項目名 | スパイ大作戦 |
読み | すぱいだいさくせん |
分類 | ミステリドラマ |
作者 | |
公的データ | TVシリーズを代表する名テーマ曲とオープニング、個性的な俳優達の競演と、エミー賞受賞の優れた脚本からなる、傑作シリーズである。 シナモン役のバーバラ・ベイン(ローラン役のマーチン・ランドーと夫婦)は、67年から3年連続でエミー賞の主演女優賞を受賞、フィルプス役のピーター・グレイブスは71年のゴールデン・グローブ賞でTVドラマ部門主演男優賞を受賞。89年にはTVシリーズ『新スパイ大作戦』が制作され、ピーター・グレイブスがリーダーのフェルプス役を務め、こちらもヒット。 その後、96年、2000年にトム・クルーズ主演で映画化され、今も根強いファンを持つ傑作テレビ・シリーズ。 出演者一覧: ■第1シーズン(1966年) ダン・ブリッグス(スティーブン・ヒル) バーニー・コリアー(グレッグ・モリス) ウィリー・アーミテージ(ピーター・ルーパス) ローラン・ハンド(マーチン・ランドー) シナモン・カーター(バーバラ・ベイン) ■第2シーズン(1967年) ジム・フェルプス(ピーター・グレイブス) バーニー、ウィリー、ローラン、シナモン ■第3シーズン(1968年) ジム・フェルプス、バーニー、ウィリー、ローラン、シナモン ■第4シーズン(1969年) ジム・フェルプス、バーニー、ウィリー パリス(レナード・ニモイ) トレーシー(リー・メリウェザー) ■第5シーズン(1970年) ジム・フェルプス、バーニー、ウィリー、パリス ダナ・ランバート(レスリー・アン・ウォーレン) ダグ・ロバート(サム・エリオット) ■第6シーズン(1971年) ジム・フェルプス、バーニー、ウィリー リサ・ケーシー(リンダ・デイ・ジョージ) ■第7シーズン(1972年) ジム・フェルプス、バーニー、ウィリー、ケーシー ミミ・デーヴィス(バーバラ・アンダーソン) 物語は、IMF(IMPOSSIBLE MISSION FORCE)のリーダーが極秘作戦指令を受けるところから始まる。作戦の対象となるのは、国家機関が直接手を下すことの難しい人物や陰謀などである。IMFのリーダー、ジム・フェルプス(第1シーズンのみダン・ブリッグス)は、ターゲットを分析して作戦を計画、最適なチームを結成、実行不可能と思われる指令を遂行する。 チームのメンバーとなるのは電子工学のエキスパートのバーニー、重量上げチャンピオンのウィリー、美女シナモン、変装の名人ローランたち。彼らは得意分野を活かし、どんなに不利な状況でも、頭脳とチームワークで計画を完遂するのだ。 …例によって、君もしくはメンバーが捕らえられ、 あるいは殺されても当局はいっさい関知しないから そのつもりで。 「新スパイ大作戦」 20年以上の時を経てIMFが復活! スパイものの最高峰、「スパイ大作戦」続編!! 不可能を可能にする捜査機関IMF(IMPOSSIBLE MISSION FORCE)は、暗躍する国際犯罪を追跡し、陰謀を破滅に導く極秘の組織である。毎回の任務は、小型のレーザーディスクによって指示される。メッセージを受け取り作戦を練るのはリーダーのジム・フェルプス(ピーター・グレイブス)。そして彼とともに任務の遂行にあたるのが、それぞれの分野のエキスパート達である。変装と語学の才能をフルに活用するニコラス(テオ・ペングリス)、ハイテク機器を駆使し情報収集やトリック作戦を補佐する電子工学の天才グラント(フィル・モリス)、肉体派のマックス(トニー・ハミルトン)は銃器と格闘技のオーソリティ。果たして彼らが命を賭けて挑む今回の任務とは? 1966年に全米で爆発的な人気を集めたスパイ・ドラマシリーズが復活。オリジナルから引き続きリーダーのジム・フェルプスを演じるのはお馴染みのピーター・グレイブス。またグラント役のフィル・モリスは旧メンバーのバーニー役グレッグ・モリスの実の息子である。