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OTOMO KATSUHIRO Illustrations

大友克洋のイラスト、カット(雑誌)

ポパイ 1978年8月25日 第37号

popeye 1978/8/25 No.37

第2特集「All American Comics - コミックスは総天然色のアメリカン・スピリットだ!」内の「日本人劇画家がスーパーヒーローに挑戦!!」というコーナーで、池上遼一、榊まさる、バロン吉元と共に大友克洋もイラストを1点寄せています。画は立ちポーズのBlack Panther。ペンとトーンで描かれています。編集部からのコメントとして「まだ単行本を出していないし、世間的にもあまりしられていないけれども、週刊や別冊の「漫画アクション」では実にいい仕事をしている。」、「大友克洋という人は、黒人を描かせたら日本一の画家だ」とあります。単行本発行以前にイラストを発注したポパイ編集部には先見の明がありました。
 古書店の扱う雑誌のなかでも定番の一つ。古いのでそう多くはないですが、難なく見つかるでしょう。

このイラストを発注したのは、日本でのアメコミ紹介の牽引役の一人、アスカ蘭氏だったようです。このアスカ蘭という人、小野耕世さんと違って現在に至るまであまり表に出てこないのですが、裏側での活躍ぶりは相当なものだったようです。そしてこの方、所属は芳文社だったそうなのですが、他の出版社の編集部に平気で入り浸っていたのだそう。その入り浸っていた先の一つが、少年画報社でした(2012年6月、元少年画報社・橋本一郎氏による)。双葉社との専属が切れることを察知して、最初に双葉社外での仕事を依頼したのが少年画報社であり、その時期は1978年5月。そしてこのイラストは1978年8月中旬発売号。恐らく、少年画報社の編集部経由で大友克洋との接点を持ったアスカ蘭氏が、このイラストを発注したのだと思われます。そしてアスカ蘭氏は『スターログ』でもその腕を振るっていました。同誌で大友克洋が幾たびもフィーチャーされたのも、アスカ蘭氏が媒介していたのかもしれません。また、特集内にはLEO(黒丸尚)氏の名前も見えることから、大友克洋とアスカ蘭、黒丸尚は同時期に出会い、そこから海外コミックとの関わりが始まったのでしょう。
 またこの『ポパイ』では、福島鉄次『沙漠の魔王』のカラー特集も組まれています(担当LEO)。『AKIRA CLUB』において、『AKIRA』の見返し部分はこの『沙漠の魔王』の色彩が影響していると明かされましたが、作品が連載されたのは大友克洋の生まれる前から2歳頃のこと(昭和24〜31年)。もしかすると、この特集で出会ったのかもしれません。(2012.8.26追記)

SF 宝石 1979年12月 第3号

SF Houseki No.3

前号で「FLOWER (「彼女の想いで‥」収録)」を掲載していますが、この号では挿し絵を担当。アイザック・アシモフの短編「壁画」のためのイラストが一点収録されています。陰影をはっきりつけた、同時期のマンガとは少々印象の異なるものです。
 SF 文芸誌の中では割と現存数が少ないと思われ、現在入手は簡単ではありません。


漫金超 1981年春 第3号

Mankincho No.3

巻末の「GIRLISH MIND」〜「編集後記」の計6ページの欄外に、掲載作品の著者紹介があり、その各人のイラストは本人以外が描いています。その中で、新田たつお氏の似顔絵を大友克洋が描いています (p207)。ただし、12ミリ四方のごくごく小さいものです。
 漫金超は保存されていることが多く、入手は簡単です。特に1〜3号は多いでしょう。

2012年6月24日に行われた「日本マンガ学会第12回大会」の打ち上げに於いて、『漫金超』編集人だった村上知彦氏にお話を伺う機会がありました。『漫金超 第1号』の「サン・バーグズヒルの想い出」に関するお話をお聞きした後、このイラストの件を尋ねると、こんなにちっちゃなイラストではあるものの、誰に誰の似顔絵を頼むのがいいか、熟考の末に決めたのだそうです(上では触れていませんが、各作家がそれぞれ別の作家の似顔絵を描いています)。その甲斐あって(?)、このイラストは『ジャストコミック』の新田たつおのコーナーでも再使用されました。(2012.8.26追記)

