OK Works 8 (2006-present) | OK Features | OK Voices (2005-present) | Home | BBS | Links OTOMO KATSUHIRO on MagazinesBRUTUS '07年1月1・15日号 大友克洋 新解説
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映画『蟲師』の公開に先がけて、新作マンガ、インタビュー、年表に作品解説、著名人のコメントという豪華な内容の別冊付録を付けた特集が組まれました。雑誌はBRUTUS。それまで全く縁の無かった、マガジンハウスの看板雑誌の一つ。この後長いつきあいが始まるその第1弾だったわけですが、表紙からして気合いが入っています。今時の若者のイラストかと思いきや、下半身部分のカラフルなラクガキ風書き込みの凄いこと…。後に『KABA2』にしっかり収録されましたが、2007年当時は大友克洋の新機軸を感じるものでした。 別冊付録は右画像。雑誌本体より少し小さく、B5版です。しかし一冊丸ごと大友克洋特集という、ありそうでなかったタイプのもの。その巻頭を飾るのは、なんと2001年の「ORBITAL ERA」以来5年半ぶりとなるマンガ作品の「公園」。…その素晴らしいこと。2006年の画、感覚で『ショート・ピース』や『GOOD WEATHER』期の、何気ないけれどもちょっと変な日常を切り取ったような非ドラマの世界。これを美しい線と彩色で読ませる至福の17ページ。大友克洋ここにあり!といった作品というのは大げさでしょうか。ちなみにこれもカラー作品でありながら『KABA2』に収録されなかったのは、来るべき次の短篇集の目玉として残しているのでしょうか。 年表、作品解説はあまり面白いものではありませんが、それなりに情報がまとまっていて便利な人には便利でしょう。興味深いのは、続く「大友克洋と私」。超大御所であるメビウスをはじめとして、各界の著名人のコメントがこれだけ沢山収録されているのも珍しい。そしてインタビュー。上記目次では4ページとしましたが、インタビュー部分は2ページのみ。分量のせいもありますが、ちょっと突っ込みの足らない内容です。ただ、かなり具体的に海外移住の話が進んでいた(けれど実行されなかった)ことが明かされているなど、興味深い点もいくつかあります。それよりもファンにとって楽しいのは、仕事場の写真でしょう。映り込んだ様々な物品が大友克洋の創作と関連しているものならば、これほど興味深い資料はありません。 最後に4ページ、『蟲師』の記事がありますが、プロデューサーの小椋悟のコメントが引用されている程度で、あまり充実したものではありません。 通常より少し高い特別定価だったものの、かなりの数が売れたため、2012年現在も入手はさほど難しくないでしょう(プレミアなどは付いていません)。ただし、肝心の別冊付録が欠落している場合があるので、入手の際はそれに気をつけてください。 OK Works 8 (2006-present) | OK Features | OK Voices (2005-present) | Home | BBS | Links |
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