そのグレッグ・モリスはオリジナルのままのバーニー役で第5話「死刑囚バーニー」第20話「黄金の蛇」でゲスト出演、フィルと親子共演を果たした。毎回作戦を伝えるのが、オリジナルシリーズでのテープレコーダーから小型レーザーディスクに変化しているという設定が、いかにも80年代というテイストをかもし出している。 ■ ジム・フェルプス(ピーター・グレイヴス) ニコラス・ブラック(ターオ・ペングリス) マックス・ハート(トニー・ハミルトン) グラント・コリア(フィル・モリス) ケーシー・ランドール(テリー・マークウェル) シャノン・リード(ジェーン・バドラー) 2売国奴を粛正せよ 3セシューム138 4武器弾薬を渡すな 5偽造フィルムを暴露せよ 6第四帝国を阻止せよ 7誘拐に挑戦しろ 8大量殺戮者 9ヒトラーの遺産を奪取せよ 10戦慄のスパイ養成所 11列車偽装作戦 12極秘情報を奪回せよ 13甘きマイクロ回路 14選挙戦にアタック! 15二重替え玉作戦 16録音ワイヤーは何処だ 17ダイヤモンド作戦 18シンジケートをばらせ 19越境作戦 20裏の裏 21テレビ中継車 22幽霊を呼べ!! 23冷戦のダイナマイト 24生贄 25暗殺者“レディキラー” 26第三の壁 27刑務所突破作戦(前編) 28刑務所突破作戦(後編) 29地下よりの脱出 30トリック 31脱出口 32対奴隷作戦(前編) 33対奴隷作戦(後編) 34暗殺計画に便乗しろ 35未亡人は二度生まれる 36偽造紙幣マシン 37ヒスイの印璽 38両面陽動作戦 39黒の壊滅命令(前編) 40黒の壊滅命令(後編) 41イメージをダブらせろ 42第二の防衛配置図 43王手! 44焼土作戦 45ストレートフラッシュ 46殺人者の罠 47毒には毒をもて! 48第三の町 49スリラー作戦 50不死鳥を葬れ 51鉄条網とリンチ 52恐怖のリモートコントロール 53奴を証人席へ! 54スパイ交換作戦 55酸素テントの中 56二重スパイをでっちあげろ! 57ニトログリセリン 58一千万ドル強奪事件 59幻の契約書 60欺瞞作戦 61密室の金塊 62プルトニウム240 63処刑作戦 64ウィークポイントをつけ! 65地下百メートルの円盤(PART 1) 66地下百メートルの円盤(PART 2) 67ガラスの監房 68金庫へ追い込め! 69雲上のマイクロフィルム 70奇跡のカムバック(PART 1) 71奇跡のカムバック(PART 2) 72甦ったプリンセス 73訊問 74巨頭会談 75幻の殺人 76女スパイが燃える時 77独裁宣言 78生体実験 79第三次世界大戦 80麻薬B-230PART1 81麻薬B-230PART2 82自爆 83黒いファイル 84暗号解読 85移植手術を演出しろ 86盗まれた化学式 87時限原子爆弾 88ロボット 89海の底で口を割れ! 90札束廃棄作戦 91死人に口あり 92小型謀略工作員 93暗殺路線 94血の粛清 95ニトロで脱獄 96王家の血Part1 97王家の血Part2 98王家の血Part3 99空中のゲリラ 100暗殺者には面(つら)がない 101暗号名“K”をあばけ 102ヤング・パワー 103山師が公国を狙っている 104死の監房 105殺し屋 106暗殺スパイ「山猫」 107大量殺戮兵器(デホミナント) 108罠 109殺しのセンター 110狂気のルート 111スパイ狩り 112素人スパイ 113生きた研究ノート 114死体は一切関知しない 115知り過ぎた娘 116死の商人 117銃殺 118黒い犯罪組織 119敵の作戦に乗れ 120革命の黒幕 121市長室乗っ取り 122地雷原突破! 123消えた汚染死体 124偽装パーティー 125暗号名“キタラ” 126“怪物”粉砕作戦 127血塗られた故郷 128時間差で口を割れ 129海底に消えたダイヤ 130殺し屋を消せ! 131死のロープウェイ 132一千万ドルの拷問 133隔離室で何が起こったか? 