「やっほ〜。琴音ちゃん、葵ちゃん」
「あ〜〜〜、藤田ひゃんだ〜〜〜」
「藤田せんひゃい」

 ありゃりゃ、かなり酔ってるみたいだな。2人とも真っ赤な顔をしてるし。

「藤田ひゃん、大好きです」

 駆け寄ってきた琴音ちゃんがいきなり抱き付いてきた。

「あったかい」

 俺の胸に頬を寄せて、うっとりとしてる。うぅっ、可愛い。可愛すぎるぞ、琴音ちゃん!

「琴音ひゃんってば、ずるい〜」

 そう言うと、葵ちゃんも抱き付いてきた。
 2人の美少女に抱き付かれ、ま、まさに極楽!!

「藤田ひゃ〜〜〜ん」

 すりすり・・・

「藤田せんひゃい」

 ぎゅっ

 わ、我が人生に一片の悔い無し!!



○   ○   ○



 しばらく、2人のしたいようにさせていた。
 ・・・が、俺はある異変に気付いた。

 体が動かない!!

 まったく、ピクリとも、さっぱり。
 これって、やっぱり。

「琴音ちゃん、琴音ちゃん」
「はい〜。なんでふかぁ?」
「琴音ちゃん、超能力を止めてくれ。動けないんだ」
「えっ? ちょーのうりょふですか? わたし、使ってないですよ〜」
「いや、きっと無意識の内に発動させてるんだ。だから、琴音ちゃんがコントロールしようとすれば・・・って、琴音ちゃん?」
「すやすや」
「寝てるし・・・」

 しょうがねぇなぁ。
 そう思った時、首に何かが巻き付いてきた。葵ちゃんの腕だ。
 クスッ。葵ちゃんって甘えん坊だなぁ。こんなに強く抱きしめちゃって。

 強く抱きしめ・・・強く・・・つよ・・・って、オイ!

「あ、葵ちゃん! 絞めてる! 絞めてるって!!」
「藤田せんひゃい、大好きです〜」
「そ、それは嬉しいんだけど。葵ちゃん! く、首! 入ってるって! チョークチョーク!!」
「むにゃむにゃ・・・」

 葵ちゃんも寝てる〜〜〜(泣)

 体は動かないし、首への締め付けはどんどん強くなるし、俺ってば、一体どうなるんだろう?

 ああ、だんだん意識が・・・。
 しかも、過去が走馬燈の様に・・・。



 我が人生、ちょっと悔い有り







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