語る「万華鏡」

(龍神池の小さな死体)

龍神池の小さな死体(りゅうじんいけのちいさなしたい)

項目名龍神池の小さな死体
読みりゅうじんいけのちいさなしたい
分類ミステリ小説

作者
  • 梶龍雄(おっぺ)
  • 公的データ
  • 「お前の弟は殺されたのだよ」、……母が死に際に残したこの言葉で、建築工学教授の仲城智一は二十年前の弟の死を探り始める。休暇を取った彼は、弟が当時疎開していた村、山蔵を訪れる。しかし、調査を行なう彼も何者かに尾行され、ついには襲われてしまう。そのがいえようとした時、事件当時のことを知る老人が殺害され、彼は警察から容疑を着せられてしまうのだ。(おっぺ)
  • 感想文等
  • 実はそれほど期待しないで読み始めたし、あまり思い入れもなく読んできたのだけど。。。
     今日、第3章の終わりからいきなり盛り上がってきてしまった。。。
     そして。。。
     「あんたは、私をいやな奴と思うかも知れない。汚い奴と考えるかも知れない。だが私は平気だ。昔からそんなふうにいわれ続けて来たのだから。そういう男だと認めてもいい。だがな、そういう男でも、人を愛することはできるんだ」
     に対する、「何ともたまらぬ変質のにおいが漂う。もはや犯罪者である」という容赦のない評価。
     そして何より、最後の「真犯人」のセリフは痛々しい。
     「あれは嘘だ……やっぱり……理由が……」
     この「やっぱり」1つで「真犯人」の心中が。。。
     帯に「乱歩賞作家・梶龍雄本格推理の犯人当てで読者に挑戦! 四つのアリバイがないのは──黒岩教授、友倉助手、相原くん、灰谷教授、横川くんの5人の中で、さて誰が犯人でしょう!? アリバイ崩しで犯人を当てる新探偵小説!」などとあるから、ゲーム性の極端に強いものかと先入観を持ってしまった。。。タイトルもそれっぽいし。。。でも、この「小さな」に意味が隠されていたのだな。。。
     ちなみにこの帯の「アリバイ崩しで犯人を当てる新探偵小説!」というのは意図も判らないし事実とは異なるぞ(^^;。
     でもこの「真犯人」には割りとびっくりした。。。(おっぺ)
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