北鮮の拉致問題

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2003年3月15日〜2003年0月0日
番号 題名 番号 題名
01 誰にでも吠え立てるスピッツ犬 02 今度は外務省が槍玉
03 孤立を恐れずに 04 家族会が政府と直接交渉
05 回答書を再提出 06 如何して???
07 泣く子と地頭には勝てない 08 目次8
09 目次9 10 目次10
11 目次11 12 目次12
13 目次13 14 目次14
誰にでも吠え立てるスピッツ犬 3月15日

(良識ある助言者無き家族会の迷走)

 それにしても家族会とその周辺の他者批判は見苦しい。横田滋さんの訪朝断
念は家族会の統一見解との事だが、多くの者はこれを統制がましく見ているの
が事実だろう。一つ覚えの「一枚岩、団結」は如何にも胡散臭い。田中・長野
県知事が横田滋さん問題で、「横田滋さんは抑圧されているのではないか。
家族会の遣り方は北鮮のマスゲームの様だ」と発言した。これに家族会や救う
会が口汚なく噛み付いた。

 対話や反論を予め拒否しての罵倒で、長野救う会などは田中知事を人間視し
ない罵り様だ。例によって蓮池透等は激しく罵った後で、「講義に出向く積も
りは無い」と言い捨てた。田中知事も歯に衣を着せぬ発言だが、家族会が勝手
に対話拒否したので救われた。訪朝断念の際に横田滋会長が吊るし上げられた
のは、容易に推測出来る。断念した横田滋さんに対して、「会長自身が訪朝し
ないのは、解だと言え」と強要している。田中康夫の発言中での事だそうだ。
は県議会での答弁の特段に間違いがあるとは思えない。

 安明進もそうだが家族会や帰国した拉致被害五人衆の発言は、余りにも一方
的に過ぎないか。安明進は他人の批判や暴露はするが、自らが犯したであろう
非合法には全く触れていない。拉致被害五人衆にしても北鮮での行動は謎の侭
で、当り障りの無いものが僅かに漏らされるのみだ。拉致被害者である彼等が、
次なる被害者を拉致する手助けをしたかも知れないのだ。勿論、脅迫によって
意に反しての事ではあるが。

 何時に成っても代表取材しか許さず、些かでも意に染まない報道にはスピッ
ツの様に吠え立てる。批判されて然るべき振る舞いなのに、危うい姿勢の「一
部マスコミ」が煽り立てる。例の「24年間の慰謝料」発言など、批判材料に
は事欠かない拉致問題関係者だが、内部や周辺に節度ある助言者は居ないのか。
自己都合ばかりの一方的発言ばかりでは、代表取材を良しとしないマスコミや
発言者が出るのは当然で、健全さが辛うじて残っているからだ。
今度は外務省が槍玉

 家族会と拉致問題関係者等が訪米した。昨年ジェンキンス問題浮上時には及
び腰でさえあったのに、この時期に訪米するのは如何かと思われた。しかしイ
ラク攻撃で支援を取り付けたい米国は、予想外に好意的な応対をした。帰国後
の会見でジェンキンス問題が出なかったのは、矢張り色好い返答が無かったか
らか。一行がアーリントン墓地へ参じたのも奇異だが、左胸に右手を当てたの
には此方が気恥ずかしくなってしまった。何ぞの勘違いをしているのだろう。

 帰国後は外務省に噛み付いた。報告で外務省を訪れた家族会等は、更なる支
援と共通認識を求めて川口外相に面会した。その席で家族会が「拉致は国家的
テロなので、政府外務省もその様に断言しろ」と要求、川口外相は「個人的に
はテロだと思うが、テロの法的位置付けは出来ていない」と述べた。
これに蓮池透等の家族会と拉致問題関係者が噛み付いた。世界的にテロの定義
は定まっていないのだから、川口外相の返答は至極まともなものだ。

