■2001年11月7日

   この日は夕方までスケジュールは入っていないので、朝ものんびり起床。朝食後、プールサイドのパラソルの下で夕べ失敬してきたものを読書する。たまにプールの水に浸り、そしてビール・カクテルを注文。辺りには数人しかいなくて、まさに静寂に包まれた空間だった。昼はそこでヌードルスープを頼んだが、この味は絶品だった。
   夕方からはOjiカヤックDeジャングル。ホテルまで車で迎えに来てもらい、タンジュンルー方面まで移動、途中、アンダマンに宿泊しいていた女性の2人組が乗り合わせる。話を聞いていると大阪からきたらしい。そして簡単に挨拶。小さな船着場からボートで洋上の養殖場兼建物まで移動し、そこから2人1組でカヤックに乗り込み、練習のあと、マングローブ林に向けて漕ぎ出した。
   水面は静かでほとんど波はない。河口近くのこの川は、プランクトンが多いため水は濁り気味だが、そのためにたくさんの魚が住み着き、自然の生態系が守られている訳だから、それは我慢しなくては。 漕ぎ始めは広かった川幅も上流に行くにつれて徐々に狭くなっていき、すぐ脇にはマングローブの根が剥き出しになっているところまで上ってきた。見上げてみると頭の上には樹木と葉が生い茂り、ちょっとした探検家気分だ。鳥のさえずり、虫と音、まわりからは自然が発する音しか耳には届かない。コウモリのいる洞窟に入ってみると、手のひらに乗るほどの小さくて真っ黒いコウモリが石の壁にびっしりへばり付いていた。

   再び広い川幅のところまで戻って、そこでアイスティーとお菓子を尾島さんからいただく。カヤック上でのおやつには驚いたが、そこの飲むアイスティーは格別だった。この日は残念ながらきれいな夕焼けを見ることができなかったが、晴れていれば幻想的な南国の夕焼けが拝むことができるらしい。ぎりぎりまで雲が消えるのを願っていたが、その思いは通じなかった。 洋上の養殖場に着いてからウエットスーツを脱いで、シャワーを浴びる。着替えの準備が終わるとテーブルの上には手作りのマレーシア料理で覆われていた。ボリューム十分、味ちょっと辛口。ビールで乾杯するが、その味は最高に美味い。日は完全に沈み、たまに魚が跳ねる「ポチャ」という音だけが聞こえる。食事が終わり、船着場まで戻る間には夜光虫が見送ってくれた。ボート脇から水面に手を入れると指の間から零れ落ちる宝石のような光。舳先に船着場の明るい光が見え始めると、夜光虫も姿を消した。


■2001年11月8日

   今朝は少し雲があるものの天気はいい。この日は朝食後にホテルのすぐそばにあるダタイゴルフコースに行った。フロントはこじんまりしていて人も疎ら。シューズとクラブを借りて、カートに乗り込みティーグラウンドへ。勿論、キャディーはいない。前の組の姿は既に視界になく、後続もいないようだ。今日はリラックスしてラウンドができる、よし、がんばろう、ということでドライバーを握ってラウンドを始めた。
   熱帯らしく、コースを外れるとそこはジャングル。何かとてつもない動物が飛び出して起草出し、茂みが深くてとてもボールを見つけることは出来ない。コース上にはスコールが降るために枯れた小川のようなものが何本も横断していた。驚きだったのはサルの群れに遭遇し、プレーを応援してくれたことだ。親ザルに子ザル、木の上や茂みの中を走り回り、そしてコースのラフでジャレ合う。油断するとボールを持っていかれることもあると地元の人は話していた。一応、記念撮影!
   ハーフが終わりオープンテラスのレストハウスで昼食を取っていると、急に雲行きが怪しくなり、突然、激しい雨が音けたたましく降り出した。あまりにも雨粒が大きく量が多かった(それともボロかったのかは定かではないが)ので雨漏りし始めるし、外に近いところの床にも雨水がたまってきてしまったので、屋根がついているテラスの中央部分に避難し、食事をしながら雨が止むのを待つことにした。しかし、時間が経ってもその兆候は全く見られず、仕方なくフロントでハーフでのチェックをお願いしほてるに戻ることにした。ホテルに戻りしばらくすると、ようやく小雨になり、うっすらと空が明るくなってきた。

