項目名 | 恐怖の大仕事 |
読み | きょうふのおおしごと |
分類 | 必殺シリーズ |
作者 | |
公的データ | (おっぺ) 必殺シリーズ初のスペシャル版。見どころは主水の助っ人をする仕事人や敵対する悪人に扮したゲスト陣。中でも注目は、後のシリーズでレギュラー入りする中条きよしや京マチ子。中条演じる悪人・市三は、投げ縄で首を絞められ鴨居に吊り上げられるという、彼が後に演じることになる人気キャラクター・三味線屋の勇次の必殺技を想起させる形で絶命するのが興味深い。 Jane.(sweeta-ka) |
感想文等 | せっかくのスペシャルでもやはり元締めは出てくることはなく、その代わり、一ヶ月後から新たに始まる新シリーズ「必殺仕舞人」の坂東京山が先触れのように登場していた。 他に、仕舞人を挟んでの仕事人第2シーズン「新必殺仕事人」で新登場することになる三味線屋勇次を演じた中条きよしがここでは悪人を演じており、勇次出現の前のこれまた先触れとなっていた。もっとも、中条きよしはこれより先に仕事人第61話「脅し技闇医術千両潰し」でも悪人役で登場しており、しかもこちらの方はほとんど勇次と同一のような色悪キャラだったので、この方が面白かった。 京マチ子演じる坂東京山は、「必殺仕舞人」での京山と微妙にキャラクターは異なっており、それが後から見返したときに違和感となってしまうのが残念。さほど印象にも残らない。 印象強いのは、寧ろゲスト仕事人の2人、フランキー堺演じる与市と、西郷輝彦演じる矢島仙十郎。 与一は、その飄々としたキャラクターと、仕事の際の凄みを感じさせる表情、そして決戦前に唐突に殺害される幕切れと揃い、やはり印象強かったらしく、次のスペシャル版「仕事人大集合」でも鹿蔵の養子・名倉堂与市の名で復活していた。 矢島仙十郎は、主水さえも一目置く「幻の仕事人」として登場し、しかし、体を壊し、次は自分が殺されるという恐怖感に取り憑かれ、酒に溺れているという設定で、主水たちにとって自分らの末路を見るような不安と焦りを感じさせる存在として、非常にインパクトあるキャラクターとなっていた。仙十郎の戦いぶり、その最後は際だったもので、この後西郷輝彦は幾度となくスペシャル版に登場、また「必殺まっしぐら!」でついにTVシリーズに香車東吉としてレギュラー仕事人となったが、ついにこの矢島仙十郎のキャラを超える役柄に巡り会うことはなかった。 ゲスト仕事人たちの印象の強い作品だが、主水・左門・秀の主人公仕事人たちも決して負けず劣らずの渋い物語を作り上げており、特別版の名に恥じない出来となっている。 スペシャル版も、続く「仕事人大集合」「必殺現代版」まではともかく、それ以降はTVシリーズに呼応してどんどんバラエティ化していった。渋く、地味にするとつまらなくなり、派手にしようとするとさらにつまらなくなる、この辺の空回りは見ていて哀しいものはあった。。。(おっぺ) Jane.(sweeta-ka) |