項目名 | 夢館 |
読み | ゆめやかた |
分類 | 恋愛小説 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | ・佐々木丸美さんの性のシーンは官能的。 ・官能的でした。 スタイル上では孤児シリーズだが、そしてシリーズ上では館シリーズだが、ここでもまた佐々木丸美は平気で型破りなことをやっている。 1つは、館シリーズとしての前作「水に描かれた館」からの時代設定を大きく先へ進めて、シリーズのヒロインだった涼子を交代させて、「崖の館」「水に描かれた館」で影の大黒柱としての存在だった千波を、しかも「水に描かれた館」のファンタジー・ロマンをエスカレートさせた形で生まれ変わらせ、ヒロインとして登場させているという点。 そしてもう1つは、その千波のキャラクターが、「崖の館」「水に描かれた館」で顕されていた彼女とは全く違う形で登場してきているという点。これらは普通のシリーズものではおよそ考えられない型だ。(しかも、こののち「伝説」シリーズでは再び時間が戻って、ストレートな「水に描かれた館」の時間軸に戻ってくる) のちの「風花の里」「影の姉妹」らも含めて考えれば、まさしく大河SFめいた壮大さすら窺える。しかし――そしてなおかつ、あくまで底にあるのはひたむきな恋、いたいけな愛、人類がどう世界がどうというテーマではなく、最後の最後まで、ヒロインの抱いた「恋愛」ただ1つに収束されるのだ。(おっぺ) |