| 項目名 | ラヂオの時間 |
| 読み | らぢおのじかん |
| 分類 | コメディ映画 |
| 作者 | |
| 公的データ | 原作: 三谷幸喜と東京サンシャインボーイズ 出演: 唐沢寿明 鈴木京香 西村雅彦 戸田恵子 井上順 「警部補古畑任三郎」などで知られる人気脚本家、三谷幸喜初監督によるコメディ映画。三谷幸喜がかつて主宰していた劇団「東京サンシャインボーイズ」の同名劇をもとに、ラジオ局内で繰り広げられるドタバタ劇をコミカルに描く。スピーディなカメラワークやストーリー展開、ツボを突いた笑いなど、才人・三谷幸喜の冴えた手腕が見どころ。唐沢寿明、鈴木京香、西村邦彦共演。生放送のラジオドラマを控え、緊張気味のスタジオ。初めて書いた脚本が採用された主婦のみ子も、直前のリハーサルを見学していた。そんな中、突然主演の人気女優が設定を変えたいと文句を言い始める。困り果てたプロデューサーは、みや子に脚本の書き直しを依頼。だが他の出演者も口々に不満を漏らしはじめ、メロドラマだった物語は次第にアクションへと変貌してゆく。 |
| 感想文等 | 単に古畑の脚本を書いた三谷幸喜の作だからということではない。ファクターは2点。 ひとつは、古畑とVSした桃井かおり演じる中浦たか子が出演していると聞いたこと。こういう登場人物のリンクは見てみたいのだ。そしてもうひとつは、やはりVS加賀丈史の中川淳一。この中川が出ていたドラマ『振り向けば奴がいる』というのがあって、けれど実はこのドラマは現場での改変がかなりあり、その三谷幸喜の驚愕の体験(笑)を映画にしたのが、この『ラヂオの時間』だと聞いたのだ。 小説の原作と映像化作品とが別物になっているというのは、よく経験することだ。謎と論理のエンタテイメントだった本格ミステリ小説が、2時間ドラマになると美女&温泉&ラブラブコミカルになっているらしい(伝聞)。「必殺シリーズ」なども、脚本と完成映像ではまるで別物ということも多かったらしい。より素晴らしくなった場合もあれば、ぶち壊しにしていた場合もあったのだろう。 『振り向けば奴がいる』は観ていないので分からないが、顛末はかなり面白そうだと思ったのだ。 面白かった(笑)。現実がどの程度反映されているのか判らないが、脚本家の思惑や信条など吹っ飛ばして突き進んで行く、現場の思惑と事情。まさかそんな、と思うような改変が次々と成立し、それを目の当たりにして真っ白になっていく原脚本家。激走するスタッフ。 「必殺」の脚本を放映前に一読する機会を得たことがあったが、主演キャストの1人がスケジュールの都合で別撮りになったらしく、脚本では揃ってテンポよく掛け合っていたのが、なんだか1人だけ画面から外れてメンバーの会話のリズムがおかしくなっていた。けれどもこれは、先に脚本を読んでいなければ気付きもせず、おかしいとも感じない程度のことだっただろう。 悲惨なドラマの印象的な幕切れのあと、なぜか主人公の家での吉本新喜劇のようなコントがエンディングとしてくっつけられ、ドラマの内容とはなんの関係もないそのコントのシーンがタイトルに冠されるようになった「後期仕事人」など、脚本家は「俺の哀切なエンディングは……?」と真っ白になりながらオンエアを見たのではないか? もちろん、監督や演出家のおかげで、脚本からさらに素晴らしくなった実例も聞き知っている。だから、一概に脚本と放映版との相違を否定ばかりもできないのだが…… この「ラヂオの時間」は、いくらなんでもここまでは、と爆笑しながら観たのだが(でも、中村主水がワープロを打ったりしたもんな)、実は一番笑撃的だったのはエンドロール。 全ての改変のスタートは、劇中のラジオドラマの主演女優・千本ノッコの我儘からだったわけだが、この映画そのものの主要キャラクターは脚本を書いた主婦や、ディレクター、現場のエディターらの方に見えるし、ラジオドラマの役者陣でも、千本ノッコに振り回されるノッコ以外の役者たちが印象に残る。 それが、エンドロールのとき、突如、歌が流れ出す。ラジオドラマのプロデューサー役だった布施明が歌っているようだ。 「歌があるよ」「なんと、主題歌があるとは」(カメとゾウの会話) 劇中の布施明こそ、千本ノッコの我儘を通してしまう張本人であり、脚本を書いた主婦も、夢や希望のあるディレクターも、役者たちも、この権力者に逆らえず泣きをみてしまうわけだが、最後の最後で歌まで披露するとは……と思いながら聴いていると、 ♪……千本ノッコのためならば……♪ このフレーズで、カメとゾウはひっくり返った。 「!?」 「……主題歌は、布施明じゃなくて、布施明が演じたプロデューサーその人が歌ってるんだ。千本ノッコに捧げる歌……」 「主人公はあのプロデューサーだったんだ! この映画は、実は『千本ノッコシリーズ』の一編だったんだ!」 そんなはずないんだけど(^^;) 最後の最後まで、とことん楽しませてくれる一品だった(^^)/(おっぺ) |