top - back

diary - archive - no.141




2004.05.05.Wed

今さら、4月中旬に行った別府温泉について振り返ってみる。

しょっぱな最終的な感想を書くと「超良かった」。
といったかんじだろうか。
でも、難をいえばもう少しメンタル面を調整していけば良かったかなーとも思う。
元気すぎた。
もちょっと陰に入って、内に陶酔してるかんじの方がきっとより強烈な印象を受けたと思われるのであります!


別府には小倉から特急に乗っていった。
この時点で別府がなに県にあるのかはっきり分ってないという状況だったのだけど、駅の指示に従ってなんとかそっちの方に向かうことが出来た。
念の為書くと、別府は大分です。
あと、くわえて書くと、別府温泉てのは別府駅から山手数キロに渡っていろんな温泉地(お湯の質が全部違う)が点在する温泉郷の相称らしいですわ。
で、その温泉地っつうのが8つだかなんだかあって、これが俗に言う”別府八湯”ですわな。こんなかんじ
まあ、あとの詳しいことはコチラで。

初日は別府駅近辺にある”くつろぎの宿 山田別荘”つうとこに泊まった。
町中にあんのにすげえいいかんじに風情のあるお宿で、
きりもりしている若夫婦もすんげえよくしてくれた。

余談。
最初に案内された部屋は6畳くらいの二人部屋だったんだけど、夜寝る時に天井からザリザリ物音が聞こえたのです。
超コワかったから若夫婦に相談したらすぐに部屋変えてくれた。
めちゃめちゃ良い部屋。結構のおえらいさんとかが来た時に使うような和室。
ラッキー。
広すぎてすごい寂しくなったけどな。

で、結局音の正体はコイツらだった。
「もって帰るか?」と言われたけど、「カワイイけどいらない」って言って宿を後にした。


駅周辺のいわゆる”別府温泉”では竹瓦温泉てのに入った。
ここは結構な年代ものの建物で風情200%超えです。
砂風呂が有名ってことで、とりあえず砂に埋められてきた。

で、まあ感想ですが、あー、自分、無理だった。
めちゃめちゃコワかった。
うすうす感じてはいたけど、自分、変に身体を圧迫されたりするのが異常に怖いみたい。
「10分そのままねー」って言われた瞬間、「10分このままなのかー」と。
がまんしたけどな。男だから。
時間制限とかあるとより恐怖が増すようだ。

そういえば、去年、サマソニのストロークス(だったかな)の時、野外ステージの前中央に勢い勇んで行ったんだけど、後から後から詰まってくる人間に身体を圧迫されて恐怖のあまり友人おいて脱出したんだよね。
未だに思い出すと吐き気がする。

まあ、とりあえず竹瓦温泉に関しては、

「コワカッた!」

こんなかんじ。
あー、フインキが良かったのでそれに救われた。


んで2日目は”別府温泉保養ランド”ってとこに泊まった&浸かった。
ここは世界でも数少ない鉱泥の温泉だそうだ。
要するに泥だ。泥温泉。
ここはヤバイよ。
半端じゃない。
露天、内湯、どちらの泥風呂も強烈。
何が。
いや、温泉そのものもそうだけど、フインキが。

まず、露天。
基本混浴。
周り、ほとんど遮るものなし。山。
風呂はいろいろ広い範囲に数カ所泥風呂がある。つか、穴に泥入ってる。
だもんで、地上での移動が結構必要。
それが湯冷ましに丁度いいんだけど。
しかしながら、昼まっから男ばっか全裸でフラフラしすぎね。

一応、内湯は男女別で露天から混浴になるのね。
女性は内湯から変な箱みたいなとこに一度入ってそこから露天に移るの。
で、やっぱその箱からちょいちょい女性が出てくるんだよね(それも結構若いっぽい!)。
チラリと。
すぐ戻っちゃうけど。

もうこの瞬間が最高におもしろい。
露天でフラついてる男が一斉にそっちの方に顔を向けるのね。
歩いてる奴も止まるし、上がりかけの奴もその姿勢で止まる。

すごいバカ。

シマウマの群れにライオンが近付いた時のリアクションに似てるな。あれは。
ビクッ!っていう。
自分も言うに及ばず見るわけだが、その空気がおかしくておかしくてなあ。
「ケッケッケ」と笑いが止まらなかった。
たまにおっさんと目があって、お互い「いや〜、あっはっは」みたいな。
たまらんね。

次ぎ、内湯。
これがもっとすごいかった。
自分が夢想していた”湯治場”がここにあった。

汚く老朽化した木造のバラック小屋、それも光りがほとんど差し込まない。
そんな中に手彫りで固めたっぽい穴にキメ細かい泥湯がひたっていて(これがお肌にいいらしい)、そこに掴まり棒が無造作によこたわってる。
手前から泥湯がマグマみたいにポッコンポッコン音を立てながら湧き出してて、浸かってる人達は掴まり棒持ってキレイに2列に整列し、総じて風呂を男女に区切る壁の方向いている。

特に夜は強烈で、その場がひとつだけ赤く灯った電灯に照らされてる。

なんすかこれ。なんなんすか。と。

この景色を見た瞬間、正直涙が出そうになった。
今も思い出すだけで鳥肌が立つよ。
自分が高校時代につげ義春の『貧困旅行記』(だっけ?)を読んで以来、んでまた、大学の時に桜玉吉の『幽玄漫玉』の湯治場を旅する回を読んで以来、ずっと追い求めていた情景が眼前にあったんだもの。

興味無い人が見ればほんとに汚いだけの風呂場なんだけど、たぶん、見る人が見ればかなりクるものがあるだろう。
つげ義春好きで、さびれた温泉宿を旅するのが趣味の人には是非一度行って欲しい。

あと、保養ランドで泊まる人はマッサージを頼むといいよ。
水木御爺クリソツのマッサージ師が、ネズミ男ばりの嫌なしゃがれ声で「ここでございましょー。イヒヒヒ。」とやたら痛いとこばっか責めてくれます。

つうわけで、”保養ランド”最高。
あー、ちなみにカップルとかで宿泊までするのはやめた方がいいよ。
温泉だけに浸かる客にはそれなりに若い女性、それもモデルっぽい人がいたけど、さすがに泊まりはいなかったもの。
好きじゃないとたぶんキツイぞ。
事実、自分以外に泊まってたのって、全員フガフガ系の老人だったからね!

そんなかんじ。
後は、今風の露天とか入ってきた。
そこもお湯よかったわ。ツルツル。
景色も良かったな。
”明礬湯の里”ってとこ。
その他もちょいちょい回ったけど割愛です!


あー、良かったなー。
いろいろ疲れて全部イヤになったくらいの時にもっかい行きたいなー。
ガッツリくるだろうなー。


---
写真は、保養ランドで泊まった部屋。
宿自体は公民館みたいで趣きとかあったもんじゃないっすよ。
御飯も味気ない。
でも、そんなんどうでもいいや。

あ、リアルタイムで更新してたモブログはコレね。



2004.05.05.Wed