語る「万華鏡」

(「レッツ・ダンス・オン!」に書き足す)

レッツ・ダンス・オン!(れっつだんすおん)

項目名レッツ・ダンス・オン!
読みれっつだんすおん
分類コミック

作者
  • 三原順(おっぺ)
  • 公的データ
  • はみだしっ子」シリーズPart6(おっぺ)
  • 感想文等
  • 印象の濃淡ということで言えば、「動物園のオリの中」同様にあまりピンと来るエピソードでない。
     ひとつには、前回が濃密な中編「階段のむこうには…」だったから、というのがあるだろうし、もうひとつは、私個人が「ダンスして発散する」という行動に経験も関心もない、ということがあっただろう。
     グレアムアンジーがディスコで激しく踊り、その感情の放出の中で、特にグレアムの「殻」が損なわれて行く――これは、のちのちの「トリスタン」でいかにも陽気そうにピアノを弾くグレアムの「前哨戦」なのかもしれないが……
     ひとつ記憶に残る部分を挙げるなら、ダンスで荒れ狂ったあと、それを振り返ってアンジーが言うセリフ……「あれは刹那的だ」と――。
      あそこ…せつな的だ
      離れ小島でひとり遊びしてるみたいだ…
     むしろ、この評価こそが読んでいた私にもしっくりくるものだった。一過性の、本当に一時の感情の狂奔。それは、酒にしろ、他の何かにしろ、決して「解決」ではないし、読んでいた当時の私には「逃避」にしか思うことさえ出来なかった、だから、このエピソードにはあまり……そういうことなのかもしれない。
     そしてグレアムは独りごちている。
      ボクはもうボクなんか信じないよ…
     この言葉は私の中のどこかに、根を据えて居座ってしまっている言葉だ。。。
      手を握りあうよりもっと強い助けを…
      さもなくば手を握る相手もいらない
      ――いっそすっきりあきらめがつく――
     グレアムは、ここで初めてのように認識した。自分に対してさえ捨て鉢になっていても、例えばマックスを「ダシにしていれば」、自分を自分で支えられる。。。
     キャプテン・グレアム。。。
     そして、グレアムはその認識をずっと引きずっていくことになるのだ。。。(おっぺ)
  • 作者
  • 作家・監督等
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