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OTOMO KATSUHIRO Comics
BOOGIE WOOGIE WALTZ
- 綺譚社
- 発行:1982年5月5日
- 262p
- A5 版
- 定価 1000円
- 備考:あとがきが印刷された二つ折りの紙が入っている
収録作品
タイトル | 頁数 | 初出/再録 |
BOOGIE WOOGIE WALTZ | 23 | 週刊漫画アクション '74年4月25日号 |
目覚めよと呼ぶ声あり | 23 | 週刊漫画アクション '74年8月15日号 |
心中——'74秋── | 23 | 週刊漫画アクション '74年10月3日号 |
暗夜行路 (傷だらけの天使・1) | 23 | 週刊漫画アクション '74年10月31日号 |
パック 糞面白くもなかった今日の終わりに (傷だらけの天使・2) | 23 | 週刊漫画アクション '74年12月5日号 |
短距離走者の連帯 (傷だらけの天使・3) | 23 | 週刊漫画アクション '75年2月6日号 |
醜悪の軋み (傷だらけの天使・4) | 23 | 週刊漫画アクション '75年3月6日号 |
チュンパラブギウギチュンパラブギ (傷だらけの天使・5) | 21 | 週刊漫画アクション '75年6月5日号 |
辻斬り | 24 | 漫画アクション増刊 '75年8月23日号 |
ROCK (傷だらけの天使・7) | 22 | 週刊漫画アクション '75年11月27日号 |
鏡 | 20 | 漫画アクション増刊 '76年1月3日号 |
あとがき(いしかわじゅんとの対談) | 2 |
コメント
広告:マンガ奇想天外 No.10
(1982年5月)
綺譚社から出版された他選作品集第2弾。これも通信販売のみ。デビューから8作目の「Boogie Woogie Waltz」から、シリーズ「傷だらけの天使」をはさんで '76年1月の「鏡」まで、大友克洋の初期作品をまとめた単行本になっています。この時期の絵は今とは全く違っていて、はっきり言えば古くさい (^_^;)。劇画タッチです。ただ、それは今の大友克洋の絵と比べて、ということであって、当時これらの作品群は非常に斬新なものだったに違いありません。また、もちろん今の大友克洋に通じる技法などは随所にあるわけで、「大友克洋のルーツ」を知るためには必読の一冊です。なお、各作品の内容は「ハイウェイ・スター」収録の「スカッとスッキリ (傷だらけの天使・6) (漫画アクション '75年8月7日号掲載)」を思い描いていただくと、近いのではないかと思います。
…と、上記のように書いたのは1999年のこと。それから13年。管理人の経験値も上がり、今のこの本に対する思いは上記の説明とは随分変わりました。ただ、大友克洋作品に余り触れたことの無い方へは有効かもしれないと思うのと、かつて自分はそう思っていたという記録のため、そのまま残しておきます。さて現在はどう考えているか。『boogie woogie waltz』収録作品は、2012年現在単行本未収録の最初期作品と共に、マンガ家大友克洋の壮大な実験を時系列に見せてくれる、マンガ史的にも極めて重要なものだと思っています。「傷だらけの天使」シリーズを含め、この時期における試行錯誤の末、マンガ家大友克洋の個性として必要なもの、不要なものが明確になり、「ハイウェイスター」以降のより「マンガ」的な作品群に繋がっていったと考えられます。そういったことから、この本は大友克洋の軌跡、成り立ちを知るために無くてはならないものと言えるでしょう。(2012.6.20追記)
なお、発売前は「BOOGIE WOOGIE WALTZ Part II」という仮タイトルが付いていたことが、広告からわかります (左画像参照)。これは、「GOOD WEATHER」収録の同名作品との混乱を防ぐためだと思われますが、実際には「Part II」の文字は外されました。もともと同名作品が2つあるのだから、混乱は仕方のないところでしょう(笑)。ちなみに、この広告のバックに使われている絵は、単行本未収録作品「ONE DOWN (漫画アクション '74年7月4日号掲載)」の扉絵です。当初の企画では「ONE DOWN」も収録される予定でしたが、作品の出来に問題があったようで実現しませんでした。
ちなみにこの本は「GOOD WEATHER」よりもさらに「出したくない」作品を集めているのですが、これはこの後に公開した「じゆうを我等に」の映画制作費捻出のための発行だったそうです(あとがきでバラしています)。
カヴァー原画は大友克洋ですが、着色は、日本画壇の大家、横尾忠則によるもの。合作イラストです。大友ファンには「原画だけも見てみたい!」という向きもあるでしょうが、残念ながら原画は残っていません。当時「あの横尾忠則さんに描いていただくのに、コピーは渡せないだろう」といって、直接原画に着色してもらってしまったのです。ということで、着色前の絵を見ることはできないのでした。残念 (もしかしたら、原画のコピーが残っている可能性もあるかもしれませんが‥‥)。
初版と第2刷の見返しの紙の違い
なお、初版と第2刷(以降/但し1985年の第5刷しか確認していません)とでは、見返しの紙が異なっています。初版は模様入りの和紙ですが、第2刷では金色の紙になっています (右画像は左が初版で右が第2刷。金色に表紙裏の赤が映っています)。中身は全く同一ですので念のため。
現在、入手は困難ながらも、希少コミック専門の古書店では全く見つからないというわけではないようです(「GOOD WEATHER」よりも人気が低いということか。さもありなん)。ただし、定価の3倍以上の値段はするようです。それと、あとがきの紙が入っているかどうかの確認は忘れないように!
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