと顔を寄せる。
警戒して逃げようにも思い切り端に居た為によける場所などなかった。
あっさりと捕まってしまうと頸から肩に遊馬の両手が滑って思わず吐息が漏れた。
「さっきまで楽しそうに遊んでたのに、もうお終いか?」
「・・・あれは 1人だったからっ」
身を捩って逃げようとして下腹部の痛みに思わず顔を顰めた。
「痛むのか?」と遊馬が心配そうな顔を見せる。
「少し・・・」
正直に答えると遊馬は野明をそうっと抱き込んだ。
「・・・悪い、キツかったか?」
「あ・・・えと・・・初めてだったから」
「うん」
「でも 嬉しかったし、遊馬で。・・・だから、いいの」
真っ赤になった顔でいうと遠慮がちに遊馬の頸へ両腕を伸ばし肩口に頬を寄せる。
「それは光栄だな」
本気でそう思った。自分が一番手に入れたかった相手が自分を受け入れてくれる喜びは何にも変え難い。改めて野明を抱き込んでその肌の色に気づく。
風呂の温度はそんなに高くはない、この状況に照れて紅潮していることを割り引いても赤すぎはしないか?
元々野明の肌は白いから赤みが差しやすいにしても首に回された腕にも力が殆ど感じられない。
「おい、野明 お前風呂にどのくらい浸かってた?」
「・・・え? どのくらいって。わかんないな・・・・」
すこし ぼうっとした声で返事が返る。額をコツンとぶつけるとかなり高い温度を感じた。
湯温が低くて気づかなかっただけで、体力を消耗したところに長風呂したことで軽い脱水症状を起こしかけていた。
「ばか、お前。水って・・・ここには無いよなぁ・・・」
自分が押しかけたことで野明が外に出られなくなった事に思い当たり自己嫌悪に陥る。
「ああ もう!とりあえず出るぞ」
抱えて立ち上がろうとすると やはり野明の身体は力が抜けていてその上泡が滑って抱えにくい。
何とか浴槽から出すと上からシャワーを掛けて泡を落とし、バスタオルでくるむ。
そろえてあった着替えを渡し自分は手早く着替えを済ます。
野明に「自分で着れるか?」と聞くとコクンと小さく頷くのを確認して「なんかあったら呼べ!」といいのこしてキッチンに走った。
スポーツ飲料のボトルを手に戻ると野明は寝巻きの袖が上手く通せなくてもたついていて、慌てて手を貸した。
「とりあえず飲め」とボトルを押し付けるが野明は「欲しくない」と首を振った。
感覚がおかしくなっているのがわかる。
「いいから飲め。自分で飲まないなら俺が飲ませるけどいいのか?」
思わず言葉がきつくなる。
困惑した顔をした野明は諦めたようにボトルを手に取ると少しづつ飲み始めた。
その様子を慎重に見守る。半分ほど飲んだところで野明が ほうっと息を吐いた。
ボトルを一旦受け取り、リビングに連れて行くとソファに座らせ再びボトルを渡す。
「ちょっと片付けてくるから、ゆっくりでいいからこれ飲んでろ。何かあったらすぐ呼べ」
言い置いて浴室を片付けに向った。

ソファにすわって手にしたボトルを眺めながらゆっくりと喉を潤す。
ぼうっとしていていた頭が次第に意識を取り戻す。
傍を離れていた遊馬が「気分どうだ?」といいながら戻ってきた。
「ん、平気。また迷惑かけちゃってごめんね」
「酔っ払いの次は 脱水か?」
苦笑する遊馬に 「申し訳ありません」と神妙に謝った。
「いや、今回は俺も悪かった。ごめん」
野明の体調に配慮が足りなかったことを心底悔やむ。
小さく笑うと野明は「気にしないで」といって小さく首を振った。
「今週は遊馬に介抱されっぱなしだね」
「他のヤツがするよりいいさ、それ ちゃんと飲めよ」
「は~い、わかりました。頑張ります」
そういうと野明はボトルに残っていたスポーツ飲料を飲み干した。
ボトルを受け取り野明の身体をソファに横たえゆっくり髪を撫でると野明は安心したように少し目を閉じた。

