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comic - archive - no.11




sink / いがらしみきお

癒し系動物ギャグ4コママンガ『ぼのぼの』で知られる”いがらしみきお”が、初めて本格不条理?ホラーに挑戦した作品。

物語りは、どこにでもあるような振興住宅地に住む家族を中心に展開する。
ごく普通に暮らす彼等の周りに、ある出来事をキッカケに次第に奇怪な現象が起こりはじめる。

それらの現象は、全てなんの因果も見出せない。
説明が成り立たない。
異様。
意味不明。

登場人物の一人がこう言う、
「異様なものはバランスを崩す。気を付けたまえ」


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もうね、何が怖いって、『ぼのぼの』とこの作品とのギャップ。
絵柄、物語りすべてにおいて違うんね。
まず、それがなんかすごいイヤ。

あと、その異様さ。
「怖くてそれ以上突っ込めない」ってかんじの。


例えばね、すごく明るい性格だった友達に久々に会うとする。
待ち合わせ場所で待ってたら、いつもの明るい調子で待ち合わせの相手が後ろから肩をたたくのね。
で、振り向いたら、なんかめちゃめちゃ痩せてて、人相もガラッと変わってる。

まあ、そこまでは「あるかも」という範囲だと思うのね。
「どうしたの?何かあったの?」って、まだ聞けるかんじ。

でもね、その子がね、急に信号から流れる「とうりゃんせ」を聞いたとたんブツブツ言い始めるわけね。
なんか「ネシネシネシ」って聞こえる。
「おかしいぞ。」と、
よおく聞くと「あれ?」って。
「死ね死ね、死ね死ね」言ってるやん!


でも、「とうりゃんせ」が止んだらいつも通り。と。

これ、ほんとだったら怖くて聞けないよね。
少なくとも、自分は何もなかったように振る舞うね。

なんか、そんなかんじに似てる。よくわからんけども。
物語りの怖さも、ここらへんに着地するかんじ。


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この作品はネットコミックなので、ネットに繋がる人は誰でも読めます。
残念ながら単行本化した分は読めなくなるけど、まだ単行本化していない分は読めます。
(2003年4月現在は10話から。)
今から読む人はあらすじから読むといいかんじです。



2003.04.13.Sun