感想文等 | この話のエピソードのいくつかが、例えば古畑任三郎に流用されていることを思うと、やっぱり印象的だったんだろうな、、、天才的な犯人像。 今回の犯人も、前作「溶ける糸」の犯人同様に相当の頭脳派。無敗を誇るチェスの達人で、先読み、心理のトレースなど、並ではない。 そして、コロンボは後に古畑のエピソードでも流用された罠を仕掛けるが、それがダークなことに逆に犯人の殺人を生み出してしまう。これはコロンボの失策に数えられるはずだ。 もっとも、これは犯人にとっても1つのエラーで、つまりはこの「断たれた音」は、ストーリー上で見えてくる以上に、犯人とコロンボと能力が拮抗していた作品なのかもしれない。犯人が「溶ける糸」のミスター・スポックのように常時冷静沈着でないので、かなりコロンボ有利に見えてしまうのが少し難点かもしれない。 「溶ける糸」にしろ、この「断たれた音」にしろ、エラリー・クイーンの影響は著しい感じだ。印象的な幕切れなのは、だから、さもありなん。。。(おっぺ)
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