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OTOMO KATSUHIRO on Magazines

BRUTUS '12年4月15日号 大友克洋、再起動

BRUTUS '12/4/15
  • マガジンハウス
  • 2012年4月15日発行
  • 130p
  • A4
  • 特別定価 650円
  • 雑誌27753-4/15
 
表題spacer 著者 頁数
2012年 大友克洋、再起動。(バイオ俯瞰)
1973―2007年 大友克洋というインパクト。(特集扉) 編集部 2
2012年 大友克洋、再起動。 編集部 2
再起動1:新連載マンガ・証言者:勝木大(『週刊少年サンデー』担当編集者) 編集部 4
再起動2:新作アニメ・証言者:土屋康昌(サンライズ) 編集部 4
再起動3:原画展・証言者:佐藤直樹(アートディレクター) 編集部 4
大友作品の鑑賞講座・第1講:都市と建築論。 【解説】五十嵐太郎 4
大友作品の鑑賞講座・第2講:マンガ的表現論。 【解説】伊藤剛 2
大友作品の鑑賞講座・第3講:美術と表現論。 【解説】山下祐二 2
対談/井上雄彦×大友克洋 -- 6
『AKIRA』1/20 編集部 2
特別付録1:大友克洋、再入門。
大友克洋年表&作品解説 編集部、ショート・ピース/鈴木謙介、ハイウェイスター/宮沢章夫、幻魔大戦/名越康文、童夢/倉本美津留、AKIRA/松岡正剛、ワールドアパートメントホラー/森直人、老人Z/小林エリカ、MEMORIES/野村訓市、メトロポリス/五十嵐太郎、スチームボーイ/布施英利 6
大友克洋と私/私的大友克洋論 メビウス:ジャン・ジロー、ギレルモ・デル・トロ、マイケル・アリアス、石井岳龍、SABU、渋谷慶一郎、矢内原美邦、会田誠、名和晃平、鈴木康広、戌井昭人、大宮エリー、浅野忠信、江口寿史、川田十夢 4
大友・愛(1)/アトランタ編:ジョー・ピーコック 編集部 4
大友・愛(2)/福岡編:『金田のバイク』 編集部 2
大友克洋との仕事 由利耕一 4
切り貼りしてわかった、細部へのこだわり。 川村康輔 1
特別付録2:『AKIRA』シール
『AKIRA』カラー原画 編集部 2
カラーイラスト原画 編集部 2
大友作品の数々はココから生まれた。 編集部 8
大友克洋インタビュー:いま再起動する理由。 編集部 4

コメント

芸術新潮 '12年4月号』に続き、GENGA展がらみの大友克洋特集誌第2弾。BRUTUSでの大友克洋特集は2007年1月1・15日号以来の2度目。芸術新潮とは対照的な、モノクロの「AKIRA」原稿1ページを活かした表紙が目を引きます。特にこの「アキラはまだ俺達の中に生きてるぞ!」という台詞は、今のファンの気持ちを代弁したものと言えるかもしれません。

さて特集は75ページに及ぶ長さで大ボリューム。冒頭で大友克洋キャリアの全体像をさらっと紹介したら、いきなり「新連載」の紹介へ突入。発売直前にTwitterで「新連載マンガは、担当編集者の13年越しのラブコールの末に成立した」なんていうリークがあったため、事情通には小学館ということがバレてましたが、記事ではまさにその担当編集者が、如何にして連載を勝ち取ったかが詳しく記されています。続いては新作アニメ「火要鎮」。芸術新潮の記事よりも更に詳細に内容を伝えてくれていて、間もなく行われる試写、そして公開を期待させます。そして原画展の記事では、わーっと広げられたカラー原稿のなかに佇む大友克洋の写真が圧巻。全てが待ち遠しくなる記事です。

続いて、特集にはつきものの解説系記事。都市論はなかなか面白いと思います。第2講の著者は「テヅカ・イズ・デッド」での大友論が酷くていい印象がなかったのですが、今回も「又聞きありき」の論の展開が情けない感じ。第3講は、どうせならもっと掘り下げて欲しい。そして井上雄彦×大友克洋の対談。正直、これはあまり内容が無いように思えました。

この後は、大量の原画の紹介が始まりますが、そこに挟まれたB5サイズの「大友克洋、再入門。」と題した綴じ込み付録。これは2007年1月1・15日号の「WHO IS KATSUHIRO OTOMO ?」の焼き直し記事に、新たな著名人への取材を加えたもの。面白いのは、「AKIRA」ヤンマガ掲載時の担当編集者で、後のアフタヌーン編集長、そして定年の置き土産として「KABA2」を上梓した由利耕一のインタビュー。大友克洋を研究するにあたって最も重要な関係者の1人でありながら、立場上表に全く出てこなかった方の言葉は非常に重要です。どの部分も興味深いですが、特に「AKIRA発動シーン」の作画にまつわる話には感動しました。

そしてまたやってくれましたBRUTUS。BRUTUS編集部は作家の仕事場、書棚を見るのが好きですね。なんと8ページに渡って仕事場、書棚を紹介。しかも随所に大友克洋のコメント入り。目を皿のようにして魅入ってしまう写真の連続です。中でも意外というか、今まで全く語られていなかったのが、ゲーム類。RPGやアクションゲームにハマっていたとは。しかも今は「モンハン1人じゃ勝てないんだもの」みたいなコメントまで。『覇王』の時にはゲームは全くやらないと言っていたのに、その後変わったんですね。ゲームって時間が取られるからなぁ。時間があるときじゃな(以下略)。

トリはインタビュー。3.11の災害時の話からGENGA展の話、AKIRA執筆時の話、そして今現在の話。またしてもインタビュー自体は2ページと短めですが、興味深い話が濃縮されていて読み応えがあります。

これだけの内容で650円。しかもステッカー付き…このステッカーはイマイチ感が強いですが…とりあえず、大友ファン必携の一冊です。そして古書店で安く見つけたら買って、ステッカーをペタペタ貼りましょうw

 

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