   もともと夕方までゴルフの予定だったのに早く戻ってきてしまったので、マンダラスパを予約することにした。空いていたおかげですぐ対応してもらえることに。いろいろとコースがあるけれども、その中で2番目にお勧めのダタイ・ドリームというものにした。ホテルのメイン棟から歩いて5分くらいの海側に歩いていくと茂みの間に専用の建物が姿を表す。フロントで手続をするとその奥にある小さな小屋に案内された。部屋の中には2つのベッドと石風呂があり、その奥は小川が流れ、緑の樹木に覆われている。
   部屋に入るといきなり「全部脱いで、この下着に着替えてくれ」といわれ、初めての経験で何をされるのかと面を食らったが、すぐに着替えてベッドに横になる。甘いオイルの匂いがかすかに鼻をつき、マッサージが始まると顔の下に置いてある花の香りが眠りを誘い、その心地よさから記憶が遠のいていった。60分のコースで中身はそれなりに良かったが、値段がもうリーズナブルであれば申し分がなかった。

   この日の夕食は、島のレストランの中で一番人気があるといわれているボントン。ホテルからタクシーに乗って30分くらいで空港近くのパンタイチェナンの海沿いにある店だった。入り口を入ると、まずは鮮やかなエスニック雑貨類が目に飛び込んでくる。その先にはオープンテラスになっていて、かすかに海の向こうに沈む夕陽がうっすらと見える。テラスのまわりにある照明が、また雰囲気を盛り上げ、波の音とともに、一層2人の世界をつくりだした。
   お客は日本人のカップル1組しかいない。 雰囲気&夕暮れ時の景色は抜群。しかし、足元には懐かしい蚊取り線香の煙が、海風でゆらゆらとしている。気休めなのかランカウイの蚊には効かないようで、ちょっとすると脚は黒い小さな斑点(蚊)がここぞとばかりに寄ってたかってきて、気になって仕方ない。食事もそこそこにして早々と退散することにした。味はよし、しかし長ズボンは欠かせない。ホテルに帰ってキンカンを塗ったが、なかなかシツコイようで、カユミはその晩に止まらなかった。


■2001年11月9日

   ランカウイの朝は毎日快晴という訳ではないようだか、朝食が終わる頃には、肌を刺すような陽射しに生まれ変わる。この日は、午前中はプールサイドでのんびり過ごし、午後になってから車をチャーターして、島内を隈なくまわった。普通の旅行者が回らないローカルな住宅地や小学校など、島内の子供たちとも出会う。途中で車を止めてもらって、少し歩いてみる。日本の田舎の風景、そして匂いがする。道路の脇や庭には子供が走り回っていた。屈託のない笑顔と透明のビニール袋に入れてあるコーラを美味しそうに飲む姿がとても印象的だった。
   展望公園からの眺めは、眼下にランカウイ空港とパンタイチェナン・テンガーが見え、きっと夜景ならもっと景色が美しかったに違いない。地元のちょっとしたデートコースにもなっていると、あとから耳にした。夕食の前にパンタイチェナンのビーチに出て、夕陽を見たかったが、この日も水平線上に雲がかかっていて、残念ながら期待していたサンセットを見ることが出来なかった。どうやら夕陽に避けられているらしい。
   夕食はメイヒャン。日本語のメニューもあり、お店のマスターも人当たりがいい人だった。ただ料理の味付けが濃かったかも。あとで喉が渇いて仕方がなかった。その勢という訳ではないが、ホテルに戻ってから2人で夜遅くまでバーでグラスを傾けた。ランカウイで過ごす新婚旅行最後の日。出会った頃や結婚までのいろいろな話に時間が経つのを忘れていた。


■2001年11月10日

 ランカウイ最後の日、今日は朝から陽射しが強い。朝食のバイキングを食べてから、プールサイドで横になり、最後の読書。のんびり何も考えず、ただ時の流れに身を任せ・・・。ビーチにも出て写真をたくさん撮る。強い陽射しが海に差し込み、これまでより一際きれいに見える。遠くタイの島々が海の向こうに姿を見せていた。
 夕方までホテル内で過ごし、空港へ。空港内のショップなどは以前と違っていたが、雰囲気はそのままだった。懐かしく思い出の島との別れのときが刻一刻と迫ってくる。時間は容赦なく過ぎ去っていき、搭乗手続きをして待合室へ。
 ランカウイに来て早7日、あっという間に時間が過ぎていった。楽しい思い出とともに、ランカウイの空港を後にし、クアラルンプールへ。飛行機の窓から、三度、この地を訪れることを誓って・・・


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