134シンジケートから来た男 135トリック脱獄計画 136殺し屋製造工場 137奇跡の心臓移植 138自白テープ 139400万ドルの差し足 140巨大シンジケートをたたきつぶせ! 141陸軍給与を奪回せよ! 142皆殺し波止場 143殺しのジェット空輸 144闇の中の追跡 145脱出請負業 146第三次世界大戦勃発 147市街大追跡 148極秘指令地獄からの救出 149国境を突破せよ! 150対決!ハスラーの決戦 151細菌兵器TOD−5 152王冠すりかえ大逆転 153暗殺目標変更! 154架空殺人事件 155毒ガス!全市滅亡の危機 156500万ドル麻薬合成計画 157戦慄“殺しの横顔” 158将軍の仮面をはがせ 159水爆仕掛人 160カラクリを叩きつぶせ 161殺人請負人 162恐怖!人工大地震 163怪奇!不老長寿の水 164ブードゥー教の怪 165時代逆行30年 166指令なき作戦計画 167暗殺計画ナイトフォール 168空中大爆発 169暴力協同組合 170死を呼ぶカード 171暗号名はC6 1 ザ・キラー 2 バハマ・トラップ 3 ヒトラーの遺産 4 ホログラム〜幻影〜 5 死刑囚バーニー 6 壁−最後の脱出− 7 アボリジニの呪い 8 アサイラム−亡命− 9 サイコ・トラップ 10 王家の謎 11 ドラッグ・シンジケート 12 女帝エメリア 13 ワシントン・スキャンダル 14 悪魔の儀式 15 バイオ・ウォーズ 16 灼熱のマッド エージェント 17 殺人鬼ジム・フェルプス 18 海底3000フィートの告白 19 呪われた美女売買 20 ザ・暗殺者〜血塗られた映画祭 21 運命の十字架 22 核弾頭爆発3秒前 23 隣国侵攻!狙われた油田 24 奪われたスペースシャトル 25 ゴースト・霊界からの警告 26 ネオナチの恐怖 27 地下室のコレクション 28 ブラック・シーズ 29 熱き欲望の金脈 30 暗殺者ニコラス 31 ガンファイター 32 麻薬戦争の果てに 33 BC4000年の呪い 34 黄金の蛇(前編) 35 黄金の蛇(後編) |
感想文等 | スパイである主人公達のチームが「実行不可能な指令を受け」「頭脳と体力の限りを尽くして遂行する」仕掛け・トリック・罠は、内面描写も独白もなく、ただ画面で進行して行くのを観ているしかないので、どんな仕掛けなのか、どういうプランなのか、最後まで解らない、解りにくい。 むしろ、どういうトリックだったのかが最後に解るプロットはまさしく本格ミステリの造りなわけで、決してこのドラマが「アクションドラマ」ではないことを明らかにしているはずだ。 画面もなるほど地味な描写が多く、バーニーやウィリーがセリフもなく独りで黙々と何分間も何かしていたり、これをじっくり観てくれる視聴者が今はいるんだろうかという感じだ。本格だ(笑)。たいてい中盤で挿入される「ピンチ場面」がパターンすぎて時間潰しにしかならないマイナスもある。 しかし、そういった地味面マイナス面を是正して造られた『新スパイ大作戦』が、『新刑事コロンボ』同様にやはり今一つ精彩を欠くのは不思議なところだ。 やはり、それぞれの物語にはそれぞれのスタイルがあり、もし別のスタイルのものを造ろうとするなら別の物語を造るべきだ、ということなのかもしれない。 『スパイ大作戦』もダン・ブリッグスが率いていた第1シーズンの頃を観ると、ローランとシナモンのラブ・アフェアめいた駆け引きが作戦とは無関係に描写されていたりして、のちのシーズンしか観ていなかった身には驚きだった。逆に言えば、こうした「普通のドラマ」部分を余分なこととして削ぎ落とし、完成していったのが『スパイ大作戦』という本格番組だったのだろう。 エピソードで特に印象に残るのは、優るとも劣らない腕利きのスパイとの頭脳戦「欺瞞作戦」、ピンチ場面がパターンでなくローランが得意の変装術を逆手にとられてという稀有なシーンの観られる「地下百メートルの円盤」辺りか。(おっぺ) |