語る「万華鏡」

(オビコを見た!)

オビコを見た!(おびこをみた)

項目名オビコを見た!
読みおびこをみた
分類特撮

作者
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  • 公的データ
  • ウルトラマンティガ第27話(おっぺ)
  • 感想文等
  • ウルトラマンタロウ」などは、ネーミングしてからアレで、全般的にコメディタッチに進んでいったものだが、この「ティガ」は、決してそうではない。隊員たちの軽妙な掛け合いなど、コミカルな部分はあっても、基盤はシリアスなタッチだった。
    その中で、この「オビコを見た!」は、宇宙人でも怪獣でもなく、ゲゲゲの鬼太郎さながらに妖怪が登場し、そのオビコという妖怪がタヌキのように化けたり悪戯を仕掛けたり、隊員たちのリアクションも大仰で、ああ、今回はコメディなんだな、、、という気楽な感じで鑑賞していた。

    妖怪オビコが出没し、町が大騒ぎになる。実はウルトラマンティガであるダイゴ隊員を含め、地球平和連合の特捜チームGUTSの隊員たちは、オビコ捕獲に走り回る。ふだん怪獣や宇宙人とは戦い慣れていても、妖怪という変幻自在な存在に振り回されるGUTS隊員たち。
    ようやくのことでオビコを追い詰めるが、そのときオビコは夜の街を見つめ、ひとりごちていた。
    あそこには神社があった。あそこには畑が広がり、山々が。。。
    オビコが妖怪の身でありながら昼間から暴れまわり、人々に悪戯を仕掛けていたのは、自分のことを覚えていてほしかったからだったのだ。村はもうない。街という別のものになってしまった。もはや村でなくなった場所にはいられない。オビコはどこかに去っていくしかない。けれど、誰にも覚えてももらえず、忘れる以前に存在すら知られないまま消えていくのはつらい。だからオビコは。。。
    オビコの眼には、村が見えた。あそこには村の神社があるんじゃ。あそこには畑が広がり、山々が。。。
    ――昔の村が帰ってきたんじゃ!
    オビコは幻の村に狂喜し、踊りまわる。
    「オビコ!」
    隊員たちはそんなオビコの姿につらくなり、しかし、声をかけずにはいられない。
    「あれは、、、もう村じゃないんだ。おまえの村は、もうどこにもないんだ、、、」
    「うそじゃ! あれは昔のままの村じゃ! 昔の村が帰ってきたんじゃ!」
    現実を認めることができなくなり、つらさのあまりにオビコは巨大化し、暴れ始める。火のを吐き、町を破壊しようとする。
    ダイゴ隊員は変身し、ウルトラマンティガとなってオビコに対峙する。
    オビコはティガにも火のを吐きかけるが、ティガはその火のに光線をショットして打ち消す。オビコはまるで駄々っ子のように暴れまくり、ダイゴであるウルトラマンティガも倒すに倒せずに苦慮する。
    隊員たちもオビコを攻撃しながらも、妖怪の心中に胸を痛める。
    「こんなことをしたって、村は戻ってこないんだぞ!」
    隊員の叫びが聞こえたのか、正気に返ったのか、オビコは、今ではもう村ではない、自らが破壊している街を見つめる。
    オビコは。。。
    またしても火のを吐こうとする。ティガはまたそれを跳ね返すべく光線を放つ。が、オビコのそれはポーズだった。火のは放たれることなく、ただ、ティガの光線のみが宙を奔った。はっとするティガ。
    ティガの光線によって、オビコは崩れ落ちた。
    ティガもGUTS隊員たち同様、オビコを倒すにも倒しがたい。だからオビコは、自ら求めてティガの手にかかったのだ。

    コメディと見せながら、ただ最後の場面で突然ふだんのウルトラマンティガのおセンチさをぶつけてくる。これは卑怯な技だった。
    けれど、それにまんまとひっかかった。
    ウルトラマンティガ」には、こうした「おセンチ」なエピソードが山ほどある。おセンチで、おセンチで、どうしようもない。
    けれど、泣けてきてしまうのは、思いきりしっかりまじめに作ってあるからなんだろうと、そう思うことにしている。。。(おっぺ)
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