感想文等 | この犯人は、決して知能犯ではない。 さんざ頭を絞って考え出した殺害計画は、初手から計算違いを連発し、それを拭い隠しながらやっとの思いで達成するものの、あとからあとから出てくるミス、やり残し、エトセトラ、エトセトラ。。。 これくらいダメダメな犯人だと、当然コロンボなど出てこなくても、勝手に自滅していくはずなのだ。 でも、なんの助けか、なんとかかんとか無事に進んでしまう、、、けれども、私生活はぼろぼろ崩れていく。 だから、このエピソードは、コロンボ対名犯人、というドラマではなくて、犯人が主役の、1つの「ただのドラマ」で、コロンボは犯人の人生に現れた或る1人の石ころなのだ。 「ホリスター将軍のコレクション」にもそのきらいはあったが、こちらはまだ「コロンボ対犯人」の対決ドラマという部分が主体だった。だから逆に、物足りなさをおぼえてしまったのだろう。それに比べれば、この「もう一つの鍵」は、コロンボを脇に追いやることで、ドラマとしてはずっと面白いものになっている。 それでもまだいろいろ足りないところはあるのだが、それがやがて後期の「別れのワイン」とか「忘れられたスター」になっていくわけなのかもしれない。(おっぺ)
|