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OTOMO KATSUHIRO Movies

オリジナル・ヴィデオ「ロボットカーニバル: Opening & Ending」

ROBOT CARNIBAL VIDEO
  • 1987年7月21日発売
  • 90mins
  • A.P.P.P./ ビクター音産
  • VTG-269
  • VHS
  • 定価 17,800円

1987年7月21日に発表された、新進気鋭のアニメーター7人と大友克洋+福島敦子による「OPENING & ENDING」フィルムで構成される、オムニバス形式のオリジナル・ヴィデオ・アニメーション作品(LD は8月21日発売)。当初から劇場公開ではなく、ヴィデオでの発売が予定されていました。そのためか、制作に当たっての制約がほとんどなく、各人が作りたいように作っています。そのため、全体としては統一感のあまり取れていない作品になっていますが、それを「個性的」というキーワードできっちりまとめているのが、「OPENING & ENDING」のフィルムではないでしょうか。

「OPENING & ENDING」は、監督, 脚本, デザイン, 絵コンテを大友克洋が手がけ、福島敦子が原画を担当。「ヘンゼルとグレーテル」の時期の大友作品を定着させたかのような仕上がりになりました。また、後の「MEMORIES: 大砲の街」に繋がるテイストもあります。
 大友克洋は「迷宮物語」制作中にこの企画を聞きつけ、おもしろそうだということで参加が決まりました。当初は「天地創造」的なフィルムになる予定でしたが、紆余曲折を経て完成したものに変更されました。
 完成したフィルムのストーリーは、「ROBOT CARNIBAL」という巨大な移動サーカスのような車(!?:ジャケットイラスト参照)が砂漠を進んでいき、その途中にある村を潰して去ってゆくというようなもの。「ROBOT CARNIBAL」を告知する、巨大な宣伝カーなのでしょうか。とにかく、むちゃくちゃな展開が大友克洋らしいという感じです。

劇場公開作品ではないので、関連品は多くありませんが、重要な本に各作品の紹介と設定を収録したムック「ロボットカーニバル」があります。ここには、上記ヴィデオのパッケージにも使われているイラストのポスターや、大友、福島のインタビュー、そして絵コンテ、大友克洋によるストーリーボードが収録されています。また、「KABA」にも同じくパッケージ、ポスターなどに使われてたイラスト、およびストーリーボードが収録されました。なお、パッケージ用イラストを用いた販促用のテレカ、ポスターが存在します。サウンドトラック CD (廃盤) のジャケットにも同イラストが使われました。

Robot Carnival DVD
  • 90mins + 特典映像
  • ビーム エンタテインメント
  • BIBA-1268
  • DVD (リージョン2)
  • 2000年11月25日
  • 初回限定版:定価 7,800円
  • 通常版:定価 6,800円

 

ヴィデオ、および後に LD (未掲載) は永らく廃盤で、LD には一時期数万円のプレミアが付いていましたが、2000年11月25日に DVD で再リリースされました。

映像は元のフィルムをそのまま DVD 化したのではなく、マスターが新たに作り直されています。そのため、色調など元版とは微妙に異なっていたりします。音声はオリジナル日本語版の他英語版も収録。さらに字幕は日本語、英語および韓国語が選択できます。特典映像は海外でのプロモート用と思われる1.5分のコマーシャル。クレジットが全くないのでよくわからないのですが、英語のナレーションが入っているものです。国際映画祭などで使用されたのでしょうか。


Robot Carnival DVD 1st print
初回限定版外観

この DVD は、通常版と共に初回限定版も発売されました。初回版は簡易ボックスに通常版同様の DVD のトール・ボックス、および作品を寄せた全監督とプロデューサー野村和史への新規インタビューを収録したブックレットが封入されました。各監督のインタビューはそれぞれ10ページ前後と分量も充分で、当時のアニメーション制作現場の状況を知る良い資料でしょう。大友克洋へのインタビューは9ページで、参加の経緯、実際にかかわった部分について、また制作現場の状況などが語られています。

Robot Carnival DVD booklet
初回限定版ブックレット

初回限定版は店頭在庫を探すか中古を見つける以外に入手できませんが、通常盤は現在も販売されているので容易に入手可能です (02/02/21 現在)。

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