Mystery & Adventure ルパン 1981年秋季 第4号

Mystery & Adventure Rupin 1981 No.4

1980年に創刊されたミステリー総合誌「ルパン」(第1〜3号までは「瑠伯」と表記)の第4号。その中に矢作俊彦の(当時の)人気シリーズで、ラジオ・ドラマも放送されていた「マンハッタン・オプ」の新作「IN-HIGH」が掲載されています。このシリーズの挿し絵は谷口ジローが手掛けていたのですが、この話だけ大友克洋が担当。扉絵を含めて2点が掲載されています。扉のイラストは見ればすぐに大友克洋とわかる、「気分はもう戦争」の初期に近いような絵ですが、2点目が意外な感じ。ラフというか、その割にはカケアミに時間をかけていますが、類例を思いつかないタッチです。
 文芸誌だけに現存数はそれほど少なくないと思われますが、メジャー誌ではなかったようなので現在は入手困難かもしれません。

スコラ 1982年4月22日 創刊号

Scholar No.1

スコラ創刊号です。巻頭、巻末に「Scholar Scramble」というコーナーがあり、この号では「ぼくのケンカ道」という論題で、コメント、イラスト等を各界著名人が寄せています。その中に、大友克洋のイラスト/コメントがあります。イラストは、武器と防具で身を固めた人物(自分?)で、コメントは「ケンカはケンコーに良くないので私はあまりしません」。‥‥するときは、イラストのような出で立ちで、ということでしょうか(笑)。あと、近況報告として、平井和正さんの文庫本30冊の装丁を引き受けちゃって大忙し、とあります。これは「幻魔大戦」の文庫本のことですが、結局全部はやらなかったんですよね。
 ちなみにこの雑誌、創刊号ということもあって、とんでもないプレミアがついていたりします (1万円とか)。大友克洋のイラストの為だけだったら、やめといた方がいいんじゃないかな‥‥なんて。

月刊スーパーアクション 1983年6月 創刊号

Super Action 1983/06

週刊漫画アクションの増刊号で SF 作品を中心に掲載していた「スーパーフィクション」が独立して月刊スーパーアクションとなった創刊号。「創刊 特別カラー・ピンナップ」として、ほぼ同時発売だった「キャラクターオブ幻魔大戦」から、カヴァーを飾ったベガの横顔の描き下ろしイラストと、ベガの宇宙船のイラストを B4 よりも少し大きいサイズのピンナップで収録しています。また、「スーパーアクション」創刊と「キャラクターオブ幻魔大戦」発売記念ということで、ベガの横顔イラストのポスターを100名にプレゼント。
 また、巻中の「I LOVE スーパー漫」と題する、創刊に寄せられた有名漫画家のコメント・コーナーに大友克洋のコメントもあります。「そのうちマンガで登場しますよ」の言葉は実現しませんでした。

月刊スーパーアクション 1983年8月 第3号

Super Action 1983/08

月刊スーパーアクション第3号。遂に発売が見えてきた(笑)「童夢」単行本の、発刊お出迎え企画「3D(立体)カラー・ポスター」付き。「3D(立体)カラー」とは当時流行っていた、赤と青をずらして印刷して、赤と青のセロファンを入れた「立体メガネ」で見ると飛び出して見えるという、原始的な疑似立体印刷のこと。4回の連載から抜き出した多数のコマが並べてあって、そのうちの2つだけがその立体カラーになっています。また、裏面は「童夢」単行本のカヴァー・イラスト。ただ、ここにはカヴァー・イラストであることは示されていません。しかし、既に書店販促用のポスターがこのイラストになることは決まっていて、そのポスターおよびTシャツがプレゼントされています (総数500名)。
 また、巻末にはその「童夢」単行本の発売に関する情報を伝える小さな囲み記事「童夢通信」の第2回があります。ここでは定価と版形、それに発売予定日(7月18日)が伝えられています。ちなみに「童夢通信」は月刊スーパーアクション第2号から始まっていて、少なくとも第4回(第5号掲載)までは続きました。以降は未確認。

