項目名 | 花嫁人形 |
読み | はなよめにんぎょう |
分類 | 恋愛小説 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | ・これもまた読みます。 ・男には好感が持てないなあ。 ・やはりカルタで文字をおぼえるシーン。 そしてまた、昭菜は葵に続いて「犯罪者」となるヒロインでもある。おそらく、葵の罪より昭菜のこちらを「罪」として明確に認識する人も多いだろう。普通、「正しい主人公」はここまではっきりした「犯罪」を実行してしまうことはない。だが佐々木丸美は「罪」についてとうとう突きつけ始めたのだ。これがのちのち「罪灯」「罪・万華鏡」に拡がっていく。 ここではヒロインの愛の対象は、「忘れな草」の高杉からさらにヒロインにとって厳しい存在になる。橘がノートを引き裂くシーンも強烈だ。「雪の断章」の祐也も解りにくいところが様々にあったが、高杉、そして橘と、どんどんヒロインの愛は試練の部分が強くなる。読者にとっても、彼ら男たちは内面も窺い知れず、全くといえるほど感情移入は出来にくい。 物語の柱は、ラストシーンの雪が象徴する限りでは郁ちゃんだろうが、織ちゃんの印象もまた強い。男たちの人物像が秘密の中でぼやけてはっきりしなくなる分、女性たちは十分それぞれのストーリーを背負って立っている。直接の登場でなくとも、飛鳥や葵の影がちらつくのが、リンク・システムとして感動的だ。(おっぺ) |