感想文等 | 「狼なんか怖くない」とか。 「赤頭巾ちゃんなんか怖くない」とか。 世の中いろいろあるけれど。 この「名探偵なんか怖くない」は、なるほど大上段にそう「犯人」が振りかぶっているわけなのだ。 これはかなり大がかりなパロディというかパスティッシュというか、
エラリー・クイーン エルキュール・ポアロ メグレ警視 明智小五郎
の4人をいっぺんに相手取る犯人なのだから、振りかぶり甲斐もあろうというものだ。
実は、この本を最初に読んだときはまだ中高生の頃で、そして実はポアロと明智以外のクイーン、メグレには全然馴染みがなかった。 メグレに馴染みがなかったのは、「刑事物」に偏見があったからだし(今も、少しは、ある)、クイーンに馴染みがなかったのは、この作者のもう1人の大探偵、ドルリー・レーンの方が好きだったから、エラリー・クイーン探偵のものには食指を伸ばす気がなかった頃だったからなのだ。小学生の頃、「Yの悲劇」でドルリー・レーンに出会って、そして「エジプト十字架の謎」でエラリー・クイーンに出会ったのだけど、前者には大いに驚き、後者には大して。。 それが、ずーっと後を引いていたのだった。 いま読み返すと、クイーンはいかにもクイーンらしく、ポアロはいかにもポアロらしく、という感じで、見事なまでのパスティッシュになっていると思う。 メグレ。。。は実は未だに馴染みになっていないのでわからない(爆)。
犯人像としては、いま1つだったかな。。。とは昔も思ったし、今もやはり思う。この4人もの名探偵を相手どるにしては、少し役者が小さいような気も。。。 プロットもストーリーもどんでん返しもトリックも申し分ないのだけど。。。
と、いうことを他から言われたのか自分でも思ったのか、西村京太郎は、続いて「ルパンや怪人二十面相という名犯人(?)の登場する「名探偵が多すぎる」、そしてさらに、名探偵物の犯人にふさわしい連中が出てくる「名探偵も楽じゃない」「名探偵に乾杯」を続けてくれるのだ。
これから、順々に再読しようと思う。。。(おっぺ)
クイーン、メグレ、ポアロ、明智の共演!
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