項目名 | 激ヤバ!オレたち死ぬのか? |
読み | げきやばおれたちしぬのか |
分類 | 特撮 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | その中で、「平和のために戦っているレンジャー」であることと、普通の夢ある高校生であること、その二つをせめぎあわせたエピソードも生まれた。この「激ヤバ!オレたち死ぬのか?」は最たるもの…… ある日、例によって悪の怪人が町に現れ、5人のレンジャーが出陣し撃退する。ところが翌日の早朝、この怪人が町中にばらまいていた物質は猛毒であり、町の多くの人々、またレンジャーの5人さえもその毒に犯されていることが判明する。夕方の六時にはもはや生きてはいられないのだ… リーダーのメガブラック・耕一郎と、イエロー・千里は、最後の最後まで諦めずに戦おうと奮起する。これはいかにも正義のレンジャーにふさわしい克己心だ。しかし、残りの三人は、「死んでしまう前に、しておきたいことがある」「やり残したくない」と離脱していく。これもまた、高校生の少年少女として全く当然のことだ。 それでも押しとどめようとする耕一郎たちに、ブルー・瞬が言い募る。 「おまえたちには、やり残したくないことがないのか?」「メガレンジャーとしてじゃない。遠藤耕一郎として、城ヶ崎千里としてだ!」。胸を突かれたように耕一郎も千里も何も言えなくなってしまう…… 離脱した三人は、それぞれの「やっておきたいこと」を始める。ささやかなことばかりだ。レッド・健太は焼肉屋に入って金の続くだけむさぼり始める。町の人々は何も知らされていないので、いつも通りの生活が流れている。 ピンク・みくは買いたかった服などを買い、そして、ウェディング・ドレスを。みくは瞬のことが好きなのだ。 瞬を探し出すと、瞬は自分の作ったCGの絵を広場の隅に展示し始めていた。 「瞬、あのね、私、どうしてもやっておきたいことが……」 「違う……」 「え……」 「俺がやりたかったのは、こんな中途半端な個展じゃない!」 「そう……そうだね」 それ以上、みくも何も言えない…… 焼肉をむさぼっていた健太の席に、ゲーセンでよく一緒に遊ぶ小学生の男の子がやってくる。「健太さん、あした新しいゲーム機が入るんだって!」「おっ、ほんとかよ!」一瞬笑った健太だったが、そのあしたが自分には来ないことに気づく。「あしたか……」 「じゃあ、あしたね!」 そう言って楽しみな顔で元気に走り去る寸前、その男の子の腕に、毒に犯された証拠の赤い痣があるのが見えた。 「タケシ、おまえ!」 息を飲む健太。 そんな健太のうしろで、馴染みの焼肉屋のオヤジが電話を取り、歓声をあげる。 「なに、生まれた!? ようしっ! あす一番の列車で行くからな!」 満面の笑みが「あした」への期待と希望で輝くようだ。 そのオヤジの首筋にも、赤い痣が…… 瞬と、そしてウェディング・ドレスの箱を抱きかかえたままのみくのそばで、まだ就学前の幼い男の子と女の子が遊んでいる。大きくなったらなんになる、の幼い夢を語り合いながら…… その子たちの顔や手には赤い痣が……みくと瞬は見てしまった…… 千里と耕一郎は懸命に打開策を探していた。何も見つからず、何もできない……ふと、千里は好きなカメラを手に取り、パソコンの前の耕一郎にフレームをあわせた。耕一郎……は、今パソコンの画面を見てはいなかった。そっと、一枚の写真を見つめていたのだ。それは家族と一緒に写っている写真……その写真の上に、ぽとりと涙の落ちるのが、フレームの中に見えて、千里は震えた…… このあとのストーリーは特に記すまでもない。打開策は見つかり、そして、離脱していた3人も、町の人々の「あした」を「夢」を、守るため、戻ってくる。そして、メガレンジャーの勝利だ。 しかし、このアクションシーン、勝利の戦いは物語の眼目ではもちろんないのだ。 この「メガレンジャー」では、画面画面の演出が素晴らしい出来であることが多かった。脚本が良質のものでも、役者の演技はもちろん、演出1つでその出来不出来は大きく分かれる。この番組では、「いい画だな。。。」と思うシーンが何度となく現れてくれた。 サブタイトルについては、まあ仕方ないと思う部分はあるのだけれど。。。(笑)(おっぺ) |