暫くして野明の目を覗き込んで生気が戻っているのを確認すると「外 出てみないか?」と声を掛けた。
「外?」
「テラスがあっただろ。もうじき夜も明けるし朝焼け見ようぜ?」
「いいね。で、コーヒーでも飲むの?」
野明がくすくすと笑う。
「お前はまだ駄目。脱水起こしかけてるヤツがコーヒーとか紅茶飲むなよな、酒も論外!」
「じゃ 私なに飲むの?」
「水か 麦茶か焙じ茶だな」
「水しかないじゃない」
「じゃ、生理食塩水。作ってやろうか?」
「そんなものいらないって!」
「そんだけ言い返す元気が出てきたなら平気そうだけどな。スポーツ飲料もう一本持ってくか?」
「・・・水でいい」

「立てるか?」
声を掛けて遊馬が手を差し伸べる。頷いて立ち上がろうとすると下腹部がキリリと痛み野明は顔を顰めた。勢いをつけて立ち上がる。
キッチンで水のボトルとグラスに移したアイスコーヒーを調達してテラスに出ると二人並んで腰を下ろした。
夜風がひんやりとして心地よい。
空はうっすらと明るくなりかけていて夜明けが近いことを教えてくれる。
グラスを片手に野明の肩を軽く引き寄せると膝を抱えた野明が頭を遊馬の肩に寄せた。
暫くそのままぼんやりと空を見ていた。
空の色が急速に赤みを帯びてくるのを見た野明が「すごいね」と感嘆の声を上げる。
暗かった空が茜色に輝き、次いで黄金色が混ざり始めるとあっという間に空が白んできて辺りが朝靄に包まれ始めた。
「綺麗なもんだな」
「うん、あっという間に夜が明けちゃった。朝焼けって結構短いんだね」
「10分無いかもしれないな、綺麗に見える時間は」
辺りは濃い霧がたちこめ始めて周囲の木々の間を白く流れはじめている。

暫く黙って遊馬の肩に寄りかかっていた野明が不意に口を開いた。
「遊馬」
「なに?」
「・・・・呼んでみたくなっただけ」
触れて体温を感じているのに遊馬がこのまま霧の中に消えてしまうんじゃないかと不安になった。
キュッと遊馬のシャツを掴む野明の頭に顎を乗せるようにして遊馬がくすりと笑う。
「どこにも行いかないから、安心しろ」
「うん」
「お前こそ行くなよ?」
「行かないよ、それに・・・」
野明は小さく笑うと軽く胸元を押さえ遊馬に悪戯っぽい目を向けた。
「印つけられちゃったし?」
遊馬は軽く目を瞠る。
「言うじゃないか。ご希望なら首筋の目立つとこにもつけようか?虫除けにはなるぜ」
「だめ。見えないところがいいんだよ。秘密って感じがして」
「秘密ねぇ、ま いいけどさ」
にっと笑った遊馬は野明の顎をクイッと持ち上げるとそのまま唇を重ねる。
優しく少し長めのキスを交わしてそっと唇を離す。
「俺の」
「私の」
2人で顔を見合わせてひとしきりクスクスと笑った。

「さて、そろそろ中入ろうぜ。コーヒー淹れてやるよ」
「もう飲んでいいの?」
「そんだけ元気なら大丈夫だろ、倒れたらまた面倒見てやる」
「頼りにしてるね」
野明を支えて立ち上がると部屋に続く掃き出し窓に向う。
夜はもうすっかり明けて空は朝の明るさに満たされていた。

to be continue...

=============
追記

ええと・・・遂に遊馬 手をだしちゃいました (〃_〃)ゞ
うまくかけない・・・読むのは大好きなんですが(←おいおい!)
頓挫して何度か投げ捨てそうになりましたよ。
書き出すとかなり公開に勇気が要りそうな方向に走りかけ、自分がビビって幾つか削ったネタもあり・・・(笑)
艶物は読むのは好きですが書くのは苦手!ということがはっきりしました(^^;
結果 えらい半端な表現になりましたが今ここが限界でしょうっ、自分! ヽ(+▽+)ノ・・・キュゥ
あと一泊二日で東京に帰れます・・・・
ああ 長い・・・4日とか言わなきゃ良かったぁぁぁ(←かなり後悔・・・・)
入浴剤一緒に使わないの?というご意見も多々あったので 一緒に入れてみましたが結果 野明のぼせて倒れました(笑)
長風呂ってちゃんと水分とっておかないと危ないですよね、というわけで今回はここまでで(^^;

