項目名 | 人喰い蛾 |
読み | ひとくいが |
分類 | 特撮 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | なんといっても、毒蛾にやられて、人間がみるみる溶けていく、それを顔面をメインにリアルっぽく、赤黒い肉塊や眼球、骨まで見せながら、じっくり見せるのだから、たまったものではない。子供の頃は、あまりのことに途中でチャンネルを変えてしまった……で、怖い物見たさでしばらくしてチャンネルを戻すとちょうどまた顔が溶ける場面で(笑)、以来顔の溶けるホラーは見ない(笑)。 子供心にショックだったのは、けれど、このスプラッターそのものより、人喰い蛾の恐怖に逃げ出したこの物語の主人公チームSRIの面々が、仲間を押し倒し殴りつけ、自分だけ助かろうとしている浅ましく醜いシーンのほうだった。子供番組の主人公たちはもちろん、たとえば七曲署の刑事達が犯人の発砲から逃れようと仲間を引きずり倒して自分だけ……というシーンを見れば、視聴者は大ショックだろう。リアリティがありすぎる(^^;) が、大人になってから見返すと、そんな醜いシーンはどこにもない。どうやらあまりの怖さでチャンネルを何度も変えながら見ていたのと、まだ始まったばかりの番組で主人公たちと悪人たちの区別も付かなかったのとで(「人喰い蛾」は放映第二話だった)、悪人の浅ましい姿を主人公たちのものと混同したのではないか……と思う。 このエピソードには、「壁ぬけ男」や「美女と花粉」「死神の子守歌」などのような、印象に残る犯人や動機はない。岸田森の怪演もない(笑)。円谷プロの面目躍如たる特撮技術で、タイトル通りの「怪奇」を味わえばそれでいいのだ。(おっぺ) |