項目名 | 死神の子守唄 |
読み | しにがみのこもりうた |
分類 | 特撮 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | 大人になってからは、また違った面白さが見えて、ちゃんと堪能できるというのが、この「怪奇大作戦」をはじめ、幾点かの日本特撮物の魅力だろう。 「死神の子守唄」は、「そして誰もいなくなった」ばりに、数え歌(ここでは子守唄になる)に沿って殺人が行われるが、眼目はこの童謡殺人にはない。冷凍光線による殺人のエフェクトもさしてインパクトはない。 ヒロインと絡むのは勝呂誉演じる三沢だが、このヒロインにも三沢にもさほど見せ場があるわけでもない。 インパクトはやはり、岸田森なのだ。 ヒロインの兄で犯人役の草野大悟と岸田森との対峙、これが「死神の子守唄」のメインディッシュだ。 草野を追う場面での岸田のセリフ、「……待て」。この「待て」がためらいや哀しみや怒りや、それら総てを滲ませて掠れ震えている。このたったひとことで、こちらの心も震えた。 岸田森の芝居を思い切り堪能するには、「怪奇大作戦」に限る。本気でそんなことを思ったりもするのだ。(おっぺ) |