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comic - archive - no.14




神戸在住 / 木村紺

タイトル通り、「神戸在住」の大学生達の生活を描いた作品。

大学というだけあり、話しのテンポはマッタリ。
友達と須磨に泳ぎに行く話。元町の高架下に買い物に行く話。
東京から引っ越してきた主人公の女の子は、「外部の人間」としての視点でいちいち神戸という町に感動していく。
その感動は主人公の性格がえらく素直で優しいというのも手伝って、読み手にダイレクトに伝わってきます。
(分かりやすいということなのか。)

また、作者が季節や自然といったものにとても敏感なようで、1話1話、その時々の季節感がとても丁寧に表現されている。
夏の朝日が昇る前の涼し気な空気や、冬の嫌になる程の晴れわたった空とか。
どこでも感じることが出来るけど、これはきっと神戸でしか味わえない空気なんだろうなあ、と。

ありがちなコメントだけど、読んでるとなんだか神戸に行きたくなります。
いやほんと。

こういう日常モノにありがちな、「ダラダラ」「無駄無駄」なフインキは一切かんじられず、後読感はサッパリ爽快です。


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丁度この作品を読んだ時期に、神戸に詳しい友達と三ノ宮やら六甲やらに遊びに行って、なんだかいろんな感情が湧いた。
たぶん、漫画を読んだ時のイメージと実際に自分が見た景色が強烈にリンクしてしまったんだろうなあ。

「神戸いいじゃん」みたいな。変な思い入れが出来た。

ちなみにこの作品には、神戸が舞台というのもあり当然震災の話も描かれてます。
これが、またリアルで・・・。

現在もアフターヌーン誌上で連載中。(2003年5月現在)



2003.05.08.Thu