語る「万華鏡」

(「さらば提督」に書き足す)

さらば提督(さらばていとく)

項目名さらば提督
読みさらばていとく
分類ミステリドラマ

作者
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  • 公的データ
  • 刑事コロンボシリーズ。西海岸に住むオーティスの造船所創立パーティー会場での事件をコロンボが名推理で解決する。(おっぺ)
  • ある夜、造船会社のオーナーである「提督」ことスワンソンが自宅で殺害される。彼の娘婿チャーリィが凶器の指紋をぬぐい、ヨットで死体を海に捨てた。捜査を開始したコロンボはチャーリィが犯人であると確信するが…。

    脚本:ジャクソン・ギリス
    監督:パトリック・マッグーハン(「プリズナーNo.6」)
    ゲスト:ロバート・ボーン
  • 感想文等
  • これは、旧シリーズ45本中、唯一のフーダニット
     ここで趣向として憎いのは、最初のうち、普段通りの倒叙もののように見せかけて進んでいくところ。「歌声の消えた海」で犯人役だったロバート・ヴォーンが、同じように淡々と死体の始末などしているので、観ている方は、ロバート・カルプやジャック・キャシディのように、ロバート・ヴォーンもまた再びコロンボの犯人役をやっているんだなと思いながら観てしまう。
     そしてコロンボが登場し、いつものように鋭い観察眼と推理でロバート・ヴォーンを追及し始める。いつものように、、、ところが、突然ヴォーンが死体で発見されてしまうのだ。
     これこそまさしく「だまされたコロンボ」であり、だまされた視聴者だった。これほど意外な展開はこれまでのコロンボではあり得ないことだったわけだから。
     「二つの顔」も或る意味フーダニットの要素は持っていたけれど、とにかくマーティン・ランドーが犯人なのは決まっていたし、ずるいと言えばずるい形だった。それがこの「さらば提督」は堂々のフーダニット、それもコロンボも視聴者も思いきり背負い投げを喰わしておいてのという人を食ったやり方で挑んできたのだ。それだけで、この「さらば提督」にはシャッポを脱いでしまう。
     で、肝心の本格ミステリとしての謎解きの論理の部分はどうかというと、、、これはちょっと曖昧で、弱くないか、というのが正直のところ(^^;。詰め手も、これは犯人ならぬ視聴者の目から見ても、それで犯人と決定されるんじゃあんまりだ、というところがあって。
     まるで最終回っぽく終わってしまうこの作品なのだが、以上の点でまだまだまだまだこれで終わるには心残りな結末だったので、ちゃんと次のシーズンが続いてくれたのは実にめでたいことなのでありました。(おっぺ)
  • 作者
  • 作家・監督等
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