アブラアン-ルイ・ブレゲによるトゥールビヨンの特許取得から220周年を記念し、ブレゲは「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」を発表した。数量限定35本での販売となる。
アブラアン-ルイ・ブレゲによる偉業のひとつ、トゥールビヨンの発明を称える記念限定モデル
かの有名なアブラアン-ルイ・ブレゲがトゥールビヨンの特許を取得したのは、1801年6月26日のことであった。この記念すべき発明から220周年を迎えた今年、ブレゲはその功績を称え、数量限定の記念モデル「クラシック
トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」を発表した。
ブレゲ「クラシック トゥールビヨン エクストラフラット アニバーサリー 5365」
5時位置に配されたトゥールビヨンが目を引く一本。エレガントさの際立つ薄型ケースを実現させているのは、わずか3mm厚の自動巻きトゥールビヨンムーブメント、Cal.581である。同ブランドらしく、ダイアル上にはシャープなギヨシェ装飾が施されている。自動巻き(Cal.581)。33石。2万8800振動/時。パワーリザーブ約80時間。18KRGケース(直径41mm、厚さ
7.08mm)。3気圧防水。世界限定35本。1927万2000円(税込み)。
今作の最大の特徴は、5時位置に配されたトゥールビヨンと、そのためにわずかにオフセットされたダイアルだろう。トゥールビヨンのアッパーブリッジにはブルースチールが用いられており、大きな開口部を強調している。
ゴールド製のダイアルには、同社の得意とするギヨシェ装飾が、手作業で操作される往年のギヨシェマシンによって施されている。中央部はわずか0.25mm間隔で交錯するクル・ド・パリ装飾が施され、そのシャープさは審美性を高めると共に、光を乱反射させることによりダイアルをマットに見せ、視認性をも向上させている。ダイアル外周にはグレンドルジュ模様が施され、ダイアル全体を引き締めている。
トゥールビヨンのアッパーブリッジには、珍しくブルースチールが採用されており、その存在を主張しつつも同じくブルースチール製のブレゲ針に調和している。「Brevet
No 157」は、アブラアン-ルイ・ブレゲの発明に対して認可された「特許第 157号」を表している。
ケースは「クラシック」コレクションの特徴を踏襲し、側面にはコインエッジ装飾が施され、ラグはケースにロウ付けされている。驚くべきは、自動巻きトゥールビヨンを搭載しながらもケース厚を7.08mmに抑えているところである。ケースバックからは、その薄さに貢献するムーブメントを鑑賞することができる。
優雅な曲線を描くブリッジには、アブラアン-ルイ・ブレゲがトゥールビヨンの特許登録時に用いた機構図が、繊細な彫金によって再現されている。その他、香箱には「Anniversaire
1801-2021」の文字が、トゥールビヨンのブリッジには「Brevet No 157 Du 7 Messidor An
IX」の文字が刻まれており、時計史に燦然と輝く偉業を称えようとする同社の姿勢をこれでもかと感じることができる。
そして、自動巻きでありながらこれらのデザインを思う存分楽しむことができるのは、ムーブメント外周に配されたペリフェラルローターによるものである。
ムーブメントのブリッジに施されているのは、トゥールビヨンの特許登録時に用いた機構図の彫金である。現在では実力を持つ複数のブランドがトゥールビヨンウォッチを製作しているが、今から220年もの昔、確かにその原点があったことに畏敬の念を抱かずにはいられない。
今作は世界限定35本のみが用意され、それぞれにシリアルナンバーが付与されている。この35という本数は、アブラアン-ルイ・ブレゲが存命中に製作したトゥールビヨンの数と同じである。