お時間ありましたら一言なりとご意見ご感想などを戴けますと頑張ろうという、糧になります(笑)
単純なので読んでくれる方がいてくださると思うと気合が乗ります☆ 
長くて進まない駄文ですが何とか完結させたいと・・・努力してます~(笑)

では次回ものんびりマイペースに更新して行こうと思いますのでどうぞ宜しくお願いいたします。

コメント一覧

ツッジー 2009年07月27日(月)11時22分 編集・削除

待ってました(≧∇≦)第10弾(≧∇≦)
ワーイッ♪ヘ(^ω^ヘ)(ノ^ω^)ノワーイッ♪

とうとう結ばれましたね(≧∇≦)
フフフフフフフフフ(≧∀≦)

その後泡風呂で・・・と若干の期待をしてしまいました。
初日に2回はきついか(≧∇≦)(殴)

「俺の」
「私の」

に身悶えました(≧∀≦)

挿絵も素敵です(≧∇≦)

さくら 2009年07月27日(月)12時18分 編集・削除

>ツッジーさん

コメント 早っ!(笑)
いつもコメントを頂けて大感謝です(^^)
遂に手をだしちゃいましたよねぇ・・・
いつか戴いたアドバイス通り 詳細フェイドアウトで(笑)
あの提案に救われましたよ~、「そうか、その手があったか!」って(^m^)
泡風呂で2回目って・・・体力もたないと思います(^^;
「俺の」
「私の」
気に入っていただけました?!わ~い♪
今回はちゃんと絵もつけましたよ、褒めてもらえて嬉しいなぁ(o゜▽゜)oやった!!

先ほど何箇所かあった誤字脱字、改行エラーを数箇所修正しました(^^;
読み返さずにUPするとこういうことが起こるのね、きをつけま~す(笑)

こんきち 2009年07月27日(月)20時37分 編集・削除

中途半端なんてとんでもないですよー
逃げずによく頑張りましたね(>▼<)
今は私が逃げたいです、若旦那進まないよー
どうやって身請け話を怖くしようか?と頭ぐるぐるです。
ああ、早くこんな甘い話書きたいよー
いいなぁ野明は幸せの痛みで、私は缶詰の蓋で指切って痛いです。キーボード打ちにくいです(TT)

さくら 2009年07月27日(月)22時24分 編集・削除

>こんきちさん

缶詰の蓋って 大丈夫ですか?!Σ(ノ°▽°)ノハウッ!
それ、めちゃめちゃ痛いですよねっ!(←過去に何度も経験しました)
さくっと切れるし傷深いし・・・水滲みるし(T∇T)
お大事にです~

こんきちさま 私 頑張りましたよ~
逃げませんでしたぁぁぁ(←甘えるなぁぁ!!)
師匠 弟子にしてください、色気のある艶物かきたいです(笑)

ところで若旦那 難産に陥ってるんですか?!
身請け怖くするんでしたよね、うわ~ドッキドキだぁ。
私の中の伊集院って細身長髪優男系のものっすごい冷たいきつね目男なんですが こんきちさんのイメージってどんな感じでしょう?!(ってここで聞いていいのかな?)

非公開 2009年07月27日(月)22時38分 編集・削除

管理者にのみ公開されます。

さくら 2009年07月27日(月)23時02分 編集・削除

>非公開コメのお客さま(^^)

コメントありがとうございます♪
すっごく励みになりますヾ(>▽<)ゞ
返信先が分からなかったのでこちらから失礼しますね。
楽しんで頂けてとっても嬉しいです!
こんなサイトではございますが このお話、頑張って完結させますのでぜひぜひまたおいでください、おまちしております~♪

こんきち 2009年07月27日(月)23時06分 編集・削除

お気遣いありがとうございます、ものすごく嬉しです(>0<)
で・弟子ですか・・・こんな不肖な師匠ですよ~(^0^;)
あまりにも色ばっかりで「あなた男ですか!?」って言われないかと思ってる今日この頃ですよ。
若旦那・・・難産してますわ。助けてアン●ン●ンです(笑)
私の伊集院は、長髪以外は合ってます。
ヴィジュアルで言うと「映画版・名●偵コナン」に出てきた京都府警の「おじゃる警視」です。(分かんないですよね)

