語る「万華鏡」

(いちばん初めにあった海)

いちばん初めにあった海(いちばんはじめにあったうみ)

項目名いちばん初めにあった海
読みいちばんはじめにあったうみ
分類ミステリ小説

作者
  • 加納朋子(おっぺ)
  • 公的データ
  • 堀井千波は周囲の騒音に嫌気がさし、引っ越しの準備を始めた。その最中に見つけた一冊の本、『いちばん初めにあった海』。読んだ覚えのない本のページをめくると、その間から未開封の手紙が…。差出人は"YUKI"。だが、千波にはこの人物に全く心当たりがない。しかも、開封すると、「私も人を殺したことがあるから」という謎めいた内容が書かれていた。"YUKI"とは誰なのか?なぜ、ふと目を惹いたこの本に手紙がはさまれていたのか?千波の過去の記憶を辿る旅が始まった―。心にを負った二人の女性の絆と再生を描く感動のミステリー。(おっぺ)
  • 感想文等
  • 初めて、この人の第1作「ななつのこ」を読んだとき、当然のように私もまた「なんだ、北村薫ではないか」とか思ったものだった。。。

     ただ、北村薫の「私」たちが、勿論のように隅々まで理想を与えられているのと比べると、「ななつのこ」のヒロインは、いきなり最初のページからざらっとした「本物の女性」のナマさ加減というものを感じさせて、それで、何となく居心地の悪さをも感じさせられた。。。

     ミステリとしての「謎」性についても、どうしても「本家」北村薫と比較しがちになってしまい、私はあまり加納朋子さんのよい読者とは言えないようだ。。。

     それでも、感性が今のような状態の時には、いっそ本家に比べればある意味不器用なほど「へた」なこの小説が、ラストシーンでどうしても涙腺を緩ませてしまう。

     「つまらない」言葉がとても胸を「つまらせる」ときがある。それは、その言葉が必要なときだからなんだろう。。。?


     *

     併録のこの少女は「麻子」だったんだろうか?(おっぺ)
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