語る「万華鏡」

(「必殺仕事人」に書き足す)

必殺仕事人(ひっさつしごとにん)

項目名必殺仕事人
読みひっさつしごとにん
分類必殺シリーズ

作者
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  • 公的データ
  • 必殺シリーズ第15弾
    原点に戻るということで、スタートしたのがこの作品。
    中村主水が七度目の登場で、メンバーも一新された。

    登場人物
    中村主水(藤田まこと)
    畷左門(伊吹吾郎)
     浪人。妻・涼を手込めにしようとした家老を切り、その息子に追われ、妻子を連れ江戸に逃げた。鹿蔵の誘いで仕事人に。胴太貫を操り、快に斬り捨てる。
    錺の秀(三田村邦彦)
     腕のいい飾り職人で、天涯孤独のクールな仕事人
    鹿蔵(中村雁治郎)
     将棋会所の主人だが、裏稼業の必要性を感じ主水らを集め“仕事人”の元締となる闇世界の大物。
    半吉(山田隆夫)
     障子、行灯張替え屋で鹿蔵配下の情報係。
  • 1 主水の浮気は成功するか?
    2 主水おびえる!闇に光る目は誰か?
    3 仕事人危うし!あばくのは誰か?
    4 主水は三途の川を避けられるか?
    5 三十両で命が買えるか?
    6 主水は葵の紋を斬れるか?
    7 主水をあやつるバチの音は誰か?
    8 仕事人が可愛いい女を殺せるか?
    9 螢火は地獄への案内か?
    10 木曽節に引かれた愛のその果ては?
    11 極悪人ほどよく眠れるか?
    12 三味の音は七つの柩のとむらい唄か?
    13 矢で狙う標的は仕事人か?
    14 情は人のためにはならないか?
    15 その仕事の依頼引き受けるのか?
    16 綺麗な花には何故刺があるのか?
    17 鉄砲で人を的にした奴許せるか?
    18 武器なしであの花魁を殺れるのか?
    19 仕事人が女に惚れて何故悪い!?
    20 この世の地獄は何処にあるのか?
    21 子隠しで昔の恨みを晴らすのか?
    22 登城の大名篭は何故走るのか?
    23 渡る世間は鬼ばかりか?
    24 冥土へ道連れを送れるか?
    25 裏の裏のそのまた裏に何があるのか?
    26 半吉は女の愛で立ち直れるか?
    27 死を賭けての尾が踏めるのか?
    28 尼寺に鬼女は棲むのか?
    29 新技腰骨はずし
    30 酔技田楽突き
    31 弓技標的はずし
    32 隠技待伏せ斬り
    33 炎技半鐘撲り
    34 釣技透かし攻め
    35 飛技漫才踊り攻め
    36 合掌技地獄落し
    37 落し技替え玉斬り
    38 闇技船中殺
    39 櫛技斬!子守唄
    40 昇り技字凧落し業
    41 織技重ね返し
    42 隠し技暗闇とどめ刺し
    43 情技衣替え地獄落し
    44 艶技鬼面潰し
    45 裏技欺しの十手業
    46 怨技非情竹光刺し
    47 悔し技情念恋火攻め
    48 表技魔の鬼面割り
    49 偽技浮かれ囃子攻め
    50 嘘技無用試し斬り
    51 覗き技天地入れ替えつぶし
    52 潜り技隠し黄金止め
    53 惚れ技情炎半鐘割り
    54 呪い技怪談怨霊攻め
    55 離れ技孤立水火攻め
    56 外し技釣鐘からくり割り
    57 逆さ技大どんでん崩し
    58 暴れ技田楽垂直刺し
    59 彫り技喜悦観音一刀斬り
    60 狙い技仁義無用斬り
    61 脅し技闇手術千両潰し
    62 恨み技悲愁稲妻刺し
    63 誘い技死霊からくり岩石落し
    64 崩し技真偽友禅染め落し
    65 散り技花火炸裂乱れ斬り
    66 描き技絵筆逆手屏風突き
    67 詣り技暗闇丑満重ね斬り
    68 願い技奉納絵馬呪い割り
    69 盗り技乱調お神楽刺し
    70 慕い技神輿暴れ突き
    71 絞り技一揆助命脳天突き
    72 念じ技偽説法ざんげ斬り
    73 断絶技激走!一直線刺し
    74 引き技強盗押し込み斬り
    75 訴え技火だるま身替わり消し
    76 詰め技王手飛車駒落し
    77 盗み技背面逆転倒し
    78 疾風技浮世節無情斬り
    79 隠し技潜入喉輪攻め
    80 踊り技回り舞台振り落とし
    81 捜し技高利蟻地獄斬り
    82 激闘技地獄道暴れ斬り
    83 沈め技花嫁偽装返し突き
    84 散り技仕事人危機激進斬り
  • 一掛け二掛け三掛けて 仕掛けて殺して日が暮れて
    橋の欄干腰下ろし 遥か向こうを眺むれば この世はつらい事ばかり
    片手に線香 花を持ち おっさん おっさん何処行くの
    私は必殺仕事人中村主水と申します
