語る「万華鏡」

(「花嫁人形」の一部削除)

花嫁人形(はなよめにんぎょう)

項目名花嫁人形
読みはなよめにんぎょう
分類恋愛小説

作者
  • 佐々木丸美
  • 公的データ
  • 人格者の父、しとやかな母、何不自由ない4人の姉たち。そんな家族の中で、私はひとり愛に無縁だった。読み書きさえとりあげられ、大人たちの打算にもてあそばれるみじめな孤児の私の心にも、しかし、激しい恋はひっそりと芽生えていった…。冷酷な宿命に耐えて生きる一人の少女の愛と哀しみを描く、「雪の断章」「忘れな草」につづく長編小説。
  • 感想文等
  • あの絵がいい。
    ・これもまた読みます。
    ・男には好感が持てないなあ。
    ・やはりカルタで文字をおぼえるシーン。
  • 花嫁人形」が入り口だったという人も多いようだ。「雪の断章」から順に読むことになった身からすると、そんな途中から読んで大丈夫だったのかなどと要らぬ感想を抱きもするのだが、特段なんのマイナスもないらしい。やはりプロットやストーリー自体のことより、登場人物たちの印象強さ、エピソード1つ1つの印象深さというのがあるのだろう。カルタで字を覚えるシーン、ひとりぼっちのカルタ取りのシーンは確かに忘れられるものではない。
     そしてまた、昭菜に続いて「犯罪者」となるヒロインでもある。おそらく、の罪より昭菜のこちらを「罪」として明確に認識する人も多いだろう。普通、「正しい主人公」はここまではっきりした「犯罪」を実行してしまうことはない。だが佐々木丸美は「罪」についてとうとう突きつけ始めたのだ。これがのちのち「罪灯」「罪・万華鏡」に拡がっていく。
     ここではヒロインの愛の対象は、「忘れな草」の高杉からさらにヒロインにとって厳しい存在になる。橘がノートを引き裂くシーンも強烈だ。「雪の断章」の祐也も解りにくいところが様々にあったが、高杉、そして橘と、どんどんヒロインの愛は試練の部分が強くなる。読者にとっても、彼ら男たちは内面も窺い知れず、全くといえるほど感情移入は出来にくい。
     物語の柱は、ラストシーンの雪が象徴する限りでは郁ちゃんだろうが、織ちゃんの印象もまた強い。男たちの人物像が秘密の中でぼやけてはっきりしなくなる分、女性たちは十分それぞれのストーリーを背負って立っている。直接の登場でなくとも、飛鳥の影がちらつくのが、リンク・システムとして感動的だ。(おっぺ)
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