語る「万華鏡」

(シルバー仮面)

シルバー仮面(しるばーかめん)

項目名シルバー仮面
読みしるばーかめん
分類特撮

作者
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  • 公的データ
  • キャスト
    春日光二 : 柴俊夫
    春日光一 : 亀石征一郎
    春日光三 : 篠田三郎
    春日ひとみ : 夏純子
    春日はるか : 尾ジーナ
    大原道雄 : 川伊佐男
    津山博士 : 岸田森
    ナレーター : 森山周一郎
  • 第11話より、「シルバー仮面ジャイアント」に改題。巨大化する。
  • 昭和46年から放映された「シルバー仮面」は、巨大特撮ヒーローものが主流だった中で、等身大ヒーローの活躍を描いた意欲作だ。地球滅亡をもくろむ宇宙怪人との戦いを縦糸に、主人公とその兄妹たちをめぐる群像劇が展開され、単純明快な特撮物とは一味違うドラマ性の高い仕上がりになっている。また、製作陣にウルトラマンで有名な実相寺昭雄ら一流スタッフを迎え、怪奇性と人間ドラマが見事に融合。独特の世界観を醸しだしている。

    人類の長年の夢…宇宙進出を果たすべく光子ロケットの開発に日夜勤しむ春日博士が、宇宙人・チグリス人の手によって殺害されてしまった。宇宙人は、地球人の宇宙進出を快く思っていなかったのだ。残された博士の子・光一、光二、ひとみ、光三、はるかの5人兄妹は、父の意思を継いで光子ロケットの完成を誓い、父と親交の深かった下村博士の下へと向かう。だが、そんな兄妹たちにチグリス星人の魔の手が忍び寄る…。
  • 第1話 ふるさとは地球
     父がチグリス星人によって殺害された! 亡き父の意思を継ぎ、春日の5人兄妹が今立ち上がる!!

    第2話 地球人は宇宙の敵
     光子ロケットエンジンの秘密を解明するため旅立つ春日兄妹たちに、キルギス星人が立ちはだかる!

    第3話 父は炎の中に
     父が生きていた!? シャイン星人の罠と知りつつ自宅に戻った兄妹に、父の遺品が語りかける…。

    第4話 はてしなき旅
     湯浅博士の娘がピューマ星人に捕われた! 兄妹は救出に成功するが宇宙人の再来を恐れた博士は…。

    第5話 明日のひとみは・・・・
     田所博士が開発したRX光線の破壊をもくろむジュリー星人! 激闘の中、一人の男がその命を散らす。

    第6話 さすらいびとの荒野
     南条隼人のもとを訪ねた春日兄妹。だが南条は、復讐のためにゴルゴン星人とある契約をしていた。

    第7話 青春の輝き
     キマイラ星人の襲撃ではるかの目は失明した!! 責任を感じた光三は、単身星人に立ち向かう…!

    第8話 冷血星人の呼び声
     川上博士の下で手がかりを探る兄妹たち…。だが、卑劣なソロモン星人が新たな悲劇を産みだした。

    第9話 見知らぬ町に追われて
     ドミノ星人の策で社会から孤立した春日兄妹! 激闘の果てに見たのは人間社会の恐ろしさだった。

    第10話 燃える地平線
     タイタン星人との死闘で格納庫は破壊された。その地下で兄妹たちは求めていたものに出会う…!

    第11話 ジャンボ星人対ジャイアント仮面
     遂に完成した光子ロケット! 試験飛行でサザン星人と遭遇し、シルバー仮面は新たな力を得る…!

    第12話 恐怖のサソリンガ
     大島での行方不明事件の調査のために現地へ向かった光三。そこで幼ななじみの明子と再会する。

    第13話 サソリンガ東京猛襲
     意識不明の明子を救うためにサソリンガを追う光三! その時サソリンガは、東京に出現していた!

    第14話 白銀の恐怖
     白銀の赤い花は死を誘う。ノーマン星人の吹雪攻撃に、シルバー仮面の怒りの熱線攻撃が炸裂する!

    第15話 怪奇宇宙菩薩
     観音像の怪光線が新幹線を襲う! 地球侵略を企てるボルト星人、シルバーランスに稲妻が走る!

    第16話 爆発!!シルバーライナー
     亡き父の夢・超光子ロケット遂に完成! モーク星人の妨害工作にシルバーライナーで立ち向かう!

    第17話 大阪SOS
     味方は吹く風と鳴る音。シルバー仮面ジャイアントは、視力を失ったままモーク星人に戦いを挑む!

    第18話 一撃!シルバー・ハンマー
     盲目の息子が奏でる愛のフルート。黒幕・エマー星人に操られるモンスター・ヤマシロを救えるか?

