OK Features | OK Voices (2005-present) | Home | BBS | Links OTOMO KATSUHIRO on MagazinesBRUTUS '12年4月15日号 大友克洋、再起動
コメント『芸術新潮 '12年4月号』に続き、GENGA展がらみの大友克洋特集誌第2弾。BRUTUSでの大友克洋特集は2007年1月1・15日号以来の2度目。芸術新潮とは対照的な、モノクロの「AKIRA」原稿1ページを活かした表紙が目を引きます。特にこの「アキラはまだ俺達の中に生きてるぞ!」という台詞は、今のファンの気持ちを代弁したものと言えるかもしれません。 さて特集は75ページに及ぶ長さで大ボリューム。冒頭で大友克洋キャリアの全体像をさらっと紹介したら、いきなり「新連載」の紹介へ突入。発売直前にTwitterで「新連載マンガは、担当編集者の13年越しのラブコールの末に成立した」なんていうリークがあったため、事情通には小学館ということがバレてましたが、記事ではまさにその担当編集者が、如何にして連載を勝ち取ったかが詳しく記されています。続いては新作アニメ「火要鎮」。芸術新潮の記事よりも更に詳細に内容を伝えてくれていて、間もなく行われる試写、そして公開を期待させます。そして原画展の記事では、わーっと広げられたカラー原稿のなかに佇む大友克洋の写真が圧巻。全てが待ち遠しくなる記事です。 続いて、特集にはつきものの解説系記事。都市論はなかなか面白いと思います。第2講の著者は「テヅカ・イズ・デッド」での大友論が酷くていい印象がなかったのですが、今回も「又聞きありき」の論の展開が情けない感じ。第3講は、どうせならもっと掘り下げて欲しい。そして井上雄彦×大友克洋の対談。正直、これはあまり内容が無いように思えました。 この後は、大量の原画の紹介が始まりますが、そこに挟まれたB5サイズの「大友克洋、再入門。」と題した綴じ込み付録。これは2007年1月1・15日号の「WHO IS KATSUHIRO OTOMO ?」の焼き直し記事に、新たな著名人への取材を加えたもの。面白いのは、「AKIRA」ヤンマガ掲載時の担当編集者で、後のアフタヌーン編集長、そして定年の置き土産として「KABA2」を上梓した由利耕一のインタビュー。大友克洋を研究するにあたって最も重要な関係者の1人でありながら、立場上表に全く出てこなかった方の言葉は非常に重要です。どの部分も興味深いですが、特に「AKIRA発動シーン」の作画にまつわる話には感動しました。 そしてまたやってくれましたBRUTUS。BRUTUS編集部は作家の仕事場、書棚を見るのが好きですね。なんと8ページに渡って仕事場、書棚を紹介。しかも随所に大友克洋のコメント入り。目を皿のようにして魅入ってしまう写真の連続です。中でも意外というか、今まで全く語られていなかったのが、ゲーム類。RPGやアクションゲームにハマっていたとは。しかも今は「モンハン1人じゃ勝てないんだもの」みたいなコメントまで。『覇王』の時にはゲームは全くやらないと言っていたのに、その後変わったんですね。ゲームって時間が取られるからなぁ。時間があるときじゃな(以下略)。 トリはインタビュー。3.11の災害時の話からGENGA展の話、AKIRA執筆時の話、そして今現在の話。またしてもインタビュー自体は2ページと短めですが、興味深い話が濃縮されていて読み応えがあります。 これだけの内容で650円。しかもステッカー付き…このステッカーはイマイチ感が強いですが…とりあえず、大友ファン必携の一冊です。そして古書店で安く見つけたら買って、ステッカーをペタペタ貼りましょうw OK Features | OK Voices (2005-present) | Home | BBS | Links |
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