ありゃりゃ、かなり酔ってるみたいだな。2人とも真っ赤な顔をしてるし。
「藤田ひゃん、大好きです」
駆け寄ってきた琴音ちゃんがいきなり抱き付いてきた。
「あったかい」
俺の胸に頬を寄せて、うっとりとしてる。うぅっ、可愛い。可愛すぎるぞ、琴音ちゃん!
「琴音ひゃんってば、ずるい~」
そう言うと、葵ちゃんも抱き付いてきた。
2人の美少女に抱き付かれ、ま、まさに極楽!!
「藤田ひゃ~~~ん」
すりすり・・・
「藤田せんひゃい」
ぎゅっ
わ、我が人生に一片の悔い無し!!
しばらく、2人のしたいようにさせていた。
・・・が、俺はある異変に気付いた。
体が動かない!!
まったく、ピクリとも、さっぱり。
これって、やっぱり。
「琴音ちゃん、琴音ちゃん」
「はい~。なんでふかぁ?」
「琴音ちゃん、超能力を止めてくれ。動けないんだ」
「えっ? ちょーのうりょふですか? わたし、使ってないですよ~」
「いや、きっと無意識の内に発動させてるんだ。だから、琴音ちゃんがコントロールしようとすれば・・・って、琴音ちゃん?」
「すやすや」
「寝てるし・・・」
しょうがねぇなぁ。
そう思った時、首に何かが巻き付いてきた。葵ちゃんの腕だ。
クスッ。葵ちゃんって甘えん坊だなぁ。こんなに強く抱きしめちゃって。
強く抱きしめ・・・強く・・・つよ・・・って、オイ!
「あ、葵ちゃん! 絞めてる! 絞めてるって!!」
「藤田せんひゃい、大好きです~」
「そ、それは嬉しいんだけど。葵ちゃん! く、首! 入ってるって! チョークチョーク!!」
「むにゃむにゃ・・・」
葵ちゃんも寝てる~~~(泣)
体は動かないし、首への締め付けはどんどん強くなるし、俺ってば、一体どうなるんだろう?
ああ、だんだん意識が・・・。
しかも、過去が走馬燈の様に・・・。
我が人生、ちょっと悔い有り