語る「万華鏡」

(「愛の重さ」に書き足す)

愛の重さ(あいのおもさ)

項目名愛の重さ
読みあいのおもさ
分類文芸小説

作者
  • アガサ・クリスティ(おっぺ)
  • 公的データ
  • ローラは淋しい少女だった。両親の愛は,若くして死んだ兄に向けられてきた。そして今度は,生まれてきた妹シャーリーがその愛を奪おうとしている。ローラは嫉妬を覚えた。だが,家が火災に見舞われた日,妹を救い出してから,彼女を愛するようになった。やがて両親を事故で失うと,ローラは惜しみない愛情を注ぎ,妹を育てていく。それが妹の重荷になるとも知らず……。与える愛をテーマに描く,愛の小説シリーズ第2弾。(おっぺ)
  • 感想文等
  • クリスティーの「愛の重さ」を読むことができました。。。
     タイトルや、先入観から、男女間の愛情の物語が軸なんだろうと想像していましたが、そうではなかったのですね。
     読み終わって。。。ふみこさんがこの本をご紹介下さった意味を自分なりに感じたりしています。。。
     1番最初に心に響いたフレーズは。。。
     「あなたはやっぱりただのローラではないの?」
     。。。
     ありきたりなストーリーなら、ローラはただ盲目的な献身性で愛する者をかえって苦しめてしまう「加害者」でしょうに、この小説ではローラは客観的に自分を見ようとしている。。。盲愛の「悪」を十分に認識しているように見えています。
     にもかかわらず。。。
     このローラのあり方は不思議と新鮮でした。
     そして。。。他の登場人物たちは比較的ステレオタイプだと思って読んでいたのですが。。。
     ヘンリーの死の真相については、ほとんど読者の誰でもそれと察知することはできていたでしょうが、シャーリーの心については、これは私にとっては目から鱗が落ちるたぐいのものでした。
     そして。。。
     よもやクリスティーの作品でそんなことがあろうとは思いもしなかったのですが。。。
     「シャーリーはもっと強い人間です。絶望に駆られることもたしかにあったでしょうが、本当の意味でそれに身を任せることはなかったと思うのです。彼女はファイターでした。最後まで戦い続けるファイターだったとわたしは思っています。」
     この部分を読んだとき。。。目頭が熱くなってきてしまったのでした。。。
     そしてローラは。。。
     「わたしがそれをシャーリーにしたのですね、このわたしが?」
     「罪の償い」という言葉が出てきたときに、ぎくりとしました。。。
     。。。これ以上書く全ては蛇足。
     ふみこさん。
     これを読ませてくれてありがとうございました。。。(おっぺ)
  • クリスティーの「愛の重さ」に出てきたあの妹、「ファイター」だったあの妹。。。
    その姿に憧れ、見上げつつ、でも自分がそうなりたいのかというと、憧れながらもやはり実はそうではない。。。
    ある意味そうなりたいと思いながらも、それを本当に欲しているわけでは、多分ない。。。
    少なくとも、全ての面でそうなることは、むしろ。。。(おっぺ)
  • 作者
  • 作家・監督等
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