    「それで今日は、何処のどいつを殺ってくれと仰るんで?」
  • 必殺最初の頂点が『新仕置人』だとすれば、第二の頂点が『仕事人鹿蔵編だとぼくは思っている。『新仕置人』を絢爛華な金閣寺に譬えれば、『仕事人鹿蔵編は渋い銀閣寺というところかな。なにせ、これまで主水と対等の人がいるシリーズはあっても、主水の上に位置する人がいるのは後にも先にもこのとき限りだからね。それだけでもすごい。上に立つ人を設定するのに人間国宝を担ぎ出さなければならないとは、主水も大したキャラクターだよね。
     仲間に女性がひとりもいなかったりとか、殺し技がえらく地味だったりとか、とても一般受けしそうにないシリーズだけど、物語のレベルは本当に高い。たった六話で中村雁治郎氏が降板してしまったのは返す返すも残念。あの山田五十鈴氏でさえ、雁治郎氏のは埋められなかったもんな。(貫井徳郎氏の日記より)
  • 仕事人鹿蔵編もあっという間に終わり。うん、やっぱりここが必殺の頂点という印象は変わらない。子供のときからなかなか的確な鑑賞眼を持っていたんだなぁと自分に感心したりして。
     六話のうち、悪人がいて被害者がいて、恨みを代わって晴らすという通常のパターンがたったの一回しかないんだからすごい。その一回にしたところで、が命を狙われたりとかツイストを効かせているしな。三話目の仕掛けに驚き、四話目の展開に息を呑み、いやーホントに堪能した。(貫井徳郎氏の日記より)
  • 仕事人』はおとわ編に突入。このおとわという元締め、山田五十鈴氏演じる他のキャラクターとはちょっと違っていて印象が強い。いつも酒飲んでるし、「この稼業、いやになりました」とか言っていなくなっちゃうのも前代未聞でしょ。他人に厳しい割には自分に甘くて、駄目さ加減では『仕事屋』のおせい以下では。そこが異彩を放っていて、けっこうお気に入りではあるんだけど。
     七話まで観てくると、レベルの高い初期『仕事人』の欠点も見えてくる。なまじストーリーの完成度が高いせいで、レギュラーがそこに埋没しちゃってるんだよね。恒例の新レギュラーの過去を描くエピソードもないし。もう少し左門の人間性に焦点を絞った話があれば、もっとふたりのキャラが立って後半だれなかったのに。そこだけが唯一残念。(貫井徳郎氏の日記より)
  • 長かった『仕事人』もいよいよ最終回。『仕置人』から『仕事人』のおとわ編まで、それと『新仕事人』から『激突!』までは観ているのだが、『仕事人』六蔵編はほとんど未見だったので、これでミッシングリンクが繋がった。ようやく主水サーガを、通して理解できるようになった。
     おとわ編までがあまりに出来がいいので、六蔵編はどうもテンションが下がったように言われる『仕事人』だけど、それなりに楽しめた。確かに前半に比べれば見劣りはするものの、それほどひどい出来というほどではない。むしろ、もう少しがんばれば傑作になったのにという、惜しい話もけっこうあった。
     最終回も、ビデオでこれだけを観たときにはどうもぬるい話だなぁと思ったものだが、八十四話も付き合ってくるとそれなりにキャラクターたちに愛着を感じているので、ちょっと寂しい気分になった。これっきり左門とお別れかと思うと、残念ではある。
     それと、今回確かめられて嬉しかったのがの変遷。『新仕事人』以降、とんがった部分がなくなってしまっただが、じゃあ『仕事人』ではそんなに荒々しいキャラクターだったのかといえば、別にそうでもなかった。ぼくが観る限り、さほど変貌したという印象もない。思うに、『仕事人』とそれ以降のが別人のように言われるのは、一話目の誤解が原因ではないのかな。いろいろなところで「年上の愛人を持ち」とか書かれるけど、これ、違うよね。ぼくも過去二回観たときにはそう思い込んでいたんだが、三度目に観てようやく自分の間違いに気づいた。あれは愛人ではなく、ただの依頼人でしょ。だからが断ると「弱虫!」という言葉を投げつけ、それに対しては「おれはもう足を洗ったんだ」とひとりごちるわけだ。決して一緒に逃げようと持ちかけているわけではない。ふたりが愛人関係にあるって描写は、注意して観てみると一度もないんだよね。
     結局女を抱く描写も、39話の「櫛技斬!子守歌」と「恐怖の大仕事」の二回だけなので、「新仕事人」以降いきなり下半身がないかのような人間になってしまったという評は当たらない。『まっしぐら!』を除けばそれなりに一貫性のあるキャラクターだったことが確認できたのは収穫だった。(貫井徳郎氏の日記より)
  • 感想文等
  • 文句なし、ダントツ。
    ・特に初期。
    左門が武士でいた間まで。そのあとにも佳作は確かにあるんだけど、テーマが途切れてしまったから。
    ・強いて絞り込めば鹿蔵元締めのいた初期話数のみを評価!
    ・後期は一部を除いてマンネリ。
  • 中村主水」。殺しを仕事と割り切りながら、老いていった男。
  • この仕事人第一作目で主水は完結すべきだった。
  • 作者
  • 作家・監督等
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