さくら 2009年07月27日(月)23時15分 編集・削除

>こんきちさん

「おじゃる警視」分かります(笑)
綾小路文麿でしたっけ?!
成る程、あんなイメージでしたか(^m^)
了解です♪これからは 「おじゃる警視」をイメージして読んでみよう(笑)

それはそうとこんきちさんを「男の人」だとは思わないですよ~ だって SSとか可愛いもの(笑)

こんきち 2009年07月28日(火)00時07分 編集・削除

そうです、綾小路文麿です(><)
あんな顔をイメージしておりますので、次からは頭の片隅に置いてみて下さい。
あらっ、可愛いなんて照れますです(>▼<)
最近艶物しか書いてないから・・・しかも男目線。
こんな人が書く物だから、うちの遊馬はおいしい思いしてばかりですわ。(^0^)

さくら 2009年07月28日(火)00時27分 編集・削除

>こんきちさん

了解です~♪あの顔念頭に置きますわ(笑)
こんきち師匠のように艶物もこなしてうちの遊馬にも少しはおいしい思いさせてあげたいと(^m^)
着いていきます、師匠の後を!
目指せ色気のある艶物。男目線!(笑)

ASAKI 2009年07月28日(火)23時10分 編集・削除

さくらさん、がんばりましたね~
頓挫しないで良かったですね。
私は、ややお疲れ気味です(T_T)
脳が働かないです。
全然、小説進まない。時間もないし。

さくら 2009年07月28日(火)23時25分 編集・削除

>姫♪

自分のできる範囲でがんばりました~
ありがとう~(゜ーÅ)
もう頓挫して逃げる寸前でしたけど(笑)

ブログを拝見してお疲れの原因の一つが伝わってきます。
お疲れ気味の時は少し休憩してリフレッシュできるといいんですけどね、主婦って結構時間に制約もあるしなかなか上手くいかないですよね。
気分転換できるいい方法があればいいんだけど。
小説は急がなくてもいつまででもお待ちしていますので無理をしないでのんびり続けてくださると嬉しいな、と思います(^^)
いろいろな要因があってのお疲れかと思いますが 少しでも早く元気になってくださいねっ!

tera 2009年07月29日(水)02時34分 編集・削除

「心配しなくていい。俺が教えてやる」,「待たないし、止めない」・・・この台詞にきゃぁーでした。ちなみに電車の中で携帯で見てました、やばかったです(^^;) やっとPCで見れたので、絵も確認できました!
あと1泊2日ですか!続き楽しみにしております。

さくら 2009年07月29日(水)23時31分 編集・削除

>teraさま

道中携帯で読んでいただけたとは(笑)
ありがとうございます~
きゃあきゃあして頂けて本望ですよ~!!

逃げずに頑張りましたぁぁぁ
あと一泊二日 どうしようかな~(^^;
♪ただいま考え中~♪

そおた。 2009年07月30日(木)04時44分 編集・削除

やっとコメント書きに来れたよ、さくらさん…。

私は職場での孤独な(笑)ランチタイムに携帯から拝見しました。
食事しながらにやけそうになる怪しい人物と化してました。一応勤務時間だろーが!

結ばれるべくして結ばれた二人なんだなーと。
遊馬が野明を大事に大事にしてきたのが伝わりますね。

さくらさんのお書(描)きになる遊馬はどちらも格好良くてでれ~ですよvvv
続き、夏休み中で大変でしょうがupお待ちしております。

さくら 2009年07月30日(木)21時21分 編集・削除

>そおた。さま

職場のランチタイムでこんなお話を・・・(〃_〃)ゞ
ブリリアントなランチタイムをアヤシイ時間にしちゃってすみません~(笑)
当家の遊馬は野明を猫かわいがりですよ。
伝わってくれてうれしいなぁ♪
うちの遊馬を気に入っていただけて嬉しいです~♡
続き頑張ってUPして行こうと思います♪
見捨てないでねっ(笑)