語る「万華鏡」
(「さよならの代わりに」の一部削除)
さよならの代わりに
(
さよならのかわりに
)
項目名
さよならの代わりに
読み
さよならのかわりに
分類
SF小説
作者
貫井徳郎
(おっぺ)
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公的データ
劇団“うさぎの眼”の看板女優が、上演中に控え室で殺害された。事件と前後して現れた、
真犯人
の存在をほのめかす謎の美少女。駆け出しの僕は、彼女と共に事件の真相を追い始める。彼女に振り回され、時折見せる曖昧な言動に戸惑いながらも、僕は、その不思議な魅力に次第に惹きつけられていく。しかし、彼女は、誰にも言えない
秘密
を隠していた―。
(おっぺ)
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感想文等
貫井徳郎
は「
本格ミステリ
」の書き手なので、一体この作品もミステリなのか、それとも本当に時間SFなのか、最後まで決定することできずに読み進んだ。ミステリならば巧妙な
叙述トリック
だろうし、SFならば結構の整った時間物だろう、とにかく
貫井徳郎
作品なのだからという安心感はある。
このところ「時間」に関わりのある作品を続けて読んでいるように思う。
乾くるみ
「
イニシエーション・ラブ
」、蘇部健一「
届かぬ想い
」といったところ。前者は叙述ミステリだし、後者はタイム物だ。そして、前者は巧妙で、そして「うわー」という痛みもある小説であり、後者はタイトルやイラストやから予想・期待されたのとは正反対な「おい……」という不愉快さのある物件だった。
そしてこの「
さよならの代わりに
」は、ところどころ
叙述トリック
の匂いをさせながら最後まで正統派の時間SFから逸脱することのなかった端正な小説だった。
「
神のふたつの貌
」「
殺人症候群
」のようなずしりとくる代表作にはならないだろう。また、「
慟哭
」のような、いつまでも忘れられない印象はないかもしれない。けれども、きちんとした
貫井徳郎
の小説として、やはりちゃんと出来上がっていたよねと思う。「法則」については、やはり
貫井徳郎
らしいかっちりした構成だった。
プロ
ロー
グとエピ
ロー
グについては、若干、違う造りの可能性もないではなかっただろうけれど。。。
(おっぺ)
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