語る「万華鏡」

(まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事)

まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事(まほろしのさつじんあきやみくもえーことゆううつけいじ)

項目名まほろ市の殺人 秋―闇雲A子と憂鬱刑事
読みまほろしのさつじんあきやみくもえーことゆううつけいじ
分類ミステリ小説

作者
  • 麻耶雄嵩(おっぺ)
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  • 公的データ
  • 「早く乗せて!」非番の刑事天城憂の車に、女性が乗り込んで来た。真幌市在住の有名なミステリー作家闇雲A子だった。この春から十一件も連続して殺人事件が発生している。その「真幌キラー」をA子は追っていたのだ。死体の耳が焼かれ、傍には必ず何かが置かれている。犬のぬいぐるみ、闘牛の置物、角材…。真幌市を恐怖のどん底に陥れる殺人鬼の正体とは。(おっぺ)
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  • 感想文等
  • なるほど、こう来るのか、麻耶雄嵩

     タイトルがこんなではあるが、それでも麻耶雄嵩だからなと思って読んだのだけれど、幸いにしてというか、水準的な期待は満たしてくれた。
     ただ企画のためだったような、そして実際の内容からすると違うのではと思われるようなタイトルも、読み終わってみれば一つのミスディレクションか。
     一通り、ザッと読み返してみたが、メランコの発言、内面描写、見事なまでに読み返すと別の意味で蘇ってきて感嘆した。一ヶ所少し引っ掛かったところもないではないが、こちらのミスかもしれない。
     ありがちなような設定を組み合わせて、大胆なスタイルの技にしているが、これは、もしエラリー・クイーンレ―ン四部作」のような形で出していたら、かなり記憶に残るものにもできたかもしれない。惜しいような気さえもするのは、それだけ、ラストの「漢字」のもたらすイメージが凄いものだったからだ。
     この漢字ネタ自体は清涼院ふうで、長編を支えるものではないかもしれないが、このイメージは。
     この漢字の「にんべん」はいったい「だれ」なのか。
     そして、それでもメランコは、やはり一人で憂鬱なのだ。
     私も他人の振りは出来はしない。

     気になるのは2点。
     見処少年が「ちょっと面白い発見があった」と言っていたのは一体なんだったのか。
     そして何より、冒頭の異様な抜粋文章は何だったのか。むしろ、この異様な文章の意味こそ知りたい気もしたのだけれど。。。(おっぺ)
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