項目名 | フェアな殺人者 |
読み | ふぇあなさつじんしゃ |
分類 | ミステリドラマ |
作者 | |
公的データ | シーズンを終え、日本に帰国したイチロー選手 ( イチロー ) は、記者会見やチャリティーイベントに出席するために、都内にある某ホテルのスイートルームに宿泊していた。そのホテルに、古畑 ( 田村正和 )、今泉 ( 西村雅彦 )、西園寺 ( 石井正則 ) の 3 人がやってくる。実は彼らは、警察を退職し、このホテルの保安課に再就職した向島 ( 小林隆 ) を訪ねてきたのだ。 古畑たちが保安課の控え室で向島と話をしていると、突然そこにイチロー選手が現れた。イチロー選手の大ファンだった古畑は、彼と握手を交わし、サインまでもらうことが出来て感激する。イチロー選手が去ったあと、向島は古畑たちに衝撃的な告白をする。なんと、向島とイチロー選手は腹違いの兄弟だというのだ。古畑たちは、思いもよらぬ向島の告白に愕然となる。 古畑たちが帰った後、向島はイチローの部屋を訪ねた。頼まれていた出前のカツ丼をイチローに届けるためだった。そこでイチローは、向島にある男の話を切り出す。 その夜、ホテルの地下駐車場に停めてあった盗難車の中から、男の死体が発見される…。 |
感想文等 | それにしても、「フェアプレイ」――マッチの件から「部屋に来たのか」の問いに応え、「僕は嘘はつかない。しかし、言えないこともある」で押し通すのには驚いた。そこまでの犯人は、コロンボと相対した中にもいなかったはずだ。もし「笑わない女」のように『殺しましたか?』と訊いていたなら、どうだっただろう――と思っていると、古畑のほうからものフェアプレイ宣言…… 観ていて、これは「別れのワイン」+「策謀の結末」だろうと思った。 向島が犯人側にいるため、「VS菅原文太」での「権力の墓穴」風味もさらに超えている。 ミステリとしての詰め手は弱かっただろうが、「平常心」を奪うための策は「殺しの序曲」。 コロンボからの本歌取りを思うさまに駆使したように見える、力の入った一編だった。 それにしても、古畑のいる世界には、もうSMAPもイチローも「いない」わけなんだなあ……(おっぺ) |