語る「万華鏡」

(謎の二枚目殺し屋登場!)

謎の二枚目殺し屋登場!(なぞのにまいめころしやとうじょう)

項目名謎の二枚目殺し屋登場!
読みなぞのにまいめころしやとうじょう
分類必殺シリーズ

作者
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  • 公的データ
  • 必殺仕事人V風雲竜虎編」第1話。
  • 主水シリーズ最後の佳作と言われる『風雲竜虎編』だが、本放送時には特に突出した出来という印象もなかった。その印象がどう変わるか、前から楽しみだったのである。
     驚いたのは、記憶していたよりもずっと緊迫した第一回目だったこと。こんな緊張感の下にグループが結成されたのは、初めてじゃないか。影太郎のひと言がなければ、主水は仲間たちに殺されてたかもしれないわけで、この緊迫感にはちょっと驚いた。後期必殺でもこんなことをやってたんだね。
     注目すべきは、この回の脚本は吉田剛氏の担当だということ。「必殺」を駄目にした張本人のように言われる吉田氏だけど、決して力がない人じゃないんだよね。「必殺」の神髄は最後まで理解できなかったようではあるが、逆に吉田氏の異質な発想が「必殺」にもたらしたものもいくつかある。影太郎のキャラクターとか、『剣劇人』のテイストとか、これまでのメインライターでは絶対に作られなかっただろうからね。
     それで思うのが、『仕業人』における中村勝行氏の役割。中村氏は間違いなく『仕業人』の立て役者だが、彼の書いた脚本は『仕業人』のテイストからずいぶん外れている。それでも中村氏が加しなければ『仕業人』もここまでの傑作にはなり得なかったと思うから、そういう異質な発想の導入は思いがけない効果を生むこともあるのだ。
     なんてふうに弁護しても、『主水死す』がある今、もう誰も吉田剛脚本は認めないだろうな(笑)。(貫井徳郎氏の日記より)
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