バラエティ 1983年9月号

Variety 1983/09

「饅頭こわい」が終了して約半年が経ったバラエティ。巻中小特集「ゴジラの復活」の中で「A SPACE GODGZILLA [PART. 1 さらば地球] (月刊スターログ 2月号)」および「同 [PART. 2 星へ還る] (月刊スターログ 4月号)」から大友克洋によるゴジラ・イラスト2点が再録されています。‥‥が、それだけですし、イラストサイズも小さめなので、スターログを探した方が早いでしょう(笑)。


アニメージュ 1986年2月号

Animage 1986/02

アニメージュ1986年2月号の巻中、『天空の城ラピュタ』の特報完成を報じるカラー3ページの記事があり、夏の公開へ向けて作業が本格化した制作現場の様子を、宮崎駿監督を初めとするスタッフのコメントを交えながら紹介しています。そしてその3ページ目の上半分に、大友克洋の描くラピュタのイラストと、Cパートまで(全体の4分の3)の絵コンテを読んだ感想が掲載されています。イラストは、当時描いていた自画像イラストをもっと丁寧にして、雲の中に僅かに見えるラピュタを書き込んだようなもの。モノクロの線画に、空の色だけ指定で着色されています。コメントでは、ロボットのパートに期待していること、宮崎アニメの好きなところ等が語られています。


SATURN FAN 1996 No.22

Saturn Fan No.22
Tech Saturn 1997/9

「TECH SATURN 1997/9」(ASCII)

SEGA のコンシューマー・マシン、SATURN の専門誌。この号では独占記事として、大友克洋が世界設定を行ったゲーム、「FAKE DOWN (フェイクダウン)」(システムサコム) の特集を組んでいます。4p の記事のうち2ページは開発途中の画面と、ゲーム内容、キャラクターの紹介。残りの2ページには大友へのインタビューと、このゲームのために描かれた世界の設定画(カラー・イラスト)5点が掲載されています。イラストは、割と荒いタッチですが、細かい感じまでわかるように描かれています。ちなみに、ゲームは結局完成せずに、ポシャってしまいました。開発途中のデモ画面は、「TECH SATURN 97年9月号」(右画像) 付録の CD-ROM に収録されたムービーで見ることができます (サターンがないと再生できませんが‥‥)。

アニメージュ 2001年5月号

Animage 1901/05

2001年を記念して、デジタル・リミックスおよびスコープ・サイズへのリプリントが行われた「2001年宇宙の旅<新世紀特別版>」の公開を記念した記事で、渡辺麻紀(誰?)による大友克洋のミニ・インタビューと、1ページ全面のイラストが掲載されています。イラストは、「2001年宇宙の旅」の最終シーン、ボーマンがつれてこられた1室(地球文明を模したもので、表層だけのコピー (映画ではそこまでわからないが、小説では蛇口から出る水が完全な H2O で味がなくて飲めないとか、細かい描写がある):このモチーフは「彼女の想いで…」で使われている)に、ディスカバリー号の宇宙服を着たスタンリー・クーブリック監督が猿の大腿骨を持ってたたずむ図になっています。タッチもきめ細やかで、非常にいいイラストだと思います。インタビューも、分量は少ないものの、大友克洋のクーブリック好きがよくわかる、面白いものになっています。

アニメージュ 2002年4月号

Animage 1902/04

ファンタジー作品を SF のいちジャンルから独立させた古典、「指輪物語」の実写映画の公開を記念した特集内で、5人の映画/アニメ関係者に混じってイラスト、コメントが掲載されています。イラストは12.5cm×7cm、カラー。割とラフに描かれたものですが、相変わらずのパロディ精神(笑)。コメントでは映画を絶賛しています。


