感想文等 | 『闇のアルバム』は、「その20 隣の女」を除いて全てのページが基本的に1ページ1コマで、全24話の短編集。 どれも非常にインパクトのある作品だが、「その1 洞穴の女」辺りは、まだ最初ということで、「怪奇な絵で怖がらせよう」という感じかも。本領発揮かと見えてくるのは「その4 しあわせの日々」くらいからか。絵自体のショッキングなインパクト(「その1 洞穴の女」のようなスプラッターはもはや無い)と、これまたショッキングなアイデア、感服するしかない。 忘れられないのは、シンプルなアイデアとハッとする絵の「その5 縄」、いつまでも不気味な「その11 蛾」、不思議と切ない「その12 背後の影」、最後のひとコマでのけぞらせる「その13 見知らぬ女」「その18 再会」など。 が、一番「うワーッ」と思ったのは、「その21 発作」で、これ、例えばストーリーというかプロットというかを、仮に口で幾ら臨場感タップリに話しても無駄だと思う。他の作品はなんとかアイデアやオチで「へー」と思わせられるかもしれないけれど、この「発作」だけは、とにかく最後の最後の1ページ、即ちひとコマの「画力」、これに尽きるから。 小説に文体があるように、コミックには画力がある。楳図かずおは怪奇漫画家と言われるが、その本領はたぶんは心理ホラー&ミステリ作家なのだ。画力タップリの。。。(おっぺ)
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