項目名 | 古畑任三郎 vs SMAP |
読み | ふるはたにんざぶろうばーさすすまっぷ |
分類 | ミステリドラマ |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | この、世界でも珍しいミステリ――実在の著名人をそのまま実名で犯人として出演させる――を観て、「これが有名なSMAPか」と思ったレベルだったのだ。 もちろん、SMAPのメンバーのうち、木村拓哉については、すでに「赤か青か」で犯人として(尤も、キムタクとしてではなく、別の役柄を与えられて)出演していたので、知らないわけではなかった。他のメンバーについて、名前も顔も、その個性も全く知らない状態だったのだ。 こういう特別編は、その特別である所以を楽しめなければ、面白さは半減してしまう。 たとえば、『刑事コロンボ』の「仮面の男」なら、犯人役のゲストスター、パトリック・マクグーハンがスパイの役柄で出演しているのだが、マクグーハンが自分の主演番組「秘密諜報員ジョン・ドレイク」「プリズナーNo.6」ではスパイ・ヒーローを演じているのを先に観ていれば、2大主人公の対決イベントとして、「仮面の男」をより面白く観ることができたわけだ。 同じ『コロンボ』の「白鳥の歌」では、実際の大物スター歌手ジョニー・キャッシュが名前こそ変えてあれ、同じくスター歌手として犯人役で登場している。「忘れられたスター」での犯人役は名女優ジャネット・リーで、彼女は役の上でも〈往年の名女優〉で、ことあるごとに(というより日常の基本的行動のひとつとして)自分のデビュー映画に見入っている。その映画は、実際のこの犯人役のゲストスターのヒット作だったりする。この辺りを知っていると、ますます楽しく観られたに違いない。 この「古畑任三郎 vs SMAP」は、これらの先行ネタと比べても、ネタとしてのストレートさで徹底しているわけだ。他に犯人役が自身の実名でそのまま犯人となったものなど、『少年探偵団』最終回で怪人二十面相の正体が「俳優団次郎」として団次郎本人だった例くらいしか、私は知らない。(この『少年探偵団』ではずっと団次郎が二十面相を演じていたのだが、最終回では団次郎のままで俳優団次郎として登場し、そして実は二十面相の正体はその俳優団次郎だったという、書いていてもだんだんワケが分からなくなってくるものだったのだ(笑)。) 初めて観た時から何年も経ち、その間にキムタク以外のメンバーにも多少なりの馴染みが出来た。『僕の生きる道』や『模倣犯』『新選組!』『NIN×NIN 忍者ハットリくん THE MOVIE』『催眠』と、キムタク以外のメンバーが主演したドラマや映画をいろいろと観られたのが大きい。 これで、初見の時よりかなり楽しめる要素も増えたはずだ。 「古畑任三郎」と「SMAP」、双方をネタにパロディとして(ただし、オチャラケではなく)創ってあるのだから、ネタを知っていた方が、より面白い。 いや、知らない最初でも、面白かったんだけどね。(おっぺ) |