 しかし川口順子は小泉内閣でも更迭要求の筆頭に在り、一つ覚えの「仮定の
質問には答えられない」を連発する御飾り大臣だ。木で鼻を括った答弁には、
自民党内部でも批判が多い人間。それ故に無用な摩擦を招いた面もあるだろう。
家族会では「米国のアーミテージ米国務副長官は、はっきりと拉致はテロだと
言って下さったのに、外務省はテロだと断言しない」と噛み付いた訳だ。続け
て「外務省は本当に伏魔殿、無為、無能、無策の集団だ」と斬って捨てた。

 発言はテレビ朝日の番組内だったが、解説者が「怒りは分かるにしても、言
い過ぎではないか。外務省を真っ向から敵に回す様な言動は慎むべきだ」と水
を差した。その後も蓮池透や増元照明の勢いは衰えず、読売テレビでは御馴染
みの草野仁等が、御追従で外務省批判を焚き付けるだけだった。アーリントン
での道化振りと云い、家族会周辺には理性ある助言者は居ないのか。報道、特
に新聞や週刊誌での、腫れ物に触るが如き特別扱いが家族会等を増長させてい
る。テレビ局ももうそろそろ、代表取材などという茶番をやめるべきだ。
孤立を恐れずに4月3日

 米英などによるイラク侵略関連報道で、流石に北鮮拉致問題も隅に押しやら
れた格好だ。家族会の横田夫妻等も心配に様子で、近く米国へ際訪問する予定
もある。拉致問題関係者はイラク侵略の正当性よりも、北鮮問題が忘れ去られ
る事を危惧している。家族会や救う会、拉致議連も一つ覚えの様に米国追従を
唱え、早期に終戦を迎えて北鮮問題に政治や世論が動く様に願っている様だ。
横田家でも妻の咲江さんがイラクに厳しく、米国絶対派の様な考えでイラク侵
略賛成と言っている。

 昨年から何かにつけて四面楚歌状態の横田滋さんだが、悪いものは悪いとし
た上で「国連無視の米国は良くない」と明言する。強硬一辺倒の拉致問題関係
者の中で、横田滋さんの良識あふれる素直な発言は救いである。周囲の者もマ
スコミも批判出来なかった蓮池透の「24年間の慰謝料」妄言を、横田滋さん
唯一人が異議を唱えた。訪朝を希望する発言で袋叩きに遭い、無念の会長声明
も強要された。北鮮問題があるから米国に正義が無くてもイラク侵略を支持す
ると云う、何とも情けなく無節操な強硬派の只中でも孤立を恐れずに正論を述
べ続けて戴きたい。

 望む様な言質が取れなかった為に、外務省を口汚なく罵倒した蓮池透・事務
局長の弟、蓮池薫氏は「子供たちが心配だから、川口外相に直訴しようか」と
言っている。強硬一辺倒で罵倒しながら、困った時には縋り付くのは如何にも
身勝手極まる。蓮池夫妻が外務省に託した子供達への手紙は、北鮮が取り次ぎ
をしてくれないそうだ。アーリントン墓参を見ても、強者に諂い弱者に傲慢な
姿勢が露呈した。家族会や救う会などは報道からの、慣行と成っている代表取
材はやめようとの申し入れを拒絶した。マスコミは何時までも特別扱いせず、
節度を保ちながら独自に取材すれば良い。
家族会が政府と直接交渉4月16日

 家族会が15日、外務省を訪れた。イラク戦争の陰になった拉致問題の進捗
状況と、政府の取り組みを質すなどをした様だ。先般の様な罵倒表現はしなか
ったが、今回も期待を裏切られたと言っている。「外務省は各国に拉致問題を、
懸命に訴える事はしている。」「しかし、それだけだ。と会長以下が異口同音
である。通常この様な要望は議員を介するものと思うが、家族会の場合は政府
との直談判が通例化した。そして、TV報道では判で押した如く、何時もの様
な被害者達の声が流された。メディアと家族会の異様な関係は未だ続きそうだ。

