語る「万華鏡」

(「お江戸華町未練なし」に書き足す)

お江戸華町未練なし(おえどはなまちみれんなし)

項目名お江戸華町未練なし
読みおえどはなまちみれんなし
分類必殺シリーズ

作者
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  • 公的データ
  • 必殺仕置人」第26話。
    必殺仕置人・最終話。(おっぺ)
  • 感想文等
  • いよいよ最終話。
    この回にいたって、ついに仕置人グループが崩壊する。とは言っても、続く「仕置屋」「仕業人」「新仕置人」。。。の崩壊劇のように暗く重いかたちではない。単に、仕置人稼業が露見し、人相書きがまわったので、解散しよう、ということになった。単純に言ってしまえばそれだけのことだ。後々の仕事人シリーズの最終回と、そこだけ見るとよく似てさえもいる。
     仕事人シリーズの最終話と何が一番違うかと言えば、この露見・解散にいたる道筋が、前回「無関心もいけねえな」などと、中心人物であり、情を排せることで要だったはずの念仏の鉄までが思ってしまった、、、そこからのストレートな続きとして、今回では情に絆されるかたちで事態が進行し、そしてついに、
    「銭勘定しねえで危ない綱渡りをするのはばかばかしいよな。何となくマシな人間になった気がするじゃねえか」
     と笑う念仏の鉄、という画が現出するのだ。
     捕縛され、処刑される直前まで行く半次を救出するため、仕置人たちは力を合わせる。主水はもとより、おきんも仕置に立ち上がり、強酸をぶちまけて標的を仕留める荒業を見せる。
     そして雨の中、棺桶の錠と共に処刑場に乗り込んで壮絶な乱闘をやらかし、「闇の仕置人だ!」と名乗りを上げていく念仏の鉄
     次作「助け人走る」以降の最終回等を見知ってしまった眼からすれば、犠牲者が出ることもなく、仲間の救出にも成功し、1人も欠けることなく解散して旅に出られてしまう展開は、もしかしたら拍子抜けとも見えるかもしれない。
     けれど、その別れの場面にも、逆にそれらを知っているが故の驚きが待っている。
     江戸を捨て、旅立とうとするおきん半次らの前に、旅支度の主水が現れるのだ。
     「あんたは何もばれてないし、かみさんやおしゅうとめさんもいるじゃないか」と半次らが諭すのに対し、
     「おめえたちと別れるのはなぁ。。。」
     と淋しそうに言う主水の姿がある。中村主水の続投となる「暗闇仕留人」以降、仕置屋仕業人新仕置人商売人、そして仕事人シリーズと、主水は次々と新たな仲間と組み、そして別れていくのだが、その別れの段に於いて、自らも共に旅立とうとするのはこの最初の「仕置人」が唯一のことだ。
     「おめえだけじゃねえ、俺たちはみんなここで別れるんだ」とが言い出し、驚く他のメンバー。江戸を離れても、みんな一緒にいるものと思っていたようだ。
     その方が足も洗いやすいだろう、とは言う。
     「念仏、足を洗うつもりか?」と聞くに対し、
     「洗うかもしれねえ。洗わねえかもしれねえ。だがよ、いつまでも続けたいほどありがたい商売でもねえだろう」
     と、は答える。
     そして、いつまでもグズグズ言う仲間達に対して、の最後の仕置が下される。
     「裏が出たら別れる。表が出たらみんな一緒だ」
     投げたコインが土間でころころと回り、見せた面は、裏。
     「裏だ……別れようぜ」
     そしてさっさと飛び出す
     そして、それに引きずられるように、みな次々と。。。
     1人になったは、コインを取り出し、二枚張り合わされ、表が存在しなくなっていたそれを引きはがして空に投げる。
     そして、独りごちる。
     「世の中……裏目ばっかりよ……」
     これが念仏の鉄の、「必殺仕置人」での最後の仕置であり、仕掛だった。
     やがて、「暗闇仕留人」で主水おきん半次再会し、さらには長い年月を経て、「新必殺仕置人」で再会するのだが、、、
     とまれ、こうして1つの物語は終わったのだ。
     タイトルは「未練なし」と言うが、、、それぞれみな、未練の残る別れだったのだろうけれども。。。(おっぺ)
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