項目名 | 将軍の初恋騒動! |
読み | しょうぐんのはつこいそうどう |
分類 | 必殺シリーズ |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | 第1話を観た限りでもそれほど「旋風編」と比べて格段に良くなったという感じもなく、まあ義理と人情で(笑)観たくらい、かな。で、やはり物語としては、というより、ゲスト(特に将軍役の演技プラン。津島恵子さんはさすが悪くなかった)と演出はかつての必殺とは比ぶべくもなかったのだけど、……影太郎。 仕事人IV以降、観ていてマンネリとしか言えなかったのは、仕事人たちがいつも判で押したようなセリフしか吐かなくなってしまった点があったと思う。「仕事人」おとわ編辺りまでは、つい画面に見入り聴き入り、何度もくり返しその役者さんの顔、表情、目を見据えてしまうようなセリフがあったものだ・・・ ところが、あの秀も、勇次も、中村主水さえも、いつもいつもおんなじセリフしか言わない。またそのセリフか、何回言ってるんだよそれ、思い入れたっぷりに陰鬱な面持ちで言ってるけど、全然こっちの魂に響かないよ、それ。「金を取らなきゃ、ただの人殺しだぜ」。オイ、金をもらったら人殺しじゃなくなるのか、どういう理屈だそれは、特に三味線屋勇次。どこで読んだんだ、そんなこと、なんの本に書いてあったんだ?(←ここ数行、貫井徳郎「殺人症候群」とTVドラマ「俺たちの旅」からの盗作ですm(_ _)m) 「新仕置人」にしても「仕置屋」にしても、その回まるまる凝視していなくても、いざそのシーン――鉄のその場面は、市松のその場面は、という感じで、ガバとばかりに顔をあげて画面を注視しないではいられない、そういうシーンやそういうセリフのところがあったのだ。 失われて、久しかったのだ。 秀や勇次が退場したのち参入した政も竜も、その点では全くおなじことで、手垢の付いたセリフをさも重々しい口調と表情で言うだけで、「もういいよ、それは」という感じで、驚きも切なさも感じられなかった。そう、激闘編の壱や参のみだったのだ、多少なりと渇きを癒す場面を見せてくれたのは。(個人的には、助っ人のうち弐はべつだん政や竜と変わるところがない) 助っ人でしかなかった壱や参と違い、メインキャラクターとして中村主水の仕事人グループに新加入してきた、かげろうの影太郎。だが、三浦友和だし、ということで全然何の期待もしていなかった。 だから、その飄々としたキャラと、それまでの仕事人の言わなかったはずのセリフを特に悲壮感もなく軽い口調でひょいっと言ってしまうのは新鮮な驚きだった。 この「将軍の初恋騒動!」はタイトルもタイトルだし、決してドラマとしてすごいモノではやはり全然ない。けれど、かげろうの影太郎のキャラクターが第1話と違っていよいよストレートに描き出され始めた回なのだ。 久しぶりに、主水と対峙できるだけの器を持っていたはずのかげろうの影太郎。ひょっとしたら、彼こそが、久しぶりに主水の運命を変えられる可能性を持っていたのかもしれなかったのだが・・・(おっぺ) |