項目名 | 愛の重さ |
読み | あいのおもさ |
分類 | 文芸小説 |
作者 | |
公的データ | |
感想文等 | タイトルや、先入観から、男女間の愛情の物語が軸なんだろうと想像していましたが、そうではなかったのですね。 読み終わって。。。ふみこさんがこの本をご紹介下さった意味を自分なりに感じたりしています。。。 1番最初に心に響いたフレーズは。。。 「あなたはやっぱりただのローラではないの?」 。。。 ありきたりなストーリーなら、ローラはただ盲目的な献身性で愛する者をかえって苦しめてしまう「加害者」でしょうに、この小説ではローラは客観的に自分を見ようとしている。。。盲愛の「悪」を十分に認識しているように見えています。 にもかかわらず。。。 このローラのあり方は不思議と新鮮でした。 そして。。。他の登場人物たちは比較的ステレオタイプだと思って読んでいたのですが。。。 ヘンリーの死の真相については、ほとんど読者の誰でもそれと察知することはできていたでしょうが、シャーリーの心については、これは私にとっては目から鱗が落ちるたぐいのものでした。 そして。。。 よもやクリスティーの作品でそんなことがあろうとは思いもしなかったのですが。。。 「シャーリーはもっと強い人間です。絶望に駆られることもたしかにあったでしょうが、本当の意味でそれに身を任せることはなかったと思うのです。彼女はファイターでした。最後まで戦い続けるファイターだったとわたしは思っています。」 この部分を読んだとき。。。目頭が熱くなってきてしまったのでした。。。 そしてローラは。。。 「わたしがそれをシャーリーにしたのですね、このわたしが?」 「罪の償い」という言葉が出てきたときに、ぎくりとしました。。。 。。。これ以上書く全ては蛇足。 ふみこさん。 これを読ませてくれてありがとうございました。。。(おっぺ) その姿に憧れ、見上げつつ、でも自分がそうなりたいのかというと、憧れながらもやはり実はそうではない。。。 ある意味そうなりたいと思いながらも、それを本当に欲しているわけでは、多分ない。。。 少なくとも、全ての面でそうなることは、むしろ。。。(おっぺ) |