    第19話 逆転シルバー旋風斬り
     謎の宇宙金属の正体は大怪獣ギラスモン。キリー星人の報復に、シルバー旋風斬りで立ち向かう!

    第20話 必殺!!シルバーミサイル
     あらゆるエネルギーを吸収してしまうインパルス星人。シルバー仮面と津山博士がとった作戦とは?

    第21話 シルバーアローがえし
     さらば、美しくも哀しきアンドロイド。シルバーアローがえしで、ガイン星人の野望を打ち砕く!

    第22話 弾丸!!ミサイルキック
     津山研究所に怪しくうごめく人形。ゾール星人の柔軟さに苦戦するも必殺ミサイルキックで逆襲だ!

    第23話 東京を砂漠にしろ!!
     強敵フンドー星人相手にシルバー仮面は何とか勝利。だがその時、突如一帯が爆発し砂漠と化した!

    第24話 標的はあなた!!
     ひとみの恋人・秋山が新式のレーダー装置を持って帰国。だが秋山はバーナー星人に操られていた!

    第25話 輝け!!シルバーレインボー
     を貪るアクリオン星人の前に、シルバー仮面は大苦戦!! 大原の息子・紀久男も人質にされ…!?

    第26話 アンドロメダ2001
     遠方からの友人を兄妹は撃墜してしまった。一人の宇宙人の友情に兄妹は新たな旅立ちを決意する!
  • 感想文等
  • 画面は暗いわ、地味だわ、宇宙人はほとんどテロリストだわ、主人公達も別に正義の味方ではなくて降り懸かる火の粉を払うしかしてないわ、そればかりか自分達の身を隠すためには事故にあって死にかけている人がいても気にせずご飯食べてるわ、と同時期にはたぶんミラーマンとかの比較的正当なヒーローがいたと思うのだが、とんでもなく正当外なヒーロー(ヒーローか?)が、このシルバー仮面だった。
     さすがに「ダメ」だったらしく、途中からいきなりデザインも大幅にスタイリッシュにした上に巨大化し、タイトルも「シルバー仮面ジャイアント」となり、宇宙大怪獣とバトルを繰り広げるように路線変更されてしまった。
     巨大化後も、ヤマシロのエピソードやテレサ野田ゲスト回など印象に残るものもありはするが、等身大時代のなんとも暗いムードの各話には及ばない。
     「歴史の中で戦争が途絶えたときが無い、そんな地球人を信用できるか」と宇宙人が言う。「地球人は宇宙の敵だ」。これが「シルバー仮面」の最初から存在したプロットだ。この物語では、宇宙人は地球を侵略に来るのではない。地球人が宇宙に進出できる光子ロケットを設計したことを知り、地球人のような戦争好きな生物に自分の星が侵略されては大変だと恐怖して、光子ロケットの開発を阻止しようとやって来るのだ。日本製のSF小説などではわりとあるプロットかもしれないが、それをテレビの変身ヒーローでやってしまったのは、……やはり、まずはウルトラセブンだろうか。しかし、そのセブンにしても、最初のうちは勧善懲悪の明朗な活劇だった。それをシルバー仮面は、シリーズ全体のプロットで頭からやってしまったわけなのだ。
     第一話では、光子ロケットの開発者である父をチグリス星人に殺された春日兄妹が、自分たちのからだに隠された光子ロケットの秘密を探ろうとしながら、同じ秘密を狙うチグリス星人に追われ、これを倒す。画面の異常な暗さはともかく、一応はヒーロー物の体裁は保っている。
     しかし、早くも第二話にしてサブタイトルも「地球人は宇宙の敵」と謳われ、「地球人の言うことなんて信じられない」と宣うキルギス星人に対し、最初は話し合おうとするものの、決裂して、これを倒してしまう。まあ、キルギス星人も武力行使に出ているのだから、目には目でも仕方なさそうなのだが、この「シルバー仮面」では、「結局わたしたち、あの人の言っていた通り、あの人を殺してしまったわね」と索莫たる気持ちに主人公たちがなってしまう(宇宙人を「あの人」と、あくまで住む星が違うだけの「人」であると認識して呼んでいるのが感慨深い)。ちなみに先述の「人が死にかけているのに、宇宙人に見つかってはいけないからと、別に苦悩も葛藤もなさげにパクパクご飯を食べている主人公たち」というのも、この回である。
     等身大の、ジャイアントの付かない「シルバー仮面」は、どの回も、何らかの点で記憶に残るのだが、とにかく暗いし、そのストーリーは必ずしも「面白い」とは言い切れない。それでも、主人公たち役者陣はその芝居を堪能できる触れで、だからストーリーそのものは度外視したとしても、画面は決してつまらなくはない。
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