アイデア 2002年9月号

Animage 1902/04

「世界のデザイン誌」と銘打つ「アイデア」の第294号。特集「Black & White」ではモノクロ・デザインの持つ力を多数の図版引用にて提示。そして、表紙には大友克洋の新規モノクロ・イラストが使われています。ペンと鉛筆(恐らく)のみの、軽やかなのに重厚な感じも受ける不思議なタッチ。また、特集内では「童夢」の見開きで天地がひっくり返ったマンションの俯瞰図(単行本 p120-121)が掲載されています。


季刊エス 2003年 1〜4号

Style co,.ltd. logo

背表紙下部

S 1903/01
S 1903/04
S 1903/07

2003年1月に創刊(発売は2002年暮れ)されたマンガ、イラスト情報誌「季刊エス」。その第1号である2003年冬号から、大友克洋のイラストが「株式会社スタイル」のロゴとして使用されました。右画像にあるように、本の背表紙の最下部に用いられたほか、目次ページの下部にはこのロゴが大友克洋によって描かれたこと、これが株式会社スタイルのトレードマークである事が説明されています。そして、ここで用いられているイラストの方が背表紙よりも少し大きく、背表紙が1cm四方、目次では2.3cm四方位です。ただ、何故かこのロゴが使用されたのは第4号の2003年秋号までで、第5号からは目次、奥付を含めて全く使われなくなってしまいました。株式会社スタイルのウェブサイトでは相変わらずこのロゴが使われているのに、謎です。それから、このロゴ・イラストは『KABA2』には収録されませんでした。
 なお、第1号では大友克洋と木村慎二の「ヒピラくん」に関する対談記事が掲載されており、これはインタビュー掲載誌のページで紹介しています。また、第3号(上右画像)では、『ヤングマガジン 1997年1月22・27日合併号』のポスターに使われた「サイバー金太郎」イラストを用いた特製アロハ・シャツの誌上販売が行われています。表紙に大きめの告知があるほか、最終ページには同イラストを半ページのサイズで掲載。記事自体は2ページで、黒地にこのイラストがあしらわれたアロハ・シャツのデザイン案も掲載されています。価格は19,800円。販売後の実物は見たことがないので、お持ちの方に情報を頂けると嬉しいです。

文藝春秋 2008年3月号

Bungei Shunzyu 2008/03

大友克洋と文藝春秋…。まったく接点が感じられませんが、2008年に突如、大友克洋が目次イラストを担当しました。古くからの文芸誌で定番の、観音開きの目次ページの上部に、横長のカラー・イラストが掲載されています。樹木の肌と枝振りの分かる影、それに子供。静かな印象のイラストです。観音開きと言っても左右のページに分かれていて、イラストもそこで分かれています。後に『KABA2』に収録されましたが、そこではなぜか左右のイラストが入れ替えられました(ノドの部分に木がかかるため?)。イラストの大きさは、雑誌掲載時も『KABA2』もほぼ同じです(32.5×5.2mm、24.4×5.2mm)。コメント等はありませんが、目次ページのクレジットの他、巻末の「編集だより」でも大友克洋のイラストである事に触れられています。

ビッグコミックスペリオール 2009年8月28日号

Big Comic Superior 2009/08/28

2009年初夏に『ビッグコミックスペリオール』誌上で始まった「hi mi tsu ki chi 秘密基地」シリーズのVol.5として、大友克洋、花輪和一、五十嵐大介、高野文子の4人が1〜2ページずつ、それぞれの秘密基地を描きました。大友克洋の秘密基地は、仕事場のデスク。カメラが入れない壁際からのショットというのが心憎いですが、それ以上に興味深いのが克明に描かれた机上の物品。当時読んでいたもの、CD、オーディオ、画材、そしてプレステのゲームまで。見開き一杯を使った画と文章は、単なるイラストと言うよりもイラストエッセイでしょうか(イラスト扱いにするか、饅頭こわい〜おしゃれハンドル〜親父衆と同様のマンガ作品とするかは微妙なところ)。この作品は2011年、単行本『短篇集 ヒミツキチ』として纏められた後、2012年には画集『KABA2』に、イラストとして収録されました。

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