パンドラの箱の悪魔

1999年6月25日発行
著者  広瀬隆
発行者 安藤龍男
発行所 日本放送出版協会
印刷所 啓文堂 近代美術
製本  田中製本

 NHKから出た第二弾。前著「地球の落とし穴」に比して本来の広瀬隆節が発揮されているのではなかろうか。

はじめに 猫の首に鈴をつける

第一話 オリンピアの祭典
ワールドカップ、オリンピック利権の説明と日本への警告

第二話 壮大な核スキャンダル

第三話 妖しいダイヤモンドの輝き

第四話 虚栄の市(ヴァニティー・フェア)

第五話 プール一滴の毒
名著「奪われし未来」の感慨文 環境ホルモンにまみれていた自身の若年時代を振り返り警告

第六話 二番目の陽もまた沈む
「誰にもわかる核融合の話」核融合炉への警告

第七話 水田が見えない風景
日本と世界の食料戦略、遺伝子組み換え食品への警告

第八話 開かれたパンドラの箱
文芸復興、芸術家、職人、宗教に対する私見

本書の内幕としてのあとがき

NHKからの2冊目ということで編集側の検閲も甘くなってきたのではないのか。広瀬隆に対する期待のあらわれだと、このような内容の本が出たことを素直に喜びたい。・・・浅はかな喜びなのかもしれないが。木曜通信と読み比べれば、ソフトで読みやすく、個性が薄まっていてよろしかろう。しかし、1999年7月、ついに月刊宝石も休刊になってしまった。広瀬隆はこれからどこで作品を発表していくのだろうか?まさか週間宝石?

最後に、私がHP上で再三にわたり指摘していた「広瀬隆最大の謎の図版」が、この単行本ではついに表紙を飾る事態に発展してしまった。これは一体どうしたことか?まさかこれがパンドラの箱だとでもいわんとしているのか?図版の謎は深まるばかりである。

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