小室直樹文献目録 一般文献 1976008
[ 表題 ] 1 日本人の安全感覚は?
- [ 副 題 ] 無
- [ 著 者 ] サンケイ新聞「日本の安全」取材班
- [ 該当頁 ] 153、155、159頁
- [ 図 表 ] 無
- [ 注 記 ] 無
- [ 分 類 ] 図書・インタビュー形式
[ 書名 ] 『日本の安全 上』(サンケイ新聞「日本の安全」取材班)
- [ シ リーズ ] サンケイドラマブックス 69
- [ 出版者 ] サンケイ新聞出版局
- [ 総頁数 ] 206頁
- [ 発 行 ] 1976年05月31日初版第1刷 まで確認
- [ ISBN等 ] 書籍コード (分)0031-(製)076483-(出)2756
- [ 価 格 ] 800円
- [ 箱 ・帯 ] 箱無・帯不明
- [ 体 裁 ] 四六判(ソフトカバー) 18.0×12.8cm
- [ 注 記 ] 無
見出し
- 根底に「公共心」の欠如
- 「日本人にはパブリック──公共という概念は育っていない」というのは政治学者の小室直樹さんだ。」(153頁)
- 「西欧ではもともとパブリックと国家とは切っても切れないものなのだ。国というのはパブリックの上に立った市民がつくるもので、よく"市民権を得る"というが、それは"パブリックという意識によってつくられた国の構成員になりたい"ということだ」と小室さんは説明する。"みんなの公園、都市、税金"という意識があれば、"みんなの国家"にも発展するわけである。」(155頁)
- 「現実を見失えば科学的な分祈などできるわけはない。従って次に起こる事態の予測もできないことになる。この点は、国民だけでなく、政府も同じ。対策が後手後手になるのもそのためだ」というのは、政治学者の小室直樹さん。小室さんはその例として、ノモンハン事件をあげる。/ 昭和14年夏、ソ満国境で起きた軍事衝突で、日本軍は満州にいた戦車、航空兵力の総力をあげて戦った。しかし死傷2万の大損害を出し、壊滅的打撃を受けて敗れた。当時の日本陸軍の装備や戦法では、機甲部隊に太刀打ちできないととが証明されたのである。にもかかわらず、軍部は"無敵陸軍"のムードから抜けきれず、実力不相応の太平洋戦争へと突入していった。/ 小室さんは「日本人のこの分析能力の欠如は、昔も今も少しも変わっていない。アメリカの大豆輸出制限や石油ショックを予測できなかったし、この教訓を真剣に生かそうともしていない。これこそ日本の安全に危険をもたらす最大の要因だ」と警告するのである。/ 和を重視するあまり、自己規制に陥ったり、ムードに流され、冷静な分析ができなくなる性向……それは一歩誤ればファナチシズム(狂信)に陥り、無謀な戦争に突っ走るおそれもあるし、逆の方向に動けば、危険が身に迫るまで、何も対応策をとらないという無関心さともなる。/ 公共観念の欠如とともに、こうした日本人の"特性"が安全感覚のなさにつながるのではないだろうか。」(159頁)
所蔵館
情報元
- 管理人(2025-01-01 新掲示板ログ[1532]参照)
他文献
備考
- 「なお、本書は、昭和五十年十月から五十一年三月にかけて、サンケイ新聞紙上に連載した同名のシリーズを加筆したものだが、便宜上、「現代の脅威」、「国民の意識」を「上巻」に、「防衛の実態」、「政策と報告」を「下巻」にまとめた。(5頁)
内容
更新日