 可也以前から言われて来た代表取材は、取り止めるべくされた申し入れが拒
否された。家族会主導の「会見」は陳腐化し、「政治利用はやめろ」との繰り
返しと、居丈高な政府非難が定例となった。一つ覚えの様に政治利用はやめろ
と言うが、政治問題化しているのは家族会等ではないか。拉致問題が政治・外
交問題でなくて、どの様な形で扱えと言うのだろう。外務省内では従前から、
「家族会が政治を動かす」「10人(拉致疑惑)の為に外交が動かない」と言
われて来た。思い遣りには欠けているが、決して外れた意見ではない。

 過去に裏切られ冷たく扱われた事は事実だろうが、家族会の言い分には途で
もない事が多い。24年間の慰謝料は噴飯だったし、テロの定義で外相に噛み
付いたのは只の道化だった。報道など他者批判は盛んにするが、帰国者5人は
自らの経歴に触れないし、触れさせない。自分達の意に染まない取材は、非難
と一方的な断罪を憚らない。今度は横田会長らの訪米の他にも、ジュネーブで
人権に関する訴えもするという。それ等費用を国へ要求する趣旨の発言も、幾
度も聞かされた。他の事例との均衡を考えれば、拉致問題ばかりを特別扱いに
は出来ない。マスコミももう、好い加減にするべきだ。
回答書を再提出4月21日

 政府・外務省は国連人権委員会に提出した回答書の再提出をする事にした。
松木薫さんの遺骨70歳代のものと見られ、本人の遺骨と認める事が出来ない
事。死亡したとされる8人に関して150項目の質問をしたのに、回答がされ
ない事などだ。家族会などの指摘を受けて協議した結果だそうで、この件に関
しては不備を突かれても仕様が無い。
如何して???5月21日

 朝日新聞がジェンキンスさんの住所を掲載した事で、曽我ひとみさんが強く
抗議した。朝日記者が真野町役場でファイルを盗み読み、ジェンキンスさんの
詳細な住所を掲載したと云うもの。曽我さん自身では無く、何時もの様に支援
室などを介しての発言だ。それによれば「詳細な住所を載せた事で、この後で
当該住所へ手紙が届かなくなったら如何する」「朝日新聞記者は役場でファイ
ルを盗み見た」と云うものだ。朝日は謝罪記事を載せ、拉致問題関係者や政府
機関を通じて謝罪したと云う。ファイルの盗み見が如何云うものかは不明。

 詳細な住所を載せる意味も不明だが、だからと言って「届かなくなる・・」
は、何を言いたいのか分からない。曽我さんの手紙は最初、外務省が仲介して
届けようとした。それが拒否されたので直接郵送したのであり、この程度の事
は北鮮政府が掌握しているだろう。内容も検閲済みだろうし、曽我さんも可笑
しな事を言い始めたものだ。朝日新聞が住所を載せた事で、国内の阿房共が悪
戯をする可能性はあるが。

 兎にも角にも拉致問題関係者の御機嫌を損ねる事は、無条件で糾弾される様
に成ってしまった。中山・内閣官房参与が講演した内容が、新たな波紋と成っ
ているそうだ。中山参与は拉致問題関係者寄りとされているが、「拉致問題と
他の問題を切り離して交渉」「帰国している被害者と、北鮮残留家族が自由に
話し合える場があれば・・・」との発言を問題視する向きもあると云う。
特に「自由に話し合える場」と云うのが、第三国での面会を指すものとして、
槍玉に挙げられそうだとの事。中山参与は「報道した産経新聞の誤りで、その
様な意味合いは無い」としているが、現在でははっきりしていない。

 「第三国での面会」案は何度も出ており、決して可笑しな意見でもないし、
実現性のある考えだと思う。しかし第三国案は蓮池一家が強く拒絶しており、
地村夫妻や拉致問題関係者もこれには否定的だ。先に都内で開かれた集会では
蓮池薫が、「どうこう言われる筋合いは無い」と第三国案を拒絶する様な強い
口調だった。これは如何にも増長と見られて、朝日新聞などでは記事には成ら
なかった。

