項目名 | 権力の墓穴 |
読み | けんりょくのぼけつ |
分類 | ミステリドラマ |
作者 | |
公的データ | 脚本:ピーター・S・フィッシャー 監督:ベン・ギャザラ(俳優「バッファロー‘66」) ゲスト:リチャード・カイリー |
感想文等 | その点でいえば、コロンボシリーズでも最初の「殺人処方箋」、これも共犯者もので、そして私のがっかりするタイプのラストだったのだけど、ただ。。。映像本編というより、ノベライゼーションの方で、コロンボがこの共犯者たる犯人の愛人に対して、あんたはこの私にずっとつきまとわれる、犯人の助けなんかは当てにならないぞ、あんたは―― 「1人で戦うんだ」 と言う、この「1人で戦うんだ」と脅しているのか励ましているのかよくわからないようなセリフがなんだか不思議に気に入ったので、おかげで「殺人処方箋」は消去されることなくDVDのコロンボシリーズの中に録画されたまま生き延びています。まあ、記念すべきコロンボ第1作という意味もあって残っているんですが(笑)。 さて、前置きだけが長くなりましたが、この「権力の墓穴」も共犯者ものです。が、むしろ交換殺人というか操り型のイメージも強いので、あまりがっかりする印象はありませんでした。また、この事件でのいちばんの特徴は、これは倒叙ものなので平気で言ってしまいますが、犯人がコロンボの上役である部長刑事その人だという点で、コロンボは何しろこの上司の指示に則って、この上司本人の犯した殺人の捜査をすることになるわけです。これはなかなかどうするどうなるミンキーモモという面白さがありました。 そしてコロンボシリーズの眼目となる犯人の特定、露見についてですが、ここでまた1つ自分の好みを言ってしまうと、私は頭のいい犯人がそれでもついミスをしてしまっていて、それがもとで露見する、というタイプの倒叙ものが好きなので、捜査側が犯人に罠を仕掛けて――というタイプだとがっかりしてしまうのです。コロンボで言えば「パイルD3の壁」が一番がっかりもので、世評の人気の高い「ロンドンの傘」なんかも私には楽しめなくなってしまうものでした。 この「権力の墓穴」もコロンボが罠をかけているんですが、この罠が何とも人を食ったやり方で、そしてラストのいよいよというところでの上司との会話がワクワクさせるものになっているので(これは「野望の果て」の同じくラストシーンでも同様にワクワクできました)、罠ラストであるにもかかわらず実は好きな作品として大事に録画保存してあります。 まあ、なんです、好き嫌いは結論ではない、と(笑)。嫌いだ嫌いだと思っていても、ちょっとしたことで好きなケースも出てくるということで、食べ物はもとより人間関係でも、嫌いと決めつけずに接し続けていれば、突然転換することもありうるのかもしれないと、突然宗教的訓辞をして、この項は終わるものであります←莫迦(笑)。(おっぺ) |