そう言って、委員長が指さした先には・・・
「理緒ちゃん!?」
そこには、すでに爆睡モードに入っている理緒ちゃんがいた。
「う~~~ん、お酒はもうイヤ~~~。もう飲めない~~~」
うわ~、かんっぺきにうなされてる。
「オイオイ。お前ら、理緒ちゃんにどれだけ飲ませたんだよ」
「ベツに。アタシたちと同じくらいダヨ」
「だって、あんな、夢にまで見るほど・・・」
「おサケにノまれちゃったのヨ。『サケはノんでも、ノむならノるな』ってね」
ワケ分かんねぇって。
でも、レミィも委員長も酒に強そうだな。
あ~ぁ、理緒ちゃんもかわいそうに。こんな連中に付き合わされて。
「むにゃむにゃ。おなかいっぱ~い。幸せ~~~♪」
・・・・・・前言撤回。
「なあ、藤田くん。一つ言っておくけどな、雛山さんにお酒飲ましたの、わたしらやないで」
「へ? そうなのか?」
「イエス! アタシたちだってヒガイシャなんだヨ」
「じゃあ、誰なんだ?」
「千鶴さんや」
「はい?」
「千鶴さんに飲まされたんや。もちろん、わたしと宮内さんもな」
俺は思わず突っ伏してしまった。
「なにを考えてるんだ、あの人は」
「そういえば、コトネとアオイも餌食になってたネ」
「人に散々飲ませておいて、その挙げ句に『あら? そういえば皆さんはまだ未成年でしたっけ? それならそうと始めから言って下されば良いのに。だめですよ~、お酒は20歳からですからね~』なんて、いけしゃあしゃあとほざきおったわ」
「まったく。これだから、偽善・・・」
スパーーーン!!
「それ以上言ったらあかん!! 死ぬ事になるで!!」
その前に委員長に殺されそうだが・・・
「しっかし、いっつもいっつもどこから出してるんだ? そのハリセン」
「ポケットからに決まっとるやん」
オイオイ。んなワケあるかい。
「他にもいろいろ入っとるで。傷薬に塗り薬に湿布薬。ほら、これでどんなにはたかれようと大丈夫や。アフターケアは大切やからな」
イヤなアフターケアだな、おい。
まあ、それはさておき。
ホントにいろんな物が入ってるよな。
「委員長のポケットって、もしかして、四次元ポケット?」
「・・・・・・・・・・・・」
「『どこ○もドア』とか出てきたりして」
「藤田くん」
「ん?」
「わたし、そういう冗談言う奴、嫌いや」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・・・」
「エー加減にしなさい!!」
チャンチャン♪
「くー。そのネタ、分かりづらいよ、藤田くん」