 「自分の意思に反して拉致されたのだから、国内で子供等を待つのは当然」
との意見は分かるが、余りにも拘り過ぎて「アブ蜂取らず」に成らないのか。
テレビ朝日の川村晃司は蓮池透に、第三国案を頭から否定するのは如何かと問
うていたが、聞く耳があるのか無いのか。

 拉致被害五人衆は相変わらずの代表取材、曽我さんも自分の言葉で語らない。
母の消息が知れず、残留家族の事情も他とは異なる。元々弁が立たないのかも
知れないが、神経質過ぎるのも何だかわざとらしく見えて来た。拉致被害者を
出しにする報道や政治家はもう辟易。単なる駄駄っ児に成り掛けた被害者達も、
山本晋也ではないが「あの人達も拉致に協力したのでは」に明確に答えては如
何か。
泣く子と地頭には勝てない6月5日

 政府に対して北鮮から一部、残留家族の訪日に関する打診があったと言う。
伝えられる情報では、曽我ひとみさんの残留家族たるジェンキンスさん一家の
来日だ。蓮池・地村夫妻の家族は対象外で、ジェンキンス一家のみの来日だと
の事。これに対して家族会などが反発、「一家族の帰国のみで幕引きされて仕
舞う」「帰国した5人の家族全員が揃って帰国するので無ければ受け入れられ
ない」として御破算に成った。北鮮高官と田中均・外務審議官との密約とも言
われる。

 前々から拉致問題関係者が主張する様に、「個別(小出し)に対応するのは
その度に交換条件を呑まされる」とか、「個別対応は家族の分断に繋がり、北
鮮を利するだけ」も一つの考えだ。逆に言えばジェンキンス一家の来日を断る
事は、家族会と曽我さんを分断する事にも成るのではないか。北鮮も一番弱い
のが誰か、十分に分かっている筈だ。ジェンキンスさんにしても、来日した場
合の処遇が不安だろう。イラク戦争で日本がポチに成り下がったのに、米国は
ジェンキンスさんを許すとも考慮するとも言わない。

 拉致問題で日本側が不利なのは確かで、人質を持つ北鮮の有利は動かない。
千余人と言われる日本人妻や「拉致された疑いのある」人達、「残留家族」や
「死亡とされる」人達も人質だ。その中でジェンキンス来日拒否は、北鮮にす
れば「訪日させると言ったのに、日本が断ったのだ」と強弁出来る。曽我ひと
みさんも堪らないだろう。如何して全員を帰国させないのかにしても、「段階
を踏んで・・」と言い訳出来る。

 家族会や拉致議連が外務省に揺さぶりを掛けている。田中均・外務審議官の
更迭要求と、「テロ」文言の扱いだ。対北鮮穏健派の田中均の言動が、国益に
反して北鮮を利するとの理由だ。外交問題は水面下の事柄が多く、拙速な評価
は避けたいが、それにしても家族会は政治に口出しが多い。政治家を通さずに
人事に口出しするとは、圧力団体そのものだ。二言目には外交カードにするな
と言いながら、対米姿勢等は外交そのものだった。物言えば唇寒しの中で、家
族会を批判出来るのは、川村晃司など極少数に成ってしまった。

 今日の国会では「テロ」が話題だった。小泉首相が「拉致はテロ」と断言、
川口外相も右に倣えになるらしい。「拉致は北鮮の、許されぬ国家犯罪」と言
うならば当然だが、法的に定義されていない「テロ」を米国も言うからとの理
由で使うのは戴けない。家族会や拉致議連、米国がテロと言えば、それに逆ら
えなく成ったのか。米国ですら何がテロで、誰がテロリストかの定義は確立し
ていないと言われる。
題名8日付け

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題名9日付け

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題名10日付け

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題名